Side-Pressを超えるSide-Pressを求めて・・・・・
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 実験テーマ  FAPS試聴室の機器再編成  by FAPS 志賀 

総費用30万円程度、誰でも組める音の良いシステムを考えました。

   目次 第1編 「試聴室機材の再編成を考える」 

       第2編 「ONKYOのデジタルアンプ A-1VLについて」

       第3編 「ONKYOのオーディオコンピューターHDC-1.0(S)について 」

       第4編 「パイオニアの小型ブックシェルフスピーカー S-A4SPT-VPについて」

       続編(1) 「ATC SCM7他の追加導入のご紹介」

       続編(2) 試聴室用積み重ね式オーディオラック製作記

その後、メインシステムの機材についても見直しを行いました。

 2009年2月現在の試聴室の雰囲気と機材構成



第1編 「試聴室機材の再編成を考える」

FAPSの試聴室、以前は近隣の方が訪れる程度でしたが、最近は遠路遥々いらっしゃる方も増えてきました。

FAPSは、通信販売専門のため通常の店舗はなく、事務室兼倉庫で営業活動を行っています。

試聴室は、小高い山の一番上にある私の自宅の2階の一室。
写真の円筒状に突き出した出窓のある部屋が試聴室です。

 FAPS事務所兼試聴室

このことは、来訪されるお客様には事前にお伝えしていますが、実際に来られた
お客様のほとんどが、「ほう、本当にそうなんだ!」みたいな感想を述べられています。

試聴室に普通の部屋を使用しているのも、私なりのこだわりです。
お客様が生活しているような一般的な部屋でやらなければ試聴の意味がないと考えています。

特に購入を前提にした試聴という意味からは、可能な限りお客様の部屋に近い方が良いと考えています。


いきなり余談ですが・・・
今から10年ほど前からこの部屋でオーディオを始めるようになり、仲間の機材を持ち込んで比較試聴や激論を交わしたり、
機材のチューニング等を行っていました。少しだけ昔の様子を写真でご紹介します。

10年前の部屋の様子。実は、寝室でした。

ベッドとソファ、それとステレオが1セットおいてあるだけでした。

写真のスピーカーは、ブリロン1.0.スタンドは純正です。

細長い10畳弱の洋室。
床は、多少厚さがあるものも普通のコンパネ貼りに絨毯挽き。

壁と天井は、石膏ボードに布張り。正面は作りつけのロッカースペース。大きな出窓が二つ。
特にオーディオを意識した作りではありません。

時には、仲間が集まり酒を飲みかわしながら

夜通し音楽とオーディオを語らっていました。

右上の白シャツさんが、ブリロン純正スタンドの設計製造者T氏。
私のオーディオの師匠でもあり、
Side-Press他のFAPSスタンドの製造会社の主でもあります。

シンクロスコープまで持ち込んで機材のチューニングを行い、

その結果を喧々諤々と・・・・

この頃の経験とノウハウが今につながり・・・・

私は、FAPSを立ち上げ

写真の主は、Pract Sound Systemを立ち上げ

現在に至っております。

 

各自の力作を持ち寄り比較試聴大会。

今はなき電研・・・ちょっとした行き来があって 

DA-7080の試聴会
を行ったり
(茨城地区の報告をご覧になってください)


暇さえあれば、いろいろとやっておりました。

 


試聴室の機材の話に戻します。なぜ再編成するのか、その理由は?

試聴されたお客様が「この音、気に入ったので同じものを作りたい!」というようなことを言われて返事に窮することが度々あったのです。

なぜ返事に窮するか? 
使っている機材が旧式であったり現在は入手不能なものであったり、
独自のチューニングを行っていたりしており、同じものはないのが実情だったわけです。

そもそも試聴の目的は、スタンドの有効性の確認なので、機材は適当なもので良いと考えていました。
良い音を求めて機材を入れ替えて音を比較する通常のオーディオ機器販売店の試聴室とは、まったく意味が違うわけです。

しかし、現実には試聴室と同じ装置を求めるお客様が出てきたり、機材選定に関する質問を受けることも多くなってきました。
今回の機材見直しは、こうしたご質問、要望にも可能な限り応えられるようにすることを目的に行ったものです。


単に良い音が欲しいのであれば、(暴言ですが)最新の高級機材を並べれば、当然それなりのクオリティーを持った音も出るはずです。
お金さえかければ似たような音も出せるはずです。

しかしこれでは、安くて良い音、楽しめる音楽を出したいという貧乏オーディオ万歳組の私の信条&心情と合いません。

アンプの自作から始まり、40年以上も音楽とオーディオを楽しみにやってきたわけですが、その基本的な考えは、

なるべく安い機材を!
一度買ったら徹底的に使いこなせ!
ダメなら手を加えろ!         

というものです。
FAPSの商品群もそういう発想の中から生まれてきたものが大半です。
特にSide-Pressスタンドは、小型スピーカーの音の半分はスタンドで決まるという信念に基づき生み出したものです。

安価な市販品を使用して再現性のあるシステムを構築するというテーマは決まりましたが、
自宅にはそうした機材はなく、近隣に聞く場所や機会も少なく、
情報源はおのずとオーディオ雑誌や、WEB上の情報になるわけです。

正直言って私は、この手の情報を素直に受け入れることができません。
過去にこれらの評判を鵜呑みにして購入した機材の音を聞いてガッカリしたことが多すぎたこともあります。

スタンド屋と言えども、お客様に自分で見たことも聞いたこともない機材をお勧めするわけにはいきません。
自分で聞くか、本当に信頼がおける情報に基づきアドバイスをしなければならないと思っており、
今回もまず自分で評価することにいたしました。


前置きが長くなりました。今回行った試聴室の機器編成のご紹介です。

システム総予算は、30〜50万程度を想定しました。
結構な金額ですが、異常に機材が高くなってしまった現時点では、この辺が入門レベルと考えています。
価格は、入門レベルでも満足感の得られる音を出せる組み合わせを模索することにしました。

もちろん小型スピーカーにSide-Pressスタンドを組み合わせることが条件です。
自社製品を売ろうということではなく、この組み合わせが音質面で最強という自信を持っての選択です。

スタンド代を引くと25〜43万程度が残りです。

機材構成は、CDP(音源)〜アンプ〜スピーカーとなります。
価格バランスとしては、CDP、アンプ、スピーカーに各10万前後と考えました。


まず出口のスピーカー。セット10万程度で高音質なもの。

中古で買えるのであれば、私が常用し、試聴室のメインスピーカーであるオーディオフィジック社のブリロンが一押しです。
オークションで10万程度でしょう。

Side-Pressとの組み合わせで想像をはるかに超えた音が出ます。
試聴室に来られたお客様のほとんどが、まずこの音に驚きます。

スピーカーは、まったく見えなくなります。スピーカーの左右に大きく音場が広がり、ステージの奥行きが10m以上あるように感じます。
演奏者の位置、歌手の喉の位置までわかるような定位感、わずか9cmのウーハーから出ているとは、全く思えない低音等々。

B&Wの805シリーズも良いと思います。初期型のN805なら10万円前半で入手可能でしょう。

新品のスピーカーは、お客様の感想、ご意見を総合的に考えると、
パイオニア社のピュアモルトスピーカー S-A4SPT-VP が非常に良いように思えました。
間もなく試聴室にもやってまいります。



送料込みでもセット6万5千円程度。Side-Pressとの相性も抜群です。
これならスタンドと合わせても13万ちょっとですみます。



最も悩んだものがCDP(音源)でした。
ほとんどの方の主要な音源は、CDであると考えています。

SACDやDVDの台頭と共にCDの再生も可能な数万円台のマルチプレーヤーも販売されております。
FAPS試聴室にも常備してありますが、これをCDPとして使うには、音質、操作性の面で不満が多いので対象外としました。

10万円台のCDPは各社から販売されていますが、聞いた限りではどれも似たような音質であり、
ドングリの背比べ状態。すぐに上級機種に乗り換えたくなると思えます。
しかし多少上級機種の20万の音を聞いても、CDの基本的な問題もあり、本質的に大きな改善は得られないように思いました。

私自身が既にPC(HDD)オーディオに移行中であったこともあり、
正直言って、今さらCDPはないだろう、という思いもありました。

そこで目を付けたのは、ONKYOのオーディオコンピューターHDC-1.0(S) でした。
中身は、純然たるパソコンですが、一応オーディオ部分は凝った作りになっていること、
静音が特徴であること、簡単な操作でCDを高音質でリッピングできること、
PC離れしたデザインであり、通常はリモコン操作で使用できること等が魅力的に見えました。


