FAPS
Side−Press スピーカースタンド お客様レポート
都内にお住まいのH様 ( デスクトップ・ニアフィールドリスニング QUAD 11L2
& Side-Pressミニスタンド)
今回のレポートは、都内にお住まいのH様のミニスタンド導入についてのものです。
H様は自室の金属製パイプラックを作業机としてお使いになっております。
この上でQUAD社の11L2を用いデスクトップ・ニアフィールド・リスニングをお楽しみになっておられました。
低音域表現の向上を希望されてミニスタンド導入効果についてのお問い合わせを頂きました。
オーディオ的には非常に厳しい設置条件でしたが、何とかご期待に沿うことができました。
以下、H様のお問い合わせからミニスタンドの導入結果までをご紹介させていただきます。
H様の最初のお問い合わせ内容
QUAD11L2をデスクトップ・ニアフィールドで使っています。
デスクトップと言っても、ガッチリしたものではなく、エレクターのメープル天板を利用した簡易的な作業机です。
TAOCの鋳鉄スピーカーベースを横に倒して、その上に人工大理石で橋を架け?、その上にオーディオテクニカの安いインシュレーター、
その上にサンシャインのメタルスペンサーS、その上にQUAD・・・・というかなり変則的な使い方です。
想像つきにくいと思いますので、メールで写真を添付いたします。
部屋の広さは4畳半程度の洋室です。
といっても、本棚とか、コンピュータ関係のもろもろ満載のエレクターで容積の半分くらい埋まっているのですが。
デスクトップ・ニアフィールドを前提として、どこまで音的な向上を望めるかというところです。
現在、低域が脹らんでぼんやりしているような印象を持っています。現状の機材でなんとかくっきりした低音にしたいと思っています。
アンプはサンスイのAU-D907X、CDPはSOULNOTE sc.1.0、スピーカーケーブルはウェスタンエレクトリック、電源は重鉄タップ、
アナログケーブルはモガミ2534、アンプの足下はメタルスペンサーL、CDPの足下はマグネシウムインシュレーターというかんじで、
思いつくことは色々やって底なし沼に片足突っ込んでいます。
スピーカーに巻き付けている黒いベルトは、地震対策としてエレクターに結びつけているものです。
主に聴いている音楽ジャンルは、Fourplayなどのスムースジャズです。
デスクトップの剛性が期待できないので、30×30×3センチ程度のハードメープル集成材を用意して、その上に直刺しでside press miniをセットしようかなと考えています。
何かアドバイスがありましたら教えていただけますでしょうか。
FAPSの初回メールから
QUAD 11L2とミニスタンドの組み合わせは、導入実績も多く、いずれも驚くほどの効果とご評価を頂いておりますのでご安心ください。
卓上スタンドとは思えない音場空間、明瞭で深く沈み込む低音域が特徴です。
お部屋の写真も拝見させていただきました。限られた空間に必要なものを置く努力が感じ取れました。
ただし、スピーカーの前後左右を可能な限り空けるという基本に対しては
音の広がりを阻害する要素が多く、数多くのものが共振して再生音を混濁させる要素になっていると思われます。
スピーカーの振動が伝わる部分にはプラスチック製の機材は可能限り置かない、
右側スピーカーの右側の棚板はスピーカーの再生音を上下に分断する要素があります。
外すか、スピーカーユニット間にかからないような高さにした方が良いと思います。
メタルラックの棚板はフリーで使用すると盛大に鳴ります。
1枚500円程度の50cm角のゴム底のパンチ(フロア)カーペットを敷くと
その鳴りは結構軽減されますのでお試しください。
スピーカー自体も出来るだけデスク面から持ち上げた方が良いので
ミニスタンドのスパイク延長セット(同時購入価格3,600円)の使用もご検討ください。
最初は、ボードを追加せずに付属の黒檀キューベースを使ってセットし、デスクの鳴りが気になるようでしたら次の対策を行った方が良いと思います。
デスクが鳴いている場合は、30cm角程度の小さなボードではあまり効果が得られないと思います。
デスク全面に大型のボード設置すれば相当に変わりますが・・・
H様2回目のメールから
志賀様
早速の回答、ありがとうございます。アドバイスいただいたことを少しずつ試していきたいと思います。
思えば30年前、貯金をはたいた100万円の現金束を握りしめ、秋葉原でオーディオ一気買いをしました。
