Side-Pressを超えるSide-Pressを求めて・・・・・
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 実験テーマ  Side-Press Mini スタンドの究極セッティング!?  by FAPS 

FAPSの新商品である Side-Press Miniスタンドは、発売以来好評をいただき、品切れを起こすほどの人気商品となっています。
卓上で良い音を出したい! というお客様は想像以上に多い!ということを実感させられる日々が続いています。

しかし、このMiniスタンドの使いこなしは、難しいというか、奥が深いというか・・・・
使い方次第で大化けする要素に充ち溢れたものであることも次第に判明してきました。

既にご紹介しておりますが、このスタンドは、価格.com お気に入りクチコミ (http://kakaku.com/)の
[スピーカー]編の[7705553] 小型SP&サイドプレスに嵌って… というスレッドで議論・報告が沸騰し
2008年7月9日現在、白熱書き込みNo.1になっていました。  関連スレッド(1)   関連スレッド(2)

このスレを推進されている皆さまは、ほぼ全員がMiniスタンドのオーナー様であり、私もお客様とのQ&Aを介して間接的に登場しております。

今回のFAPSラボでは、上記スレッドで話題になった内容の検証も含め、スピーカーの卓上セッティングについて、最初から見直しを行うことにより
Miniスタンドの卓上セッティングにおけるポイントを探し求めることを目的に行いました。

実験の内容を写真を使い順次ご紹介させていただきます。
上の写真は、実験中のものです。
大型の本格的オーディオラックの手持ちがなかったこと、試聴室に追設する余裕もなかったため、自社製品を使用した擬似ラックを使用しています。

最初に言いわけですが、今回の結果は、当試聴室における部屋環境及び機材により得られたものです。
異なった環境においては、異なった結果が出るかもしれません。
結果の評価に際しては、ご自分の環境と比較しながらお読みになってください。

 

No. 実 験 写 真  及 び   結 果 セッティング説明

実験は、試聴室に大型のオーディオラック相当品を置くことから開始しました。

ベース部、ラック側板部(T−TOPスタンド)、天板部を独立させることにより
各部の挙動を見てみようという思いもあり、今回の形態となっております。

ベース、天板ともに鳴きの影響が一番出やすい無垢材(一枚板)を使用しています。

 

床環境の整備

試聴室は建物の2階にあります。

床は、鉄骨の上に21mmの合板を2枚重ねてはり、その上に5mmの仕上げベニヤ板。

さらにクッション素材を介して毛足長さ10mmの純毛絨毯を敷き詰めてあります。

しかし絨毯の上からは床の挙動がわからないため、実験的に仮の床に相当する板を敷きました。杉材です。

長さ1850mm、幅450mm、厚さ60mm、質量18kgの杉の一枚板です。

杉は、家屋材料としては最も多く使用されている素材であるためベースに使用しました。

その上にT−TOPスタンドを乗せてオーディオラックの支柱として使用しました。

天板の設置 ・・・・ 鮨屋のカウンター登場!?

ラック天板に相当する板を設置します。
こちらは、国産赤松の無垢材です。

この2枚の板は、山形のRASWALL製作元(望山製材所さん)にお願いして、素材切り出しの前の状態で送ってもらったものです。

そのまま鮨屋のカウンターに転用できそうな板・・・・

サイズは、ベースと同じです。

質量は、同寸法の杉よりも10kgも重い28kgでした。

松材としては、限界まで大きく取ってもらった関係で四方に欠けが出ています。

 

ラック天板の支持方法

天板は、奇麗な板面に傷を付けたくないと思い・・・

T-TOPスタンドマンションセット用の座を使用しました。

Side-Pressスタンドの側面押し座と同じものであり、硬質ゴムによる受け面となっています。

左右各3点。計6点支持です。

スタンド下部は、T−TOP標準のスパイクを使用し、床面に傷をつけないように黒檀キューブを使用しました。

 