           Onkyo オーディオコンピュータ HDC-1.0(S)

どこでも買える市販品、ポリシーは理解できるし、理論的に音も期待できそうと考えたわけです。

しかし、本体単体の販売価格が約20万円。しかもディスプレイは別売。
これは高過ぎで手を出す気にはなりませんでした。

仕様・性能的には、現時点では非力であり、パソコンとしても中途半端。
これなら普通の高性能PCを買ったほうが楽しめると思っていました。

ところが家電量販店で面白いものを見つけました。
HDC-1.0(S)にアクティブスピーカーを組み合わせたものの方が値段が安く、何と13万で売られていました。

これをヒントにオークション等をあさったところ、このセットのコンピュータだけが8万程度で結構出品されていたのを見つけました。
8万・・・駄目ならビスタPCとして使えば良いという乗りで早速入手いたしました。

送られてきた商品は、未開封・未使用の新品、もちろんHDC-1.0(S)そのものでした。
実に不思議な価格体系というか販売価格です。

使い方を割り切れば、非常に便利でお買い得のオーディオ機材というのが答えでした。
本レポートの詳細記事の一つは、このHDC-1.0(S)のレポートとなります。


アンプは、10万前後で簡単に入手でき、能率の悪い小型スピーカーをドライブできるものとが条件でした。

十数万で管球式アンプも買えますが、真空管の維持更新に定期的に結構な費用がかかることを勘案し、対象外としました。

このクラスのアンプとしては、評判も良く、当社スタンドのユーザーさんにも愛用者が多いOnkyoのデジタルアンプ、A-1VLが最有力と考えました。


     ONKYO デジタルプリメインアンプ A-1VL

HDC-1.0(S)もOnkyo製ですが、特に意図はなく、偶然同じメーカーになりました。

ただし私自身は、このアンプは実際に聞いたことがなかったことなので、この機会に実際に入手し、詳細な確認を行いました。

実際に使用したA-1VLは、非常に熱心なSide-PressユーザーでもあるA様からお借りしたものです。

A様は、A-1VLを通して現在の素晴らしいシステムを構築されており、そのノウハウもご提供いただいております。
ご自身が既にA-1VLを卒業したと言われており、
FAPSのお客様のためになるのであれば、ということで喜んで嫁に出してくださいました。

以上によりFAPS試聴室の標準システムを構築することにいたしました。
購入方法により費用は変わってきますが、新品を購入するとした場合、
パイオニアのピュアモルトスピーカー + Side-Press スタンドで 約13万円
Onkyoのオーディオ用コンピュータ 8万円〜20万円
Onkyoのプリメインアンプ A-1VLが約10万円
ケーブル類に2万程度 で合計33〜45万円程度となり、一応想定額内となります。

異論はあると思いますが、私なりの選択です。

実際には、どうだったか・・・・?
試聴室の機材との組合わせを含め、長時間の比較試聴と使いこなし方を調査検討しました。


下の図は、比較試聴に使用した機材の構成図です。

 機材の配置状況

 
左手前のピアノ上のディスプレイは、手前ラックの最下段に設置したHDC-1.0(S)用。


第2編 「ONKYOのデジタルアンプ A-1VLについて」

試聴室に新しく登場したプリメインアンプ ONKYOのデジタルアンプ A-1VL。

その素性は? 能力はいかほど? 

このアンプは、デジタルアンプとのこと。私は、デジタルアンプ初体験です。
とりあえずデジタルもアナログも関係なしに、音を出し徹底的に聞きこんで私なりに評価を行ってみました。

試聴システムの構成は、前出の機器構成図の通りです。スピーカーは主にブリロンを使用しています。


◎ いきなり結論です。

最初に今回のオーディオ初心者向けシステム用として、このアンプの総合的な評価を先に書いてしまいます。

初めてオーディオをやる人、今回のように限られた予算の中でやるには、間違いなくお勧めです。

必要十分以上の能力とパワーがあります。
輪郭の明瞭な音を持ち、能率の悪いスピーカーを楽々と駆動してしまうドライブ力も魅力です。

音質的に飛び出している部分は少なく、帯域的にも適度に上下とも素直に伸びており特に癖を感じる音ではありません。

価格を考えれば、十分な解像度もあり満足して良い音だと思います。
それなりの空間表現能力もあります。
これらを総合すると国産の低価格帯のアンプの代表として立派なものだと思います。

作りもしっかりしていて品質感があり、所有する喜びも感じ、全体に好感です。
10万前後のアンプで総合的な面でこれに打ち勝てるものは少ないのではないでしょうか。

以下に細々としたことについて書きますが、そこで書かれている欠点等は、実際には微々たるものです。
そういったことに不満を感じるのではなく、癖として受け止めてしまい、気楽に音楽を楽しむことが、最善かもしれません。

わずかな音の改善という名目で、いつしかわずかな変化を感じるために数倍の費用をかけてしまうオーディオ人達。
できたら、そのような世界には入って欲しくないというのが、私の正直な気持ちです。


とか言いつつ・・・・(笑)

本格オーディオの入門用アンプとしては、実にお勧め品であることは前述の通りなのですが・・・。

聞きこむにつれて、いつも聞いている音に比べると、どことなく物足りなく感じる部分を感じてしまうわけです。

既にある程度の音質を有するアンプを持っている人や既に耳が肥えてしまった人も同じように感じるかも知れません。

このアンプが価格以上に優れた能力を持っていることは認めますが、
正直にいえば、現在の私が自分のための音楽鑑賞用アンプとすることはないと思います。
一度良いものを聞いてしまうと元に戻れないというオーディオ病の所以でしょう。

そして、このアンプの実力と限界、不満を知ってもらうことも、有意義と考えています。
反面教師的な意味も含めて、このアンプを試聴室に常設するのは、非常に意味があることと考えた訳です。

そのへんの感想を以下で紹介させていただきます。

文章化すると針小棒大で大げさになってしまい、大きな違いがあるように感じてしまいますが、
その違いは、僅かと思ってください。普通に音楽を聴いて楽しんでいる限りにおいては、まず気にならないレベルです。

その僅かな音の違いを感じるかどうか、それに何を感じるのかによってオーディオとの付き合い方が左右されてきます。

オーディオは、あくまでも手段。目的は音楽を楽しむことです。

今出ている音を聞いて自分は、何を求めているのだろうか、どこで満足するのだろうか、
今回の試みは、そんなことへ答えを出すための一つの判断基準を提供できそうな気がしています。


(1)A−1VL 単独試聴結果

最初に単独で適当に音を出してざっと音の傾向をみました。

音源は、CDP(マランツCD-23F改)のデジタル同軸出力〜DACのアナログ出力と
オーディオコンピュータ HDC-1.0(S)の24bit、48KHz及び96KHzでCDから吸い上げた非圧縮のWaveデータのアナログ出力です。

これをA-1VLのプリ入力に入れて音を出し、プリメインアンプとしての音を聞き音の傾向を把握しました。

このアンプは、プリメインアンプですが、パワーアンプ用の入力端子(ダイレクト端子)も備えています。

次にこれらを試聴室の常備プリアンプ LuxmanのC-03(改)を経由してA-1VLのダイレクト入力に入れて音出しを行いました。
ここからは、A-1VLはパワーアンプとして作動します。


余談ですが、
Onkyoのオーディオ用コンピュータHDC-1.0(S)は、指定した周波数でデジタル信号を光OUTから出力できます。
この出力をゴールドムンドのDACに入れ、プリC−03経由でA-1VLのプリインプットに入れました。
しかしDAC側が96KHz信号を処理することができなかったため、48KHzに落して出力させてテストを行いました。

最終的には、HDC-1.0(S)出力を直接A-1VLのプリアンプに入力するということで落ち着いたのですが、
この辺の詳細は、HDC-1.0(S)編で説明します。


スピーカーは、標準Side-Pressに標準的にセットしたオーディオフィジック社のブリロン1.0と幅広MiniスタンドにセットしたN805です。
感想は、ブリロンによる再生音を中心に書いてあります。
近日中にパイオニアのピュアモルトも加わる予定ですが、それは別途報告とします。

出てきた音は、ちょっと硬い感じもありますが、綺麗に整理された音が非常に行儀よく並んでいます。

そこそこの奥行き感もあり、ピンポイント的な明確な定位感があり楽器、奏者の位置がよくわかります。
それぞれの帯域の音がそれぞれにそれなりのエネルギーを持って出てきています。

