2005年8月、久しぶりにCDPチューン 

珍品!? 仏マイクロメガ社のCDPをチューン・・・・
中を見てビックリ(*_*)  これは何!?

2005年正月にやってきた新顔CDP
フランスのMICROMEGA という会社の CD-F1 PREMIUM (YALチューン)。
ずっしりと重い数世代前の古いCDPです。
厚いステンレス板をボルト締めでくみ上げた筐体と分厚いアクリル板で作られたケース。
両手で蓋をあけてからCDをセットし、カーボンファイバーのCDカバー付きのウエイトを乗せ、蓋を閉めてスタート。
アナログプレーヤーと同じ行儀作法で再生を開始します。
リモコンも付いていましたが、マランツのリモコンでも動かせました。

このCDPは、フィリップス社の著名なスイングアームユニットの初期型、CDM1を使用したものです。
と、思っていたのですが・・・

このスイングアームメカはCDM1ではなくて、CDM1MARK2(CDM1MK2)というもので
CDM1とは全くの別物であることをご指摘いただきました。
確かに、ちまたでCDM1と言われているものとは形が違うな・・・とは思っていましたが、
とあるHPでCDM1後期型という表現があったので、そういうものかな・・・と思っていたわけです。

CDP単体の当初の販売価格は、38万円だったそうです。
写真下の珍品DAC、(スイス)META RESEARCH社の「CONVERT1」。
 GOLDMUNDデジタルモジュール を内蔵したもので、これもYALチューン。
セットで購入しました。

どちらも高品質チューンで有名な「安田オーディオラボ(YAL)」によるチューンを受けているとのことでした。
この二つの組み合わせは、異常とも思えるほどの力感を伴った音楽表現が特徴と言えるものです。
度肝を抜かれるという言葉がぴったり。
ロックやボーカルものの真に迫った音楽は、引き寄せられるものがあります。
長時間CD−Rが問題なく再生できるのにも驚きました。

ちなみにCDP単体(アナログ出力)で聞くと物足りないくらいに自然で落ち着いた表現となります。
アナログとデジタル出力の音の差がこんなに大きなCDPは初めてでした。

しかし、デジタル(コアキシャル)出力とCONVERT1 DACを組み合わせの音・・・・
冷静に聞いてみると、この音楽表現は中音域のスピード感と高めのエネルギーバランスがもたらしているもので
高音の伸びとか低音の沈み方等々、オーディオ的な感覚で言うと周波数的にはレンジの狭い音とも言えます。
俗に言えばカマボコ型の音形です。
良く聞けば、出てはいるのですがバランス的に明らかに中音域に負けているのです。
決して定位もよくありません。その辺から音が出てるのかな・・そんな感じの定位の甘さがあります。

これが気になるとオーケストラの配置の曖昧さが気になり、バイオリンの繊細感やずっしりとした重量感、
ジャズ等のハイハットの切れの良さが出てないことにばかり気が行ってしまい、
いつのまにかセカンドCDPになっていました。

常用しているのは、フィリップスの最後のスイングアームユニット CDM−9Proを内蔵したCD−23でした。
ガラス製のなべ蓋式カバーを採用した変わり者です。
このCD−23もプラクトサウンドシステムのクロックチューンを受けて何とか使えるレベルになったものです。
レンジも比較的広く定位の良さと繊細感が取り柄ですが、どこか軽さを感じる音です。

この雰囲気をCD-F1に入れたら良くなるのでは・・・・
そう思い、プラクトの岡本社長にお願いし、クロックチューンを行いました。
前置きが長くなりましたが、以下はそのチューン記です。

★CDP解体

CD-F1の裏蓋を外しました。そこに見えたものは・・・・何これ!?  
まずは下の写真をご覧ください。
鉄板を折り曲げただけの極めて簡単な筐体に各部品がボルトで固定されています。

目に飛び込んできたのは、DAC基盤の上に乗せられているコンデンサー満載のサブボード。
明らかに後付けしたもの。電源回路とバッファーアンプと見受けられます。

2ケのトロイダルトランスも後付けっぽい・・・・

CDユニットは、分厚いアクリルベースを介して取り付けられており、
ゴムクッション2ケとボールベアリングによるスライドベースで浮かせてありました。

オリジナルと思われる電源基盤部を見ると電源2系統にコネクタが挿さっていません。
トロイダルトランスは、ここの電源・・・・アナログ系統の電源を独立させるために追加したものだったと思われます。

ここまで見ると、このCDPは、のはやフランスのMICROMEGAという会社の CD-F1 PREMIUM とは言えない状況と思いました。
細かな部品も交換されている様子です。
プラクトの岡本氏の顔もここまでやるのか・・・・と半分あきれ顔(に見えました)

つくりをしげしげと眺めた後は、プラクトチューンの開始です。
依頼したのは、クロックの高精度化です。

オリジナルのクロック周りの様子

とにかく最短で取り付けてと要望し、高精度クロックは、基盤の上に乗せる形でお願いしました。
高精度クロックを使っても引き回しが長いと音質とノイズに悪影響が出ることがあるためです。
実に手馴れた作業で、短時間で基盤から回路を読み取り、不要部品(コンデンサー類)を取り外し、
プラクト特性の高精度クロック基盤を取り付けていきます。

チューン完成状態の写真です。動作確認も一発でOK。

チューン後の音質は・・・・十分なエージングを行った後ですが
明らかに高音域が明瞭になってきましたが・・・・
しかし超低音や高域の伸びは、不足しているようです。

定位は、相当に良くなり、オーケストラの位置関係も感じられるようになってきました。
これが今回のチューンの最も効果的な部分だったと思います。

基本的な音調は、圧倒的な中音域主体の音表現のまま、これは良いのですが、
性能・特性的には、現代物に比べると少し辛いものが感じられます。

アナログ出力の音も同様な傾向で改善されていました。
このCDPは、スイングアーム独特の音特性を楽しむものかも知れません。

つい先日、数人のお客様を招いて行った、とあるイベントでも、このCDPの音を聞いていただきました。
一人のお客様いわく、「これは昔ながらの管球アンプの音のようだね。」
一人のお客様いわく、「凄い部分もあるけど、なんとも古い音だね」
確かにそうかも知れません。
私は、レンジ云々ではなくて音楽の持つ力を感じられる装置と改めて感じました。

面白い外観と特徴的な音を持つこのCDP。
試聴室マシンの1台として、居座っております。