Side-Pressを超えるSide-Pressを求めて・・・・・
FAPS スピーカースタンド

←ホームページはこちらからどうぞ

 異型スピーカーへの対応拡大を探る 

Side-Pressスピーカースタンドは、スピーカーの両側面から押さえるためにスピーカーボックスの形は、直方体がベストです。

しかし現実的には、デザイン面もさることながらボックス内部の定在波の影響を低減するために、断面を水滴形状のようにしたり、
平行面を一切持たない特殊な形状のスピーカーが販売されています。

Side-Pressでも特殊な形状のスピーカ−が使われており、適用実績が非常に多いB&W社の805シリーズ、そしてKEF社のIQシリーズのような流線形のもの。
これは円筒状側面の平行部を使って側面から支持しています。

FAPS スピーカースタンド  FAPS スピーカースタンド

またディナウディオ社のFOCUS110、140のように断面がわずかに台形形状のものもあります。
傾斜角度がそれほど大きくないものは、側面押し座軸受け部のガタを利用して取り付けを行うことができました。

今回は、従来の方法では対応できないケースが出てきたため、新たな対応方法を検討し、お客様のご協力も得て実験を行いました。
その内容を紹介させていただきます。



きっかけとなったのは、一人のお客様からのお問い合わせでした。

福島にお住まいのY様から一つの問い合わせが寄せられました。

現在YAMAHASoavo-2と組み合わせるスタンドを探しています。このスピーカー、奥側にすぼまった形をしています。
サイドプレスは異形スピーカーにも対応しているということでしたが、形の変わったSoavo-2にも取り付け可能かどうか知りたいと思い問い合わせ申し上げた次第です。

●それに対する最初のFAPSの回答は、

メーカーの寸法図を見ましたが、3次元的な傾きになっていて傾きもちょっと大き過ぎるようです。
側面押し座のガタを利用して、ちょっとしたテーパー程度の側面でしたら使用できるのですが、
Soavo-2
の場合は、傾きが大きくて押し座が片当たり状態になってしまい、支持が不安定になり、
スピーカーの側面に凹み傷がついてしまう可能性があります。

支持が不安定になり、スピーカーの側面に凹み傷がついてしまう可能性があります。
お役にたてず申し訳ありません。

●Y様は、Side-Pressでの使用を強くご希望のようで次のようなメールをいただきました。

少なくともそのままでの運用は難しいようですね。実物を前にすると、これが何とも微妙な傾きなのです。
私は、このスピーカーは喜多俊之氏がデザインを担当しているSoavoシリーズの中でも、最も完成度が高いと思っています。

しかしながら、純正スタンドは何とも味気ないもので好みに合わず、理想のスタンドをいろいろと探した末、ここに辿り着きました。
私がスピーカースタンドを探す上で求めている機能のひとつに、スピーカーを固定できることがあります。

ところが、どこのスタンドも似たり寄ったりなのですね。要はただの「台」ですから当たり前の話ですが、
いくら安定して設置できるといっても、細長い台の上に積み重ねるだけでは精神衛生上これを許容できません。

固定と言っても、裏からネジ止めすることしか思い浮かびませんでしたが、某サイトでこのSide-Pressを見かけ、
このような固定法があったのかと膝を叩く思いでした。

特に本体を前後左右に傾けたまま安定している写真にはとても驚き、あまりの奇抜さに、最初はどこぞの海外メーカー品だと思っていました。

FAPS スピーカースタンド FAPS スピーカースタンド

Side-Pressはスピーカーを固定できることはもちろんそのデザインを殺さず、加えて設置の自由度、安定性を実現できる非常にまれな製品だと思います。
これと同じ機能を、私が手に入れられる範囲の価格で実現することは難しいでしょう。

スピーカー本体への加工はできれば避けたいところ。私は多少の工作はできますが、なにぶん素人です。
例えば摩擦力のあるくさび状のパーツなど小物の工作で対応できるかちょっと考えてみます。


再検討→側面押し座の改造 

FAPSとしても、ここまで製品に惚れこまれ、何としてでも使いたいという意思表示をされてしまうと、これは何とかしてあげなければという気になってきます。

押し座面の硬質ゴム部に傾斜を持たせる加工も考えましたが、想像以上に硬度があり切削が難しく、4ケを均一に仕上げるのは無理と判断しました。

押し座を手にして考えている時にふと思いついたのは、ガタを大きくしてしまおう! という単純なアイディアでした。

早速押し座を分解し、実行に移しました。
押し座軸が貫通する穴の直径を拡げる加工を行ったのです。
左の写真が加工中の様子。右側が軸穴を拡大された押し座のケースです。