解像度も特に問題ないというところです。

必要十分なダイナミックレンジも確保されていて最強音においても破綻を感じさせません。
スピーカーを強力にドライブする感覚もありパワー不足は感じません。、なかなかいいな!という感じです。

実際、この音を聞けば、普通には、びっくり仰天でしょう。
わずか9cmのウーハーから出ているとは思えない、と言うか、

どこから音が出ているかわからないけど、凄く綺麗な音がビシッと並び凄い迫力でなっているわけですから。
これでアガリ! と思っても不思議ではないと思います。
この答えが、このシステムの目的の一つだと思います。


しかし・・・・試聴室のいつもの音と比べると・・・

上下の伸びの「雰囲気」が頭打ち気味。
奥行きも若干浅い・・・
オーケストラで言えば、ステージの奥行きが狭くて雛段がなく、木管奏者が弦楽器の後ろに立って演奏している、そんなイメージです。
しかし、横方向の張り出しは十分なので、余計奥行きが狭く感じるようです。

普段聞いている音と比べると、どちらというと細い感じの音です。
音数というか響きの「余裕」が足りない感じを受けます。

正直言って、聞いていて楽しい音楽が鳴ってくれていないような印象を持つ時がありました。
私の頭の中にデジタルアンプは・・・という各種情報に惑わされた概念があるせいかもしれません。

更によい音になるかもしれないなと思い、とりあえず単独でできる対策として、電源ケーブルを変えてみました。

結果ですが・・・このアンプは電源ケーブルで相当に化けます。

ケーブルの違いは、微々たるものと思っている私ですが、付属ケーブルと手持ちのケーブルでは、音の響きが大きく違いました。
付属品は、まとまっている音とも言えますが、響きに余裕がなかったものが、相当に改善されました。

これを使いこなすためには、まず電源ケーブルを良質なものにすることが必要なようです。

手持ちの電源ケーブルは、電源ケーブルが話題になり出した頃に購入したAudio-Power製Pl313-6というものです。
10年近く前で1.5mで2万程度だたっと思います。
CDP等のデジタル機器に効果があるというケーブルです。以下の試聴はこれを用いた結果です。

ちなみに試聴室の電源は、オーディオ系専用に独立させた系統を使用し、
振動、うなり音を避けるために別部屋に設置した1Kwのノイズカットトランスを介して電源供給をしています。


(2)比較試聴

単体試聴は、聞くにつれて思い込みが深くなり、正しい判断ができなくなることが多々あります。
それを防止するために、現在の試聴室標準の機器構成にA-1VLを入れた形で比較しました。

具体的には、常用パワーアンプ(アキュフェーズ P500改)とA-1VLを入れ替えながら試聴しました。
セレクターではなく、その都度、ラインケーブルとスピーカーケーブル(バナナ端子)を差し替えました。
A-1VLは、ダイレクトモード(パワーアンプモード)での使用です。



使用したアンプ。この他にラック内のエレクトロコンパニエのECI−1を使用しました。
性能や使用は、A-1VLと似通ったものですが、強力な電源の効果でスピーカーのドライブ能力と音場表現に秀でたアンプです。
 
写真右上は、自作の知る人ぞ知るエメロードというLM3886使用ミニパワーアンプ。
出川式の第2世代電源を採用した高音質アンプです。


同じ音源を何度も聴き比べながら評価を行いました。
単独試聴の傾向から、発音時の余韻が多い音源で差が出そうと思えたために、
打楽器、アコースティックギター、ピアノ、声楽曲それとクラシックのオーケストラものを使いました。

A-1VLですが、プリメインアンプとして聞いた音の印象とあまり変わりがありませんませんでした。
このことから、逆にA-1VLのプリ部も「変な音を作っていない」という面でそこそこに使えるという感じを受けました。

しかし、比較の結果は・・・

比較評価であり、無理に文字にするため大袈裟な書き方になってしまいますが、一聴してわかる違いがありました。
わずかな違いでもあり、大きな違いにも感じます。
この辺は、お聞きになる方のオーディオへの接し方の違いにより変わってくると思います。

ちなみに私は、オーケストラのスコア(総譜)を見ながら音楽を鑑賞するタイプですので、結構細かいことが気になるタイプです。
現在も演奏活動、各種PA活動を行っており、過去にはオーケストラ等での演奏経験もあるため、
演奏や録音状態にも厳しい評価をする方だと思っています。



●ONKYO デジタルプリメインアンプ A-1VL の評価、

スピーカーとその周辺に音があって、リスナーがそれを聞いてやる、聞きに行ってやるという印象があります。

上下の伸びの雰囲気!が頭打ち気味。普段聞いている音と比べると意外と細い感じの音です。
音数が少ないというか、響きの「余裕」、「音色感」が少し足りない感じです。

音が楽音としてストレートに伝わってこないで、そこに音が存在するという感じがあります。
冷静な性格のアンプと言えないこともないです。
音量を上げれば、勿論音の洪水は押し寄せてきますが、それに比例した音楽の感興が押し寄せてこないのです。

個別の音を聞くと楽器の発音時(音の立ち上がり部分)のエネルギー感と発音に伴う余韻的な表現が弱い感じがします。

楽器の録音は、(ライン録りは別ですが)、楽器とその周辺、聞き手周辺の空気感というものが必ず含まれています。
例えば、太鼓やドラムが叩かれた瞬間には、密度の濃い打撃の衝撃が出てきて、
次に皮の振動が引き起こす「音」が部屋の残響により化粧されて聞こえてきますが、その辺の区別が十分にできてないという感じです。

音が出始めた後に乗ってくるエネルギー部分が強調されてくる印象があります。
スコーンと抜けるはずの音が飛んでくる前に消え落ちてしまう感じです。

低域そのものは豊かであり、比較的輪郭部分も明確で再生音から譜面を起こせる程度の解像度があります。
しかしその場の空気を鳴らし切り、浸透するように深く沈みこむという感じまでは行ってないようです。

普通の言い方をすれば、全体に音の芯は良く出ていますが、響きが薄いのです。
定位感が良いと思ったのは、各楽器の音の芯が強く出ているためかなと思いました。

この辺のことを判ってもらうのも試聴室の一つの意味かなと思っています。

しかし、このアンプの値段は実売10万円! これを考えたら十分すぎる音です。
10万円でこんな能力を持ち、商品としての完成度を持ったものは、極めて少ないと思います。

試聴室にあるエレクトロコンパニエのECI−1(40万円台の電源に凝ったアンプです)と比較してもスピーカーを鳴らす能力については、
まったく引けをとりませんでした。
この価格のアンプに上に書いたような不満の解消を望むのは無理。望む方が間違いと断言しておきます。

いずれにしても、このアンプに関しては、自信を持って私の意見を言えるようにもなりました。


アキュフェーズのパワーアンプ P500

1985年に定価51万円で発売された、数世代前の古いパワーアンプです。
少し前にオーディオ仲間の一人から約1/10の値段で譲り受けたものです。
状態も良く、動作にまったく問題はなく、現在は各部をリフレッシュした状態で使用しています。

A−1VLで感じられた、不満を感じることはほとんどありません。
音の木目細かさのレベルが違います。これが明らかな違いです。

A−1VLよりも全体にピントが甘く、音楽が柔らかくなるにも拘わらず、音楽が飛んできます。

物理的な定位感は、A-1VLよりも甘いものの、奥行き感が良く表現されており、演奏者の存在感を感じるような音場です。
A−1VLで少なくなっていた何かが戻ってきたような音です。

この差が長時間音楽を聞く上で一番影響が大きいと思いました。

低音の解像度、沈み込みについてもまったく不満は感じません。

ウーハー系が10cmにも満たないブリロンから出ている音とは、普通の人はまったく信じられないでしょう。
そもそもスピーカーの存在感がなくなりますので、眼前に並ぶ複数のスピーカーのどれが鳴っているかわからない状態です。

最強音や突発音に対する瞬発力と緊張感の表現においても、明らかにA−1VLの上を行っています。

この古いアンプに関しては、多くを語るつもりはありませんが、まあ、腐っても鯛! ということにしておきましょう。


・・・独り言・・・  ・・・試聴について・・・

上記のような比較試聴の機会に感じられたわずかな音の違いを求めるために、高額な上位機種を求める必要があるか・・・
と言われると悩んでしまいます。
お金に余裕があるなら、どうぞどうぞ、と言いますが・・・

私の耳は、あくまでも比較試聴してわかるレベルです。
だったら余計な比較試聴なんか行わないで、そんな細かい違いなんか気にせずに安くて気に入った機材を買って、
余ったお金でCD等をたくさん買って音楽した方が楽しいはずと思っています。

自分がいつも聞いている音と「違う音」に出会った時に、違う音=良い音と勘違いすることがあります。
オーディオに住む魔物は、慣れに伴う変化への憧れという誘惑で私たちを混沌の世界に引き込もうとします。

特に試聴で劇的な変化を感じた場合は、数時間の試聴を数回繰り返すくらいの覚悟で試聴した方が良いと思います。
その変化が本当に良いものなのか、耳障りではないのか、等々を時間をかけて判断することをお勧めします。
一時的な感動や、勘違いで不要な出費をしないためにも。

安くて良い音を!という今回のテーマでは、投資する気がないなら余計な比較試聴は行わない。
買った機材に惚れて、その良さをさらに引き出してあげること、これが答えの一つかなと思っています。



第3編 ONKYO オーディオ用コンピューター HDC-1.0(S)

本体のみ7万8千円という値段につられて購入したHDC-1.0(S)ですが、実は相当にはまっております。

どの程度かというと・・・・
現在は、CDP、CDT+DACを使うことがほとんどなくなりました。
もともと大した機材でもなかったせいもあるのでしょうが、HDC-1.0(S)に乗っ取られてしまいました。

ここでは、その詳細をご報告いたします。 


●日本初のオーディオ用コンピューター

HDC-1.0(S)は、ONKYOさんが初めてオーディオ専用に売り出したコンピュータです。
HDD録音再生機は、既にいくつか販売されていますが、本格的なパソコン仕様を有するものは、これが最初だと思います。

私の仕事ですが、FAPSを始める前は、某社で30年近くシステムエンジニアをやっていました。
8ビットパソコン時代のCPMから始め、MS-DOS、Windows時代を通じ、主にマルチメディア分野で仕事をしていました。
各種ソフト、システムの開発に従事しながら、対象範囲を広げ、携帯電話の開発取りまとめまでやってサヨナラしました。

この間に自作したパソコンは、他人分も含め30台は超えていると思います。

PC(HDD)オーディオに関しては、自前の高性能PCを使用して相当前から遊んでおりました。
オーディオではありませんが、昔の言葉で言うとDTMの世界にも結構足を突っ込んでいました。

そんなこともあり、この日本初のオーディオ用パソコンはどんなものか・・・とても興味があったのです。


●第一印象 〜 セットアップ

梱包を開け、品物を取り出した時の印象は、それは正にパソコンです。

付属品入れの薄い小箱、その下には厳重に梱包された本体。
小箱からは、ミニサイズのキーボード、マウス、CD、電源アダプタ・・・パソコンそのものでした。
普通と違うのは、リモコンとその受信機が入っている程度です。

パソコン本体は、想像よりもかなり小ぶりでした。幅205×高さ92.5×奥行き240mm
ボリュームつまみでも付いていれば、ミニコンの本体という感じです。
Intelのシールがなければ、パソコンとは思えない外観で作りもオーディオ機器風です。

電源を入れて最初にやらされるのが、パソコンのセットアップ作業です。
通常のWindowsVistaのセットアップを行います。

作業は、簡単で画面の指示に従えばOKですが、最新版へのアップデート作業も同時に行われるため結構時間がかかります。
結局、半日作業になってしまいました。この作業が一番面倒です。

自宅に既に光、ADSL等の高速インターネット接続環境があり、パソコンセットアップを行ったことがある人向けの製品と思いました。
通常のオーディオ機器のように線を繋いで電源オン・・・という訳にはいきません。

動作確認で問題が出たのは、リモコンの認識でした。
マニュアル(簡単な内容しか書いてありません)の通りに何回やってもリモコンが認識されませんでした。

仕方がないのでリモコン本体のMenuボタンをいろいろいじっていたら、リモコン接続断の機能があったので実行し、再接続を行ったらあっさりと認識しました。
リモコンが認識されなくなる現象は、その後も数回出ましたが、本操作で回復しています。

パソコンをリモコンで操作できることが、本製品の特徴でもあり、実際に便利なのわけですから、きちんと書いて欲しいと思いました。

パソコン的感覚から見ると不思議に感じたのが、リカバリーディスクの考え方です。

普通のパソコンは、OSや内蔵ソフトを一気に復元できるリカバリーディスクがついてくると思うのですが、それがありません。
付属のディスクは、WindowsVistaのインストールディスクが1枚。
Micro Soft社との取り決めで、仕方なく付属させてるという感じ。
しかもこれをインストールすると内蔵ソフトが消えるので使うな! と・・・・お客無視ですな。

リカバリーソフトは、HDDの別パーテーション?に保存されており、起動時の操作で復元できるとのこと。
でもHDDが致命的なディスク損傷や、機械的に壊れたら使えないのでは!?
その内容をCDに落す機能が必要ではと思いました。

ちなみにユーザー登録をすると、ソフトやドライバーソフトがダウンロードできるようですが、
この製品を使う上でもっとも肝心なソフトである、CarryOn Music10 は、ダウンロードサービスの対象外でした。
この辺の考え方は、理解というか少々納得できません。


●性能について

本体だけで20万円もするパソコンとして考えると、月並み以下のプアなスペック(メーカー仕様から抜粋)だと思います。

CPU インテル® CoreTM 2 Duo T5500 (1.66GHz)
OS Microsoft® Windows Vista® Home Basic
チップセット インテル® 945GM + ICH7M
メインメモリ 1GB
ハードディスク容量 120GB
DVDスーパーマルチドライブ DVD-RAM/±R/±RW/±R DL、CD-R/RWに対応
ディスプレイ出力 DVI-I (DVI-VGA映像変換アダプターも付属)
LAN 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T
USB 2.0 前面2ポート、背面4ポート
IEEE1394 1ポート(6pin)
デジタル音声出力端子 光1(S/PDIF)


業務では、DELL製の機材を多用していますが、これなら5万円台で買えます。
特に大容量の音楽データを取り扱うのに、HDD120GBは、ないだろうと思います。

サンプルデータの多くがWMAであること、マニュアルもそちらをメインにしているようなイメージ。
圧縮データなら、120GBもあれば山ほど入るでしょうが、
ハイビットでリッピングしたWAVEファイルならCD50枚分程度しか入らない。

オーディオ用と名乗るであれば、高音質の非圧縮データをメインにした仕様設計をして欲しかったと思う。
聞くところによると、ユーザーのHDD交換やメモリー増設も認めていないとか・・・。

試聴室では、音楽データはすべて外部HDDに保存することとし、640GBの外付けを2台導入しました。
1台は、バックアップ用です。

しかし静穏設計を自慢しているのに、外付けの(音の大きな)HDDを使わせるのは、設計思想が甘いと感じています。
実際、外付けHDDの動作音は結構気になります。2台同時に回しておく気にはなりません。
オプションで静穏設計の大容量(1TB程度)の外付けHDDを安く!販売して欲しいと思います。

これに関連して出てくる問題ですが、USB端子数が後ろ4ケ、前2ケでは不足に感じます。
キーボード、マウス、ワイヤレスリモコン受信機で3ヶ使用されてしまいます。
プリンタを付け、外付けHDD2台を使えば満杯。しかも前面にケーブルが常に出ている形になります。
USBメモリーも使いにくくなるので最初から増やしておくべきでしょう。

メモリも価格が下がっている最近ですから、価格を考えれば2GBは欲しいという感じです。
処理速度が遅く、変にケチっている印象がしました。

※本レポートの最後にメモリ増設記も追加しました。現在はメモ容量リ4GBで動作しています。

デジタル音声出力端子もオーディオ用と名乗る以上は、光出力だけではなく音質、安定度に優れている同軸も欲しいところです。

ということで、パソコンという面では不満タラタラです。


●動作、操作感等について

試聴室では、CDの録音&再生機として使っています。

CDをセットすると自動的にアルバム情報、トラック情報を探してくれる機能があるので、
それを実現させるために一応LAN・ルーター経由でインターネット接続を行っています。

通常のパソコンとしての利用は皆無です。
DVD再生機として使用する予定もありません。
新たなソフトを追加する予定もありません。

以下の使用感は、あくまでもオーディオ専用機として評価したものです。

●性能について

 パソコンとしての評価は、不満タラタラですが、オーディオ専用機として使っている分には、
 性能不足を感じることはありません。

 通常の画面表示は、CarryOn Music10の表イメージの画面のみ。
 DVD等の動画再生も行わないため、ビデオボードの性能が気になることもありません。

 モニターは、オークションで5千円で入手したNECの14インチ液晶モニターです。
 外観もきれいで画面焼きつきもない良品でしたが、結構古いもので液晶の応答性が遅いのですが
 今回の使い方では、まったく問題なしでした。

 外付けHDDは、USB接続ですが、応答性、再生速度等で気になることはありません。

 というわけで、オーディオ専用機として使う分には、必要十分な性能を持っていると思います。
 但し、HDD容量の問題と外付けHDDの動作音の問題は残ります。

●動作音について

 HDC-1.0(S)のウリの一つが「静穏設計」です。実際には、どうでしょうか。

 まず動作音は、ありますが、確かに小さいですね。
 気にすれば気になると思いますが、実際には静穏エアコンの微風の動作音の方が何倍も大きく感じます。
 実際に音楽を聞いている場合に動作音が気になることはありませんでした。

 CDのリッピング終了時に可愛い音がするのですが、最初は何だ!?と何倍もびっくりしました。
 

 問題は、外付けHDDの動作音です。PC用としては、まったく気にならない動作音ですが
 HDC-1.0(S)の動作音より大きめなのでオーディオ用としては、やはり気になります。

 当初は、制振面を優先して、エアフロート式のオーディオベースの上に乗せていました。
 ラックやベースに乗せると音が大きく感じるので、現在はラックの後方に隠すようにして床の絨毯の上に直接置いています。
 これでなんとかOKという感じです。



試聴時の機材設置状況。HDC-1.0(S)は左側ラックの下段、DACの上に乗せてあります。

右上のCDPの隣にあるのが2台の外付けHDDです。
手元にディスプレイを置くために少々変な設置になってしまいました。
リモコンは10m程度飛ぶため、いずれはディスプレイケーブルを延長し、きちんとセッティングするつもりです。

●操作性について

 本体を起動してしまえば、通常はリモコンだけで操作可能です。
 PCの起動停止も簡単。リモコンの応答性が少し遅く感じますが、何とか及第点です。

 リモコン液晶画面に曲名が表示されるので付属ソフトCarryOn Music10の選曲操作もできます。
 ただ・・・リモコン選曲の場合は、画面上の選曲と一致しません。
 画面上の選曲表示は、あくまでもマウス操作に対応したもののようです。この辺はソフトの改良が欲しいところです。

 使用したバッファーロ製の外付けHDDもPC側の動作状態をモニターして電源オンオフしてくれるため、
 特別な操作はいりません。これは便利です。


●オーディオ機器としての詳細評価

 HDC-1.0(S)は、どう使うかで評価が大きく別れる可能性があると思いました。

 オーディオの再生装置としてみた場合、
 @CDP、DVDプレーヤーとしての利用
 AHDDに保存した音楽データの再生機としての利用
 BWEB上の音楽データの再生 ほか

私は、ピュアオーディオ用の音源としては圧縮系の音源データには、まったく興味がありません。
このため最初からBは除外しましたので評価しておりません。

メーカーのOnkyoさんは、数万曲に及びライブラリーを持ち、24ビット96Khz録音の高音質録音音源の提供(販売)サービスもおこなっています。
私の好みのジャンルであるクラシックは、ほとんどがNAXOSの音源のようでした。

NAXOSは大半が新しいデジタル録音ですが、凝ったレコーディングは少なく、
演奏者も指揮者もぱっとしないところが多いので、いま一つ魅力にかけるところです。
1曲(CD1枚分ではなく一曲です)300円〜500円程度です。

ちなみにデータ形式は、可逆性圧縮のWMA Losslessというものです。
CD等に録音すると通常の16ビット44.1kHzに変換されてしまうようです。

これは、もう少し様子を見るつもりなので、第一印象程度のレポートとなります。



@CDP、DVDプレーヤーとしての利用

 普通のパソコンと同様にWindowsメディアプレーヤーや付属ソフトのCarryOn Music10 を使っても利用できます。
 ここでは、試聴室で常用していたCD-23Fとの比較評価となります。

 このCDPは、高精度クリスタルでチューンしたものです。滑らかでやや細めの音質で上品で清々しいイメージの再生音です。

 HDC-1.0(S)のCDプレーヤー部の音は、特に不可はありませんが、何の取り柄もないという印象。

 普通に元気に音がでてきますが、音場の雰囲気はどちらかというと狭く、スピーカーの横に張り出すような音ではありません。
 中音域のエネルギーは、そこそこに感じますが、ハイ、ロー共に伸びきったという印象はありません。

 定位感は、ピンポイントという言葉は使えない感じです。
 ごくごく平凡な音と言っておきましょう。
 PC付属のDVDマルチ対応の録再プレーヤーの音という感じです。

 対してCD−23Fの場合は、音場全体のS/N比が高いという印象で、個々の音が際立って聞こえてきます。
 どちらかというと分析系の音の出方であり、定位感も良く、全体にすっきりとした音が出ています。
 奥行きがきちんと表現されています。この辺がおおきな違いと思います。

 参考までに現在はほとんど使っていないDENONのS10Uα(改)との比較も行いました。
 これは、HDC-1.0(S)と似たような印象でしたが、どちらかというと、HDC-1.0(S)の方が音域が広く感じられました。

 CDプレーヤーとしてCDメカ等にも特に作りこんだ印象は少なく、コストダウンを図っているようにも思えます。
 DVD再生も可能なマルチプレーヤーとしてしまった時点で答えは出ているように思いました。

 20万円のCDPと考えるならば、実売7万円のC−1VL等のCD専用機を選んだ方が遥かに得策と思います。


AHDDに保存した音楽データの再生機としての利用

 はっきり言ってこれ以外に本機の魅力はありません。
 更に言うと、静穏メカと付属ソフトの使い易さがそろって、やっと一人前と思います。

 簡単に動作イメージを説明します。

 ・ CarryOn Music10 を起動した状態でCDを挿入します。

   (メーカーサイトから借用しました)

 ・ 自動的にWEB上のCDデータベースにアクセスが行われ、アルバム情報、曲名、演奏者等のトラック情報が表示されます。
   画面右下の曲情報取得ボタンからも随時実行できます。
   CDPとして利用する場合は、ここでプレイボタンを押すだけです。

 ・ 保存したい場合は、対象トラックを指定してCD取り込みボタンを押すだけです。

   自動演奏開始機能を有効にしておくと、取り込んだものから指定した品位での順次再生が行われます。
   最初の一曲分(数分)は待ち状態となりますが、始まってしまえば、CDを聞いているのと同じような状態となります。

   聞きたい&保存したいCDが出たら、上記の操作をするだけで高音質音楽が楽しめるわけです。

 ・登録した楽曲は、極めて簡単に迅速に再生することもできます。
  ジュークボックスのように垂れ流し再生も可能です。この簡便さも大きな魅力と言えます。
  保存した楽曲は、ジャンル名、アルバム名、曲名等で検索することができるので、便利です。


BCD取り込み機能

 CDの録音をHDDに取り込み、簡単に高音質で再生できるわけですが、取り込み時の音質をきちんと指定する必要があります。
 (忘れてしまいましたが)初期設定では、普通のMP3が指定されていたと思います。これでは、駄目です。

 録音品質の設定は、ツールの中で選択指定することができます。
 データ形式により様々なパラメーターを選ぶことができます。

 今回使用したWaveデータの場合は、

 ビット数は、8.16.20.24.32ビットから任意に選べます。

 サンプリング周波数も同様です。
 8,11,12,16,22,24,32、、44.1,48,64,88.2,96,128,176,192KHz

 これらを任意に組み合わてCDからリッピングすることができます。
 パラメーターが多すぎて、ちょっと困るほどです。


●CDの録音・再生音質等について

 HDC-1.0(S)の評価で最も時間をかけた部分は、ここです。

 同じCDをリッピング条件を変えて複数保存し、何回も聞き比べを行いました。
 保存したデータ形式は、すべてWave形式です。

 リッピングの組み合わせとその結果については、私個人の好みもあるので簡単にしか書きませんが、
 明らかに傾向と音の違いがありました。

 まず傾向について述べますと、
 ビット数、周波数が高くなるにつれて、滑らか感が増し、低音域の量感も増えていきます。
 その代わりに、高くなるほど、良く言えば上品に、悪く言えば元気がなくなる方向になります。

 その差は極端に大きなものではないものの、組み合わせによりデータ量が大きく変化します。

 私の感想と選択は、以下の通りですが、ここは各人の条件や好みによって選んで良いと思います。

 参考までに、リッピング条件とデータサイズの一覧を示しておきます。演奏時間は、4.1分です。

  ケース1 ケース2 ケース3 ケース4
リッピング条件 16ビット、44.1KHz 24ビット、48KHz 24ビット、88.2KHz 24ビット、96KHz
データサイズ(MB) 42.2 63.3 127 138
1GBあたりの収録時間 99分 66分 33分 30分