サンスイAU907、JBL4312,デンオンDL103(だったかな)等々、電気屋の店員の目の前にドーンと100万円を積み上げ大人買いでございます。
おまけにバスシンセサイザーという低域のブースターみたいなものも買い込み、木造アパートは大音量ディスコ状態で床がドッカンドッカンと揺れておりました。
おまけに自室でテナーサックスの練習を始めましたから迷惑な話です。
とうぜん、近隣住民から苦情の嵐。大家に追い出されました。
あれから幾星霜。
サンスイは、未だに使い続けて満足していますから、たいしたものです。
結婚後、リビングで大音量を発すると、それ以上の大音量でヨメが激怒するので自室にこもってデスクトップ・ニアフィールド路線をまっしぐらです。
ずっとALR JORDAN ENTRY Sで楽しんでいたのですが、電気屋でQUAD11L2を衝動買いしてしまい、またオーディオ熱がメラメラという状態です。
お勧めいただいたスパイク延長セットも試してみます。
H様のミニスタンド導入結果
その後、金も知恵も無いなりに色々やってみた結果のご報告です。
さて、私のオーディオルームはといいますと、20畳の防音つきオーディオルームとはいきませんで、残念ながら四畳半ほどのマンション洋室。
とっても庶民的な空間で身をかがめるようにしてニアフィールドというか、デスクトップオーディオという状態です。
ニアフィールドと言えば聞こえは良いですが、四畳半というオーディオ的には絶望的な空間に、パソコンだのなんだのモロモロがテンコ盛りですから、
ニアフィールドにならざるを得ないという条件です。
壁二面に天井までのスチールワイヤ棚、あと二面には天井までの本棚と、天井までのCDラック。
押し入れには聞くこともないのに捨てられないでいるレコードが千数百枚。椅子に座ったまま必要なものに手が届くので便利と言えば便利です。
さあ、この空間でどこまでピュアオーディオならぬプアオーディオ道を極められるのか?これが今回の投資のテーマでした。
ミニスタンド以前の状態はこうです。スチールワイヤ棚(エレクター)に天板を付けて、作業デスクにしているのですが、
その上にタオックのスピーカーベースを横倒しにして人工大理石で橋を渡し、その上にインシュレータでQUAD 11L2という塩梅でした。
それなりに満足できる音で楽しんでおりましたが、低域がどうもゴチャとした印象で、もっと低域の解像度を上げたいというかくっきりした低音を聞きたいという感じでした。
もともと低域が出過ぎ傾向にある11L2なので、何とか引き締まった低域を引き出すというのが懸案でした。
タオック、人工大理石、インシュレーターにたどり着くまで紆余曲折でしたが、たどり着いたら次を考え出すのがオーディオ地獄沼。
だんだん満足できなくなって、いい手はないものかと探し当てたのが貴社ミニスタンドでした。
使ってみた結論は、「スタンドについては、これで上がりだな」です。
もうこれでいいです。
スピーカーやCDP、アンプ、上を見ればキリがないですし、壊れたら買い換えるしかないでしょう。
特にアンプは、25年前のSANSUI AU-D907という機種をずっと使っています。
メンテナンスしてますが、いずれ寿命がくるでしょう。そうなったら買い換えです。(ちなみにCDPはSOULNOTE)
でも、スタンドはこれで上がりにします。
わたしの現在のオーディオ環境では、最善の音になったと思います。
最初に延長足無しのノーマル状態では、「んー、良くなったかも」という第一印象でした。
そこで、足長ボルトを組み込みました。
「おー、聞こえる。楽器がちゃんと分離して聞こえる。おー、低い音もボンヤリせずに輪郭が見えるようになってきた」
しばらく聞いていると、だんだん調子が出てきたような気がしてきました。
スタンドにもエージングってあるのか?なんか落ち着いてきたというか、分離感はそのままに音楽としてまとまってきたような気がしてきました。
スピーカーの存在を気にせずに、音楽に集中出来ているような気がしてきました。
ニアフィールドは、箱庭的というか、盆栽的というか、分析的というか、ミクロ的というか、おおらかな広がりがないのが欠点だと思います。
ニアフィールドで聞く限り、ミニスタンドを使っても広がり感に限界はあるでしょう。
ましてや、我が家の四畳半ニアフィールドオーディオが自然な音楽空間を表現できているとはとても思えません。
ではありますが、結構良い線まで来ているのではないかと思えてきます。
でも、もっといい音がこの世にあるのではないかと思うのが哀しい男心。
もっと上の音空間の表現、これが皆さんがおっしゃる音場感というものなのかどうか
よく分かりませんが、さらