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 名スピーカー ハーべス LS3/5A & コンパクト7 の宙吊りセッティング 

FAPSの試聴室に新たに導入したハーベスのLS3/5A。
以前にお客様が持ち込んだロジャースのLS3/5Aを聞いて以来、強い関心を持っておりました。

昨年(2007年)の月刊ステレオ誌の9月号の記事、「マイベストセッティング」特集でSide-PressスタンドにLS3/5Aを
セットされたジャズ評論家成田正氏のシステムをオーディオ評論家の田中伊佐資氏が診断、チューニングするという内容で
全10ページの特集記事を書かれ、それを読んでいつかは自分用として欲しいと思っていたのです。

昨年末、ハーベス製ではありましたが、非常に程度の良いLS3/5Aを入手できました。

本レポートは、
LS3/5Aの持ち味を思い切り発揮することができると感じた宙吊りセッティングの事例紹介です。

標準のSide-PressスタンドにLS3/5Aセットした場合のレポートは、既にこのFAPSラボ他で紹介させていただいております。

 Side-PressにセットされたLS3/5A

関心のある方は、下記リンクからご覧になってください。
勉強になることがとても多い成田様と成田様のお友達のブログも紹介させていただきます。

FAPSラボのLS3/5A報告

ジャズ評論家成田氏ご本人のウェブ・データ・ベース「CUSTOMS RECORD of JAPAN」のブログ 
 (1/30 5/8 6/28 8/5 12/20 他)

個人ブログ「Sugarのちょっとお寄りなさいよ 」・・・久しぶりの定点観測:成田邸、激変の真相を探る・・・より


(1)宙吊りセッティング!?

宙吊りセッティング・・・スピーカーのセッティングの話題になると出てくるのがこの言葉、

スピーカーのセッティングにおいて影響の大きいのが床への振動伝播による床の共振、鳴りです。
この影響から逃げるための切り札的な言葉として出てくるのが「宙吊りセッティング」
天井からスピーカーを吊って床から隔離するという発想です。

しかしこの宙吊りセッティングを実現した事例を見聞きした事例は、筆者の知るところではほとんどありませんでした。
個人的には、そんなことが実現したとしても、天井からぶら下がっているような状態ではスピーカーの支点がなく
スカスカの低音しか出ないのではないかと想像していました。

スピーカーからしっかりとした音を出すためには、スピーカー本体の支点が明確でなければならないというのが筆者の考えです。
何度かフローティング系のボードやスタンドを試す機会もありました。  マグネットフローティング方式スタンドの例
子綺麗な音は出すものの音楽の力が失われているというのが偽らざる感想でした。


(2)Side-Pressトルネードスタンドによる宙吊りセッティング

トルネードスタンドは、トールボーイスピーカー用として基本設計を行い、
その応用として中型・小型ブックシェルスピーカーでの使用を検討いたしました。

一つは下の写真左のような使い方、L型アダプターを使用し、標準のSide-Pressスタンドと同様な感覚で使用するものです。

もう一つ(写真 中・右)が、今回のテーマの宙吊りセッティング方式で使用するものです。
スピーカーの両側の押し座だけでスピーカーを支えます。スピーカー背面は傾きを与えるためチョンと押している状態です。

この宙吊り式セッティングの音が非常に良い意味で悩ましく驚くべき音を出すのです。

   


(3)LS3/5Aの宙吊りセッティング

早速ですがLS3/5Aの宙吊りセッティングの写真をご紹介します。

セッティング全景です。

スタンドに比較しスピーカーが非常に小さいためスピーカーが宙にある感じです。

LS3/5Aの上に乗っているのは、
パイオニア製のリボンツイター。
15kHz以上をほんの少し出して
スーパーツイター的にセットしました。

このツイターは、
音響パネルRASWALLの後部に設置してある
オーディオフィジックのスーパーウーハーLUNA
との併用を含めた、LS3/5Aの可能性を
確かめるために使用したものです。

 

宙吊りセッティング


スピーカの後端を両側面の押し座で
圧迫保持しています。

側面保持する場所は、
エンクロジャー側面の振動を妨げないように
なるべく背面バッフル近い場所にします。

注意!
 押し座面がスリップしてスピーカーが脱落
 する可能性がありますので、必ず付属の
 押し座を直接使用してください。

宙吊りセッティング(背面)

スピーカーの最下部を球形受け座で
受けています。

背面バッフルではなくエンクロージャーの
下部端面近くを押すのがポイントです。

こうすることで背面バッフルは、自由な鳴りをすることができるのです。

この受け座は、標準添付の
自在自重受け座を改造したものです。

受け座の材質を変えることで音質の
チューニングが出来ます。

 


(3)宙吊りLS3/5Aの音質評価(単独使用状態)

「何、この低音!」 試聴中に部屋に入ってきた女房の第一声です。

Side-Press標準セッティングからこの方式にした時に最も違いが出るのが低音の表現です。
低音のダイナミクスが格段に違います。
LS3/5Aの密閉型エンクロージャーの特徴でもある滑らかでありながら切れも締まりの良い低音に迫力という言葉を追加できます。

余裕の出た低音に支えられて音場全体の大きさが増し、格調あるサウンドに重量感が伴うようになります。

中高域の表現は、Side-Pressスタンド使用時とほとんど同じです。
ピンポイント的に明瞭な定位と奥行き表現がそのまま味わえます。

このままの状態でも、大半の方は、こんな・・・っぽいスピーカーからこんな凄い音が出てくるなんて信じられないと思います。
Side-Pressでブリロンを常用していた私ですが、この音には脱帽です。
ブリロンでは得られない骨の太い音が音楽性を高めるのに非常に効いているのが感じられます。

しかし・・・

重低音も倍音部分の明瞭な再生に助けられ十分に雰囲気を楽しめますが、
オルガンのような持続的な低音になるとユニットの限界が見えてしまうのは、致し方ないところですが
音楽性豊かなスピーカーなのでもう少し欲張りたくなります。

超高域の再現、抜けるような高弦の魅力を出すためには、ツイターの伸び不足も気になってきます。 
      


(4)宙吊りLS3/5Aの音質評価(ツイター&ウーハーの追加)

上記のLS3/5A単独使用状態で感じた部分を対策するために以下の二つを行ってみました。

・ツイターの追加

 コンデンサー1ケを使って約15kHzから上を補助するスーパーツイター的な使い方です。
 使用したのは、パイオニアの安物のリボンツイターです。
 本体に比べ能率が高そうですが実験なのでスパイスをかけ過ぎにしてみました。

 基本的な高音の音質は変わりませんが、スッと上に伸び切って消える感じが出るようになりました。
 トライアングルやベル等の再生音が見違えるようになります。
 スーパーツイターをつけると不思議と低音の切れも良く聞こえるのが不思議なところです。

・スーパーウーハーの追加

 手持ちのオーディオフィジック製のLUNAを使用しました。
 64Hz以下を受け持たせました。
 再生レベルは極く控え目です。部屋の大きさは、中程度にセットしました。
 LUNAは、 フルレンジで鳴らすこともできるのですが、その状態でもLUNAの存在が感じられない程度です。
 ブリロンでも同じですが、LUNAの効果は、素晴らしいものがあります。
 スーパーウーハー(サブウーハー)のほとんどは、追加するだけで低音が不明瞭に不自然になることが多いのですが、
 LUNAは、適正なレベル(控えめということです)を守れば逆に低音の切れと明瞭度を上げるような効果を出せます。

(5)総合評価

圧倒的な音楽表現が可能になりました。
フルオーケストラの醍醐味を十分に味合うことができます。

LS3/5Aの持つ優れた音質に想像もできないスケール感とダイナミクスが加わります。
試聴室の他のスピーカーと明らかに違うのは、低音の極めて自然なつながり感です。
これは、LS3/5Aが素直な減衰特性を持つ密閉型であることも大きな要素になっていると感じました。

身を包むような音に浸ることもできますし、思わず身を引いてしまうような凄い音も出せます。
鬼太鼓座の弓ケ浜に収録されている巨大太鼓の音は、音でなく部屋の揺れとして再現されます。
ズーーンといいう響きと共に部屋がグラリとなるとたいていの人は驚いてしまうでしょう。

まあ、この手の再生は、初めての人を驚かすためにやることが多いのですが、
この組み合わせの本領発揮は、実は室内楽やピアノソロ、声楽なのです。
場の空気感と演奏者の緊張感を感じられるようになり、音楽と真剣勝負するようになります。

ブリロンや805でも同じような傾向になるのは同じなのですが、圧倒的という表現は使っていませんでした。
LS3/5Aの場合は、持ち前の線の太さが奏功して圧倒的と言える表現を出来るようになりました。

こんな小さくて古ぼけた・・と言いたくなるようなスピーカーでしたが、本当に脱帽です。
現在は、試聴室のメインになっております。

(6)ハーベスコンパクトの宙吊り

トルネードスタンドに普通にセットしていたハーベス HLコンパクト7も宙吊りして聞き込みを行いました。
スピーカーが
重いので脱落が心配でしたが、普通に締め付けるだけでしっかり保持されました。

ハーベスコンパクトに関しても本レポートとほとんど同じような印象な結果となっております。

これまでハーベスコンパクトにトルネードをお使いになられる方には、L型アダプター付きのフルセットを
お勧めしてきましたが、基本セットによる宙吊りも可能なこと、脱落の心配もないことを確認しました。
スピーカーを落とさないように注意して取り付ける必要がありますが、ご希望の方には相談に応じます。

 
ハーベスコンパクトの宙吊りセッティング例

(任意の高さにセットすることができます。)
後部の様子

球形座でスピーカーの回転を止め、
スピーカーに任意の角度を与えます。
この受け座の材質で音質のチューニングが出来ます。

ハーベスのLS3/5Aとコンパクトを宙吊りにして確認した結果、一つの答えを得ることができました。

箱鳴り系のスピーカーを最も自由に鳴らすことができるのは、トルネードの宙吊り方式です。

ハーベスの音に対するイメージや外観から来る違和感は、ありますが
音を聞いた瞬間にベストな組み合わせであることを感じると思います。
是非、皆様にも体験して頂きたいと思っております。

以上