同様に硬質ゴム部も拡大加工を行いました。硬質ゴムも単なるゴムリングではなく、内部に鉄芯が入っているのです。

押し座のケース構造を公開するのは初めてです。
分厚い鉄板をプレス加工して平面キャップ上にし、更に軸受け座を溶着しています。
ここに鉄芯入りのゴム座をはめ込みます。
これらの構造により硬質ゴムが変形することがなくなり、しっかりと固定されるわけです。

FAPS スピーカースタンド FAPS スピーカースタンド
           軸穴拡大加工中                             拡大された軸穴

 FAPS スピーカースタンド 写真左の硬質ゴム受け座内部の鋼製支持金具の中心穴も同様に拡大します。

出来上がった座は、押し座部分がグラグラと動きます。

FAPS スピーカースタンド    FAPS スピーカースタンド

これなら、ソアボでも取り付けられるはず! Y様にスピーカーを持参のうえ、確認に来られませんかとお誘いしました。
Y様も大喜びで早速試聴室にやってこられました。


YAMAHA Soavo-2のSide-Pressスタンドセッティング

12月中旬のある日の朝、Y様は愛車にSoavo-2を乗せて試聴室にやってこられました。

最初は、長時間の車運転の疲れを癒すために試聴室の音を聞いていただきながら休んでいただきました。
とは言え、Y様は試聴室の音に興味津々であり、各種組み合わせで小型スピーカーによる音楽再生の醍醐味を味わっていただきました。
この間、Y様は自分のSoavo-2は、どんなふうになるのだろうと内心心配されていたと思います。

さていよいよ、Soavo-2のセッティングです。
うまくいって導入されることも想定し、セッティングの仕方とそのポイントを説明しながら進めました。

まずSoavo-2の形です。真上から見ると6角形。しかも側面は平行でなく下に行くほど幅が広がっています。
押し座は、3次元的な傾きが必要になります。

実際に押し座を当ててみたところ、まあ何とかなるかな・・・・という感触でした。

FAPS スピーカースタンド

セッティングは、あっさりと言ってよいほど呆気なく終わってしまいました。

FAPS スピーカースタンド

さすがにスピーカーの最後部は、ボルト長さが不足して無理でしたが、写真のように見事にセットされています。

改造した押し座も十分に機能し、硬質ゴム面はボルト軸に対して相当に傾いていますが、押し座面は、均等にスピーカーに密着しています。

FAPS スピーカースタンド FAPS スピーカースタンド

スタンドごと全体を揺すり、安定性も確かめました。上の方で紹介した写真と同様に傾け、手を離して・・・・
ドスンドスンと音を立てながらスタンドは、シーソー運動を繰り返し正常位置に復帰しました。
もちろんスピーカーはしっかりと固定されています。

スピーカーの各面を手で叩いてずれが発生しない程度で押し座を固定しロックナットを固定しました。
それから実際の試聴に入っていきました。

試聴時の様子です。

FAPS スピーカースタンド

まだほとんど鳴らしていない新品同様のスピーカーのため、最初は、かなり固めの音を出していましたが、
試聴室で常用しているエージング用ソフトでユニットを目覚めさせ、時間をかけて試聴を行いました。
Soavo-2が、これほどにダイナミックで切れが良く、音場感の広い音を出したのは、おそらくはじめてのことだと思います。
スピーカーの開発者様が聞いたら、嬉しくて涙を流すだろうと思うような音が出ていました。

この時点でY様は、大満足。スタンドの購入を即断されました。

初めて聞くSoavo-2の音でしたが、とても聞き易い音であり、どこかに昔愛用していたYAMAHA 1000Mの名残りのような響きを感じました。
エージングが進めば、しっとりとした味のある音になるように思いました。

試聴の結果、このスピーカーは、下の写真のように上から2番目のネジ穴を使ってセットした方が好ましいことも確認しました。

FAPS スピーカースタンド


この方式であれば、相当に傾斜面が大きいスピーカーでも使用できる可能性があることがわかりました。

水滴型形状のスピーカーでも、必ずしも平行面ではなく別の部位を押さえられる可能性があるように思いました。

座の加工は、特注対応でお受けしますので、異型スピーカーをSide-Pressスタンドで使ってみたいと思われる方はお問い合わせください。