最初の試聴環境

水準器を使用して慎重に水平を出し、スパイク、受け座を接触圧も均等になるように微調整を行いました。

非常に頑丈な台ができあがりました。

数百kgの過重にも楽に対応できそうな感じであり、びくともしません。

ただし、天板をたたくとコツコツとしまった音ではありますが、響きを伴う鳴りの存在を感じます。

Side-Press Min スタンドの組上げ

今回使用したMiniスタンドは、B&W社のN805用に特注製作した幅広Miniスタンドです。

幅が340mm、支柱は標準Side-Pressと同じ長さで、押し座穴位置も同一です。

左側が組みあがったもの。

右側は、その構成部品です。

スパイク部には、最初から35mmの延長ナットを使用して、設置高さを増やしています。

ラック後方側面には、音響パネルRASWALL4枚を設置しました。

最初の試聴風景と試聴機材

とりあえず普通に配置して音出しを始めました。

新しい機材が届いて普通にそれらを使って音を出すというシチュエーションです。

ラック上下には何も置かず、素材の影響が出やすいセッティングとしました。

 

 

 

 

 

 

下の写真は、試聴に使用した機材です。
どれも20世紀の遺物に属する機材ばかりですが、LP、CD、LD、DAT、DVD、SACD等のソースが再生できる品揃えです。

カセット、FM&MDはお蔵入りさせました。

一応PCオーディオにも対応しています。

テストは、あくまでもスタンド等のセッティング変化に伴う音の変化を聞き分けることなので、これで十分です。機材名称は、省略します。

写真右側は、リスナーの後方に設置してあるAV・サラウンド&レコーディング用の機材です。

試聴結果は・・・・・

805ってこんなに鳴るの!?!?  とりあえずそんな音です。
派手でゴージャスな音・・・・ぶっとい音・・・・  ガンガンと良く響きます・・・迫力もあります・・・。

しかし・・・・・ 違う! まったく違う!! この音は違う!
標準Side-Pressスタンドで聞きなれた805の音とは違う音が出ています。

両脇に比較用に置いたSide-Pressのブリロンを鳴らすまでもないと思う違和感のある音でした。

天板の鳴りが大き過ぎるようです。
音像が肥大してボヤッとした定位感しかなく、その高さも低く天板付近にまとわりついています。
音も混濁しています。
明らかに再生音の品位が下がっています。

Miniスタンドは、派手に振動していますが、ラック台にしたT−TOPスタンドは、微動だにしません。
床板の振動もほとんどありません。
震動が、天板の鳴りになって発散されてしまっているようです。

階下への振動減少を目的にした「T−TOPマンションセット」の効果てきめんというところですが、
今回の場合は、これも余計な仕事をしているという感じです。

常時、標準Side-Pressの音を聞いている私には、この音は使えない! 
ラックの上というか、一枚板の上に左右のスピーカーを置くのはやっぱり邪道か・・・
そんな気持ちもよぎりました。

一度、実験を中止しました。

何が原因なのだろう??

オーディオラックの影響と初期セッティングを少し真面目に調べよう。
この酷い音を標準Side-Pressで出る音に近づけようという気になりました。

 

・・・・・・
やり直し ・・・・ スピーカーのべた置きセッティングからスタート

駄目な音であることを承知の上で実験しました。

賑やかな団子のような音です。オーディオの音とは言えない、はっきり言って酷い音です。

天板が響きに響いています。
定位感はない! と断言できる音であり、ただ音が鳴っているというレベルの音です。

音質云々を言うべき音でもなく、805を使う必要をまったく感じない音です。

ラックの上にスピーカーを直置きするのは、まったく駄目と明言できます。

 

最初にスピーカーを直置きしました。

初心者が最初にやってしまうセッティングですね。

ベースの上には、
ラック的な使用方法と
ベース板の鳴り減少効果を期待して、
質量34kgほどのパワーアンプと6kgほどの小型パワーアンプを乗せました。

 

 

 

 

天板の反射音の軽減

少し厚手のインド綿ラグを置いただけですが、置いた瞬間に反射音が減るのがわかります。

天板の反射音の影響は想像以上に大きいことを確認しました。

 

天板にクロス(インド綿ラグ)を追加しました。
10 スピーカー下部に黒檀キューブを追加

   

わずかですが、賑やかさが減少したように思いましたが、この程度ではダメなことには変わりありません。

 

天板への振動削減を狙ってスピーカー下部に30mm角の黒檀キューブを各3ケ追加しました。
11 試聴の様子

音を聞きながら、この実験は失敗!?
ラックの上にスピーカー設置は、基本的に駄目!? 
そんなことを考えながら試聴を繰り返し、各部を詳細にチェックしました。

天板、スタンド、ベースに耳を押し当てて音を聞いたり・・・・
各部の振動を調べたり・・・・・

最初の結果と同じようにMiniスタンドは、派手に振動していますが、
ラック台にしたT−TOPスタンドは、微動だにしません。床板の振動もほとんどありません。

これか!? 原因の一つが見えてきました。

将来、鮨屋屋カウンターになるかも知れない(笑)  傷を付けたくないという気持が裏目に出たようです。

天板を座で受けたことにより・・・・ 座の硬質ゴム、座面軸部のガタが影響し、
天板の振動を床に逃がすことができず、逆に天板を盛大に共鳴させているようでした。

 