   ※1GB=1024MBとして計算しています。


●リッピング条件別の音質評価

@16ビット、44.1KHz リッピング

 通常のCDと同一ビットレートでのリッピングです。
 まず、このリッピングした音と、HDC-1.0(S)をCDPとして使用した時の音質には、大きな差を感じました。

 聞いた瞬間に感ずる音場の幅の差が違います。音場の上下の枠が外されたように綺麗に広がっています。
 CDP動作の場合は、スピーカー間にコンパクトにまとまっていたステージがパッと広がります。

 音のスピード感はCDPとあまり変わりませんが、滑らかさが増し、低音域は、より明瞭な印象です。
 他の条件と比べると、すっきりした音という印象です。
 これで他の条件と同じように低音域の量感が少し増えてくれれば、申し分なしという感じもします。

 これを聞いただけで、HDC-1.0(S)をオーディオ用のCDPとして使う価値がないことがわかります。

 リッピングの際にエラー訂正処理が行われているのかどうかわかりませんが、
 エラーの有無を無視?して垂れ流し再生を行うCDPとの差を感じました。 

A24ビット、48KHz リッピング

 @と比べると音質が滑らかに感じるのが、わかります。
 低音域の音量が増大しており、ピラミッド型の音形になった印象です。

 会場の暗騒音感や、ステージの臨場感を感じさせられます。
 個々の楽器の余韻が良く出ているようにも感じます。

 強いて言えば、少し上品かな・・・と思う部分もありますが、スピード感も十分にあり、音が良くなったという印象です。

 個人的には、次の24ビット、88.2KHzも良いと思いましたが、
 倍半分になるデータサイズを加味するとこれで十分かなという感じです。

B24ビット、88.2KHz リッピング

 @の音に傾向が似た感じの音です。
 2倍サンプリングであるという意識もあるためか、滑らかさが増えているように思います。

 ただし、音の元気の良さという面では、@Aに少し劣る感じがしました。
 

C24ビット、96KHz リッピング

 滑らかな音ですが、大人しく引っ込んだ感じという音です。
 余韻感以上に何か別の音が入り込み、表現がぼけ、甘くなっているようにも感じました。

 @Aと比較すると音楽の緊張感が伝わってこないという印象もあります。

 以下は、完全な素人考えですが・・・

 所詮は、16ビット、44.1KHzでビットイメージで記録されたデータ。
 サンプリング周波数を早くしたところで記録内容よりも良くなるわけがありません。

 余計にサンプリングすることで、もともと存在しない音が本来の音楽データと同等に再生されてしまう結果、
 オリジナルの音がマスクされ、相対的にレベルが下がってしまい、
 滑らかに聞こえたり、大人しく引っ込むのかな・・・・ 
 だからサンプリング周波数が高くなるほど、その傾向が増大するのでは・・・・ なんて思いました。

 技術的根拠も何もない、自分を納得させるための戯言です(笑)

 いずれにしてもデータサイズを考えると、これはやっても意味がなさそうに思っています。

今回行った4種類のリッピング音源は、試聴用に保存してありますのでご希望の方には聞いていただこうと思っています。

ブラインドテストでゲームするのも面白そうですね(笑)


●試聴室CDPとの音質比較

HDC-1.0(S)のHDD再生音のうち、上記の@Aの音と試聴室の常備CDPであるマランツCDP単体との音の比較を行いました。

44.1kHz再生では、音質に差があるものの、ほぼ互角というイメージです。
マランツの音質傾向が細身であることも影響して、ダイナミック感ではHDC-1.0(S)の方が勝っているとも言えました。

48KHz、88,2kHzになると、HDC-1.0(S)の滑らかな再生音を聞いてしまうと、CDPの音が荒く感じられてしまいます。

このため現在の試聴室の音源としては、HDC-1.0(S)を使用しています。


●DAC経由での評価

HDC-1.0(S)は、デジタル光出力端子を装備しています。
この出力は、出力周波数をビット数と同様に自由に変更できます。

参考までにHDC-1.0(S)のアナログ出力とDAC経由の音で比較を行いました

使用しているDACは、スイスのMETA RESEARCH社の「CONVERT1」 というもので、
DACモジュールは、GOLDMUNDデジタルモジュールがそのまま使用されています。

本当は、上記4条件をすべて行いたかったのですが、DACが48KHzまでしか対応していなかったため、
参考試験としました。

44.1KHzと48KHz出力については、勿論音の差は出ました。
DAC経由の方が、音の線が太く、音楽が弾けるように飛んでくる感じが増えます。
音場の深さが、明らかに違って、より奥行きのあるステージが再現されます。
さすが(?)ゴールドムンドという感じです(笑)

しかし、聞ける音質のDACを単体で購入しようとすれば数10万の追加出費となってしまいます。
これでは今回の趣旨に合いません。 
HDC-1.0(S)の出力が、同軸出力より音質・安定性面で落ちると思える光のみであることを考えると、そこまでやる必要はないと思っています。


●HDC-1.0(S)のまとめ

オーディオ専用のHDD再生機としてとらえた場合、その再生音は、想像以上に良かったというのが感想です。

HDD再生が、基本的な条件となりますが、単体CDPよりも音質表現面で優位に立つことも多く驚きました。
20万円という価格は、製品仕様からすると高いと思いますが、
一口数10万みたいになっているオーディオ機材の中では、許せる存在かなという気持ちになります。

今回、私が入手できたような好条件(8万円程度)で入手できるのであれば、持っていて良い機材と考えます。

最近、新バージョンのAPX-2(H)も追加発売されたようです。お値段は、23万円前後・・・・やっぱり高いですね。

「さらなる音質と操作性の向上を目指し、デジタルアンプと世界初PDAPテクノロジーを搭載したHDオーディオコンピュータ第2世代モデル」
とのこと。

片チャンネル100Wのデジタルアンプを内蔵し、HDD容量も500GBと増強、入出力機能を充実させ、使いやすさの向上を目指したようです。
入出力等の強化はOKとしても、ピュアオーディオ用途としてみた場合、アンプの内蔵は余計なお世話と感じてしまうのですが・・・皆さんはどう思いますか。

HDD容量を大幅に増やし、同軸デジタル出力を追加した、HDC-1.1(S)を発売すれば良いのに・・・と思います。


※余談
ここまで書いて、息抜きに某価格コムを覗きに行ったら、A-1VLの提供者でもあるA様達が、HDオーディオ談議の真っ最中。
皆さん、やってたのね!という感じ。非常に詳しいので驚きました。
私のレポートなんかは、あまりお役に立ちそうもないですね(笑)
まあ印象的には、私の感想とそんなに極端な違いはないようなので・・・・ 少し安心しました。


●後日談 (メモリの自主増設)

このパソコンが非力であるのは内蔵メモリが1GBと貧弱なことが大きな要因でした。
保証期間も切れ、増設メモリが安くなったこともあり、自己責任で増設を行いました。

メモリの設置位置がディスクドライブの下部にあるため、メモリ増設が多少面倒であり勝手な増設は保証対象外とされていました。
保証外作業なので写真は載せませんが、以下のような手順で行います。

・パソコンのすべての配線を取り外してからカバーを外す
・前面パネルを外す。合計6カ所あるプラスティックの爪を押して外します。
・ドライブを固定しているサブカバーを外す。
 プラスドライバ以外に6角ソケットレンチが必要です。
 ディスク用の配線コネクタを外した方が作業が楽です。
・カバーの下にメモリコネクタが見えます。
 手の静電気を放電してから、メモリカード両端のレバーを広げて既設のメモリを外します。
・新しいメモリーカードをしっかりとセットし、両端のレバー凸部がメモリーの凹みに入るっていることを確認します。
 使用したメモリは、BUFFALO ノートPC用増設メモリ PC2-6400 (DDR2-800) 2GB D2/N800-2G/E というものです。
 ちなみに標準付属はPC2-5300でしたが、6400でも問題なく動作しました。
・この状態で仮配線を行い正常に動作することを確認してから、各部材を取り付けました。以上で終了です。

 1枚2GBのメモリカードを2枚セットしました。 ちなみに価格はアマゾンで1枚2,980円でした。
 ※ビスタでは、実効メモリ空間サイズが3GBなので既存+2GB1枚でも良いと思います。