試聴は、すべて左右の標準Side-Pressに設置したブリロンと比較試聴する形で行いました。

ちなみにこのブリロンは宙吊りセッティングされています。

ブリロンの音を整えるために、ハーフサイズRASWALLの設置高さも変更しました。

 

人間(私)の耳は、聞くたびに前の音の印象が希薄になり(音に馴れるとも言いますが・・)
僅かな音の違いに気がつかなくなります。

今回は、一回ごとにブリロンの音を聞いて、感覚をリセットし、音の違いを感じやすくしました。

試聴中は、ノートを持ち、感じたことをすべて記録していきます。

セッティングを変えた時の比較項目を忘れてしまうこともあるので、記録ノートは役に立ちます。

 

12 天板支持方法の変更

  ⇒  
変更前                            変更後

もう一度やり直しです。

天板受けに使っていたSide-Press用の側面押し座を外し、鋭角スパイクに交換しました。

各2点支持でも良いと思いましたが、ラック全体が倒れにくくなるように、あえて各3点支持としました。

1/10d級の私が板の上に乗ったり跳ねたり・・・
全体の当たりと馴染みを整えました。

6か所のスパイクの当たり加減が均等になるように調整しました。

天板は、ガタつくことなく固定されています。

13  スピーカー下部にキューブをかませ、天板にはクロスをかぶせた状態からテスト開始しました。
14 さて、どうなるか・・・・音を出しました。
とりあえず安堵方向でした。
音の暴れが激減し。最初に感じた違和感が減っています。

音に鮮度が出てきています。
余計な響きが減っています。
ダイナミックなイメージもあり迫力も出ます。
オーディオにうとい人が聞けば、結構凄い音と感じる音でしょう。

しかし、音が妙に太く、余計な響きが乗っていて賑やか傾向の音です。
大太鼓の音は、空気のように出てくるはずなのですが・・・・
太鼓の胴部分の鳴りが目立つ妙に甲高い音です。

音の定位位置も低く、天板付近にあり、標準Side-Pressで聞ける上下方向の定位感はありません。
低音の沈み込みは、まったく不足しています。
どこかに共鳴点もあるようで、妙な響きになる部分もあります。

各部分の振動を調べてみると

天板 ⇒ スタンド ⇒ ベース ⇒ 床 と振動がダイレクトに伝わっているのがわかります。
天板支持にスパイクを使用した効果(影響)が、非常に大きいことがわかります。
足元の床面に伝わってくる振動も大きめです。

天板上の布の有無の効果も顕著に出ます。

     
15 黒檀キューブをミニスタンドに入れ替えました。

 

16 聞き始めてすぐに音の定位位置が上に上がっているのがわかります。
天板にまとわりついていた音が解放された感じです。

ああ・・・Side-Pressの音だ! そんな印象です。
ちょっと派手というか豪華な音にも聞こえます。

低音の輪郭が明らかに明瞭になっています。
オーケストラのモゴモゴ聞こえていた低弦の音がしっかりと音階を伴って聞こえてきます。
黒檀キューブとは明らかに違う低域の沈み込みも出てきました。

定位感も出ており、この時点で初めて奥行き方向の定位感を感じ取れるようになりました。
前面一杯に音が埋まっている感じです。
左右への広がりもそこそこに出ています。
スピーカーの存在を感じない部分も出てきました。

一応、これがSide-Pressスタンドの音です、と言えるレベルの音になりました。

ラック上にセットしたスピーカーとしては、最上の状態で鳴っていると言えるでしょう。

天板の支持がゴム座からスパイクになっただけなのですが、
音の変化は、極めて大きく、別モノの音になったことは、驚きでもありました。
うーん・・・ラックの影響は想像以上に大きいな! 強く感じました。

しかし、あえて言ってしまうと・・・・

ここまでやってもこの程度なら、最初から標準Side-Pressスタンドにした方が良いし安上がり。
高いラックを買ってミニスタンドを乗せても、標準Side-Pressを超える音は出ない。
偽らざる感想・思いです。

比較試聴用にセットしたブリロンを聞くとそれを痛感します。
音の自然さが大きく違います。

明らかにラック天板の響きが乗ってきているのがわかるのです。
物理的には805ユニットの方が高い位置にあるにもかかわらず、音は20cmほど下がって聞こえます。

やはりラック天板の存在そのものの影響は大きく、消すことはできないでしょう。

この影響を音の味付けと感じる程度に軽減し、味わうことを楽しむべきと思いました。


17   番 外 編 !?