増設結果ですが、体感的に明らかに処理速度が早くなり、投資効果は抜群と言えます。
2011年現在、主に使うソフトは、LinnのDSコントロールソフト、キンスキーですが、裏でブラウザを使用していてもスムーズに動作します。

内蔵HDDも非常に貧弱ですが、DSでは音源データをLAN上のNASに蓄積するため増設は行いませんでした。
メモリ交換まで出来た方は、HDDの交換も簡単に出来る筈です。

 


第4編 「パイオニアの小型ブックシェルフスピーカー S-A4SPT-VPについて」


メーカー発表仕様より転載しています。
主な特長

■厳選された素材を使用したウーファーユニットを採用
■軽量かつ内部損失に優れた「ポリカーボネート系発泡ウレタンエッジ」を採用
■不要な共振の発生を抑えるウイスキー樽材の高剛性エンクロージャー
■高品位で豊潤な音を再現するワンランク上のネットワーク素子を採用
■不要な共振を抑え、質感のよい低音の再生を可能にする樽材の無垢板削りだしダクトを採用
■インテリアに合わせて選べる、2色(濃緑/濃赤)のグリルネットを同梱
■環境への配慮
 リサイクル可能な段ボールを緩衝材に使用。(脱発泡スチロール)。
 当社生産工程において無鉛はんだを100%採用。
■〜 森を守ることは人の未来を守ること。「緑の募金」へ寄付 〜
 この製品の売上の一部を、社団法人国土緑化推進機構の「緑の募金」へ寄付致します。
 パイオニアは緑あふれる未来の森林作りに協賛します。

仕様

■型式: 位相反転式、ブックシェルフ型
■スピーカー: 10 cmコーン型ウーファー、2 cmドーム型トゥイーター
■インピーダンス: 6 Ω
■再生周波数帯域: 50 Hz〜40 000 Hz
■出力音圧レベル: 84 dB
■最大入力: 100 W(JEITA)
■クロスオーバー周波数: 4 500 Hz
■ユニット極性: 低域(+)、高域(+)
■外形寸法: 154 mm(W)×246 mm(H)×213 mm(D)
■質量: 3.7 kg
■OFCスピーカーケーブル(2.5 m)、グリルネット(2枚入り:濃緑/濃赤)、コルク系すべり止め付属、保証書付き、防磁設計(JEITA)

★試聴中の臨時報告です★

本編では、試聴室に新たに加わったスピーカー パイオニア S-A4SPT-VP の使用結果ご報告いたします。 
このスピーカーは、新品を税・送料込み6万3千円で購入いたしました。

やっと納品されたピュアモルトVPは、現在初期エージング中ですが、既にいくつかの確認を終え、鳴らしこみ、聞きこみを続けています。
このレポートのご紹介は、評価が終わると予想される9/10頃を予定していたのですが・・・・・。

実は、A-1VLを提供いただいたA様(tdks1996さん)が、体調を崩され少し休養されるとのこと。
その際にお願いされたことがあります。

「例の秘策を皆さんに紹介してください。絶対に効果的です。」とのことでした。

その秘策とは、「VP+標準型サイドプレスを更に聴き易くする為の実験」のことです。

tdks1996さんは、標準Side-PressにセットしたVPは、下部をもっと持ち上げれば音が良くなるはずと信じておりました。
その方策として、超ロング延長ボルトの製作を私どもに依頼されてきました。

しかし、そのご依頼を私はお断りいたしました。
あんな質量の大きなボルトを長くしたら駄目です。鳴きが発生してしまい、音質を著しく劣化させます!と。

そしてtdks1996さんの代案として、ちょっとしたアイディアを差し上げ、そのための部品をお送りいたしました。

我が家にやってきたVPに対しても、試聴の一環としてソレを試し、既に夜更けになっておりましたが
その結果をお知らせするメールをお送りしました。時同じくしてtdks1996さんも確認を終えたところだったのです。
その後体調を崩され・・・

以上のような事情があり、中間報告を兼ねて
パイオニア S-A4SPT-VP + 標準型サイドプレスを更に聴き易くする 方法をご紹介させていただきます。


最初に、私がtdks1996さんに報告したメールの一部を流用しながら、その方法を紹介します。

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VP鳴らし始めていますが、想像とは結構違う音が出ています。
眠い音かなと思っていましたが、中々元気な音が出ますね。

鳴らし始め当初よりもこなれてきましたが、まだまだ固い音で、バランス的には上寄りです。
そのため非常に切れの良い音に聞こえています。
高音が気持よく抜けるのが素晴らしい。

低音がボンボンという話でしたが、現在は、まるで出ていないと言った状態です。
ブリロンに比べると、ラジカセクラスの低音にしか聞こえません。

ウーハーのエッジ、ダンパーが相当に固いスピーカーですね。
ウーハーのストロークがブリロンの半分以下という感じです。これはエージングで多少変わるでしょうが・・・・

いずれにしても、そんなにパワーが入らないスピーカーですね。
我が家の通常再生音レベルで、ウーハーがボトミング起こしてベコベコ、バチバチ言ってます。

その代わり空間表現は、非常にいい線行ってます。最初からスピーカーは見えない状態です。
奥行き感も十分に出ています。

ただし、標準セッティングでは、女房いわく音が地面を這っている状態。

添付の写真を見てもらうとわかりますが、我が家の他のスピーカーに比べると相当に低いです。

 

わずか10cmほど低いだけですが、上下の音場幅がかなり狭くなっています。
通常は、等身大の歌手が目の前に立つイメージとなりますが、床面に座って歌っているような感じとなり、
全体に定位位置も下がっています。

対策を行いました。昨日tdks1996さんに提案した自重受け座持ち上げ方法を実際に行ってみました。

 

high position セッティングの様子
木材と本を重ねスピーカーの底面位置を決め、そこから少し下がった位置に延長した受け座を仮セットします。


自重受け座延長ボルト。ミニスタンド用の100mm延長ボルトと受け座を厚手のナットで連結しています。

このセッティングは、ナット部分をスパナ2本でしっかり締め付ける必要があります。


セッティング詳細

前方を約5mmほど持ち上げ仰角をつけています。

支柱取り付け部分は、ロックナットを上下に使い、
不要な振動を起こさないようにしっかりと絞めます。

VPのセッティング状態

 


他のスピーカーとの高さ比較。 右側のブリロンとほぼ同じ高さになっています


        標準セッティング               ハイポジションセッティング

新しいセッティングは、スピーカーが空中に浮かんだようなイメージとなりました。

相当な音量で鳴らしてみましたが、長ボルト部分からの鳴きの影響は感じられません。
ボルト部とスタンドが一体化したように、同じように振動しています。

新セッティングによる試聴の様子です。

対策後は、音の定位位置が高くなり、広がり感が大幅に増大し、低域の余裕が生まれました。
VPのセッティングは、明らかにこちらの方が良さそうです。

本セッティングでエージングとセッティングの詰めを継続します。
約1週間程度で結果を報告できると思います。

tdks1996さんには、ゆっくりとお休みなっていただき、しっかりと体調の回復を図って欲しいと思います。
お大事に! 

以上で臨時報告を終わらせていただきます。


★中間報告  スピーカーのエージング状況について

VPの購入以来ずっとエージングを行っていますが、その状況についてご報告いたします。

最初の音は、カチカチに凝り固まった音でした。
低音の出方なんかは、まるでラジカセクラスの低音。
ウーハーついているの? みたいな音でした。

中高域が突出していて、しかも固いので異常なまでの緊張感のある音でした。
もちろん、これはエージングはおろか殆ど音を出していない状態の音です。

最初は、そんなもの。普通に鳴るには相当時間のエージングが必要と聞かされていました。
そんなにノンビリやっているわけにもいかないので、今回はエージングに効果があるというCDを使って連続エージングを行っています。

そのCDは、A様からもご推薦のあった、Ayre /System Enhancement Disc Version1.2 “Irrational, But Efficacious!”というもの。
システムエンハンスメント・ディスク “IBE”です。

どんなものかは、こちらをご覧になってください。 こちら

要するに各種のスイープトーンが入っているものです。
似たような音(音というよりノイズですが)が入っているものには、DENONのオーディオチェックCDがあります。

ウーハーコーンが前後に振り回されるように動かされます。
これをやっていればどんなに硬いエッジも解き解されるだろうと思わされるような感じです。

もちろん眼には見えませんが、ツイーターも同じような状態で慣らし運転が行われていることが想像できます。

これをリピート再生させ連続エージングを行っていますが、その効果は驚異的なほどです。
超加速エージングができています。

楽音を聞くたびに音がどんどんと落ち着いていきます。
既に3日以上経過していますが、低音が驚くように出るようになって重心がどんどん下がってきます。
耳障りだった中高音もしっとりと落ち着いてきているのがわかります。

最初に聞いたVPの音は、何だったの!? と言いたくなる位に変化してきています。
 これを普通の音楽音源でやっていたら、何か月、何年かかるの? と思わされるほどに効いています。

新しいスピーカーの鳴らしこみを行いたい方には、ぜひお勧めします。

Side-Pressの展示・試聴・販売を行っているユーオーディオドットコムさんでお買い求めいただくこともできます。

あまりにも素晴らしい効果があったため、中間報告としてご紹介させていただきました。


★最終報告  オーディオ初心者用 高音質セットの完成

エージング及び試聴室の模様替えが終わりました。

とりあえず2008年9月19日現在の試聴室の様子を紹介します。
機材は、翌日に新システムの試聴に来られるお客様のご希望に合わせてあります。  (翌日の試聴の様子)

松材一枚板の「鮨屋のカウンター」は、ピアノの上に移動しました。
50mm角の黒檀キューブによりピアノ天板から浮かせてセットしてあります。

ここは、当面の間、ミニスタンドの試聴、私のDTM作業コーナーとして利用します。
試聴用のミニスタンド・スピーカー、ハーベスの乗ったトルネード等は、RASWALLの後ろで待機しています。

今回のテーマでもあった初心者向けセットの構築も無事終了しました。



プリメインアンプはONKYOのデジタルアンプ、A−1VLです。

CD代わりのHD音源としてオーディオ用コンピュータHDC-1.0(S)を使用しました。

置き場所の関係で(発熱の少ないアンプなので)、
アンプの上にTOWNSHEND AUDIOのエアサスベースを介して置きました。

2台の外付けHDD(640GB、2台)は、撮影のために乗せていますが、普段は後方の床上にセットしています。

スピーカーは、 パイオニア社の S-A4SPT-VP、標準Side-Pressスタンドに自重受け延長ボルトを介してセットしました。

スピーカーケーブルは、ごく普通のカナレの4芯ケーブルを使用しています。

以上の組み合わせ、価格com等の安い販売価格を組み合わせると以下のようになります。

@ONKYO デジタルアンプ A−1VL : 106,000円

AONKYO オーディオ用コンピュータHDC-1.0(S)  195,000円 スピーカー付属セットのSPX-1(S)で買うと・・・119,800円!

Bスピーカーは、 パイオニア社の S-A4SPT-VP 63,000円

CSide-Pressスピーカースタンド(Type60 延長ボルト付き) 68,100円

  合計 356,900円

オークション等を利用すれば、新品で30万円程度も可能かも知れません。


肝心の音ですが、

この価格でこの音!  ケチのつけようがない音!

と言っておきます。

スピーカー存在がまったく見えない広い音場空間ができています。
試聴室のどのスピーカーから音が出ているのか、皆目分からない状況です。

ある程度の音圧(アンプボリューム 10〜11時程度)を与えると、
クラシックの大オーケストラが、繊細さと迫力の両方を備えた格調高い音が出てきます。
低音域の量感も十分に出てきます。
全体として、鼻筋の通った音が出ているといい印象です。

正直に言って、このスピーカーがここまでやるのか!? という思いでした。
先に紹介したエージング用ソフト IBEの効果が大きかったと思います。
購入当初の硬い音とは、まったく別物の落ち着きのある音に変化しました。

HD音源の滑らかで分解能の高い音、アンプの駆動力の高さが相まっての音と判断します。
この価格レンジの組み合わせで、これを超えるものは相当に難しいと思います。

勿論・・・これより良い音は(試聴室でも)存在します。

実際、この組み合わせの一部を試聴室の機材に変えると音が良くなる部分もあります。
その差は、明らかですが・・・
敢えて言うと、普通には、切り替えながら聞き比べてわかる程度のものです。

その差を得るために、アンプ、DAC、スピーカー等それぞれに、このシステム総額以上のお金を投資する必要があるか・・・・
少なくとも10畳程度の部屋で音楽を楽しむ場合は、その必要性は非常に少ないと思います。

この初心者向けシステムだけを聞いている限りにおいては、具体的な不満を感じることは少ないでしょう。
空間表現力については、セッティングが良くない数百万円のシステムよりも上を行っていると言えます。

音質面でも癖が少なく、自然な音楽表現が可能であり、長時間聞いていても疲れを感じないのも魅力です。

もちろん機材、音質については、皆さんのお好みもあると思います。

ここでは、ひとつの標準的な組み合わせを実際に確認し、
それを皆様にお聞かせできる環境が整ったという報告という形で終わらせていただきます。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
FAPS試聴室は、これからも皆様のお役にたつことを大切にして、育てて行きたいと思います。
近くに来られた時は、気軽にお立ち寄りください。
お待ちしております。

 


★続編(1)  「ATC SCM7他の追加導入のご紹介」

2008年12月、再び試聴室の機材を更新しましたのでご紹介いたします。

今回は、スピーカー、CDトランスポート、DACを追加導入いたしました。

当時の試聴室の状況です。


  ●試聴室の雰囲気 (2008.12.17)

    ATCのSCM7をメインスピーカーに据え、比較用に後方のブリロンを置いています。
    RASWALLの後になっていますがパイオニア社のS-A4SPT-VPも聞けます。


    ●再生機器類の外観 (2008.12.17)

      写真撮影のため、機材を重ねましたが、右側最上段のマイクロメガ社のCDTは別保管としています。
      再生時は、ノイズ混入を防ぐため使わない機器の電源はオフにしてあります。
      左側最下段は、今どき・・ですがLDプレーヤー、真中の薄いのはパイオニアのDV600

●ATC SCM7

スピーカーは、比較的低価格でハイスピードで再生能力の高いATC社のSCM7を追加導入いたしました。
写真左右端のスピーカーです。標準型Side-Pressにセットしてあります。

このスピーカーの詳細は、こちらからご覧になってください。

上下ヘの伸び感が、引き締まったタイトな低音が素晴らしく、小型の割にパワーハンドリング能力もそこそこにあるため、
現在の試聴室程度の大きさですと相当の大音量で再生することも可能です。

このSCM7、オーディオフィジックのブリロン1.0、B&W社のN805そしてパイオニアのS-A4SPT-VPが常時試聴可能です。
この他に、ハーベス社のコンパクト7、LS3/5a、JBL社のJRX115(改)を使って他のスタンドをお聞きいただくこともできます。

 

●DAC & CDT

下側写真の左側上から2段目のDACが今回の機材導入の核となっています。

試聴室の音源は、ONKYOのオーディオ用コンピュータHDC-1.0(S)によるHD再生も行っておりますが、やはり通常のCDがメインとなっています。

試聴室の2台のCDTを切り替えて使え、CD再生に特化した44.1kHz専用 D/A コンバーターユニット ソウルノート社のdc1.0を導入いたしました。

このDACと相性が良いと評判のCDTも1台追加導入しました。
福岡にある吉田苑さんがヒナブランド名で販売していたCDT HT01 Ver2.0 の中古です。

このDAC、もともとは試聴室にあるONKYOのデジタルアンプA−1VLと対になって販売されているCDP C−1VLをベースにチューンしたものです。
デザインの整合性があること、中古導入のため比較的安かったため、導入してみました。

正直に言うと、このCDTを試聴室のDAC、META RESEARCH社の「CONVERT1」 (中身はGOLDMUND)との組み合わせで鳴らした時は、
音場左右への拡大が著しいものも、異常なまでの低音の張り出しでバランスが悪く音楽が凹んでしまう印象でした。

このCDTは、セッティングにも敏感でした。電源ケーブルをAET社のものにし、エアサスベースに乗せて何とか落ち着きました。

しかし、新DAC、dc1.0との組み合わせでは、嘘のように好バランスになりソリッドな音が出るようになりました。
機材の相性というものを痛感させられました。


●新機材の導入結果

フィリップス社のスイングアームを使用した試聴室の2台の既存CDTは、上下の伸びよりも密度の濃い音楽を聞かせるのに対し、
今回導入したCDT+DACの組み合わせは、非常に現代的な音を出します。

これをSCM7で鳴らすと、小型スピーカーの極限の再現能力を聞かされる感じになります。
どちらかと言うと、オーディオ的な音に向かうイメージでの聞き方になりますが、こういう方向性もあって良いと感じています。

試聴室に来られた方は、そのへんの違いも楽しんでいただければ幸いです。

 

続編(2) 試聴室用積み重ね式オーディオラック製作記

(続)