このレポートの最初にも書きましたが、Side-Press Mini スタンドの使いこなしについては、
熱心なユーザー様お二人を中心に価格comの口コミスレッドで様々な報告がなされています。

その中で私も非常に興味を持ったのが都内にお住いのA様がチャレンジされた
延長脚によるセッティング(右写真)でした。

スパイク部分をロングボルトと延長用長ナットを使って下駄をはかせたセッティングです。

この姿・・・StarWars最後に出てくる帝国軍の二本足歩行兵器に見えませんか?
縫いぐるみ動物に足をロープで巻かれて倒れるアレです(笑)
私はロボット脚と呼んでいます。

面白い格好はともかくとして、
音的に良い方向に作用するのはわかっていましたので、いろいろと試してみました。

 

18     左の写真がこれまでのセッティングとの比較写真です。

A様は、150mmの長いボルトを使っていましたが、ここでは、100mmのボルトです。

右の写真は、その全景。

下は、床面からの設置寸法です。
床からスピーカー底面まで80cmと標準Side-Pressよりも高くなりました。

19 ロボット脚のMiniスタンド試聴結果  
20 試聴状態写真です。

標準Side-Pressスタンドを上下で切断して間に板を挟んだようなイメージですね。

蟹にも見えるし・・・
でもやっぱりロボットだ。

21
予想を超える素晴らしい音が出てきています。
標準Side-Pressの音に肉薄している音と言えるでしょう。
妙な癖を感じない自然な音になっています。

スピーカーの存在は、ほとんど見えなくなっています。
すべての面において向上しています。

低音がしっかりと沈み込むようになったのが印象的です。
スピーカー後方の奥行き感と定位が明瞭になっていることにも気が付きます。

天板の響きも非常に少ないレベルになっており、ちょっと豪華な音のSide-Pressという印象です。
この音なら誰でも満足するだろうな、と思わせられる素晴らしい音になっています。

不思議なことに天板に布を被せなくても普通に聞いていられる音になっていました。

各部の振動を見てみると、ミニスタンド本体の振動が増えており、
スタンド本体で効果的に振動を吸収・発散してしていることがわかります。
床面の振動も大きく減っています。

今回の実験では、この音が最も良い状態と断言できる、素晴らしいレベルの音になっていました。

この上を望むむなら、標準Side-Pressを選択するしかないという状態でした。

 

この延長ボルト脚セット、
近所のホームセンター等で
購入することもできますが、
ステンレス製ボルトが多いようです。

弊社拘りの鉄製(SCM材)による延長セットのオプション販売も検討することにしました。

 

22 まとめ

ラック天板の影響検証のような実験になってしまいましたが、良い勉強になりました。
部屋のスペース上の問題から、どうしてもラックや机の上にスピ―カーを設置せざるを得ない方も多いと思います。

私自身が、長い間、卓上でピュアオーディオは困難と思ってきました。
旧型のミニスタンドの製造販売を終えた時点でミニの販売は、打ち切りと考えていた時期もありました。

しかし、旧型ミニスタンドに関する問い合わせが、その後も続いたこともあり、
この分野の製品に改めて着手し、Side-PressMiniを開発することになりました。

正直言って、当初の反応は低く、やっぱりなあ・・・と思う日々が続きました。

しかし、都内のA様、O様というお二人のお客様がMiniの使いこなしについて
非常に沢山の実験を行ってくださり、たくさんのレポートを頂戴しました。

その一部は、価格comの口コミスレでも公表され、更に多くの方々が関心を持たれるようになり、
Miniスタンド自体が公認されたような形になりました。

今回の実験を終え、使いこなしには多少の工夫が必要ではあるものの、
卓上でオーディオを楽しみたいという皆様に対して、強力なツールを提供しているとの自負も芽生えました。

このレポートが、少しでも皆さまのお役にたてば幸いです。

A様、O様 本当にありがとうございました。改めて御礼申し上げます。

FAPS 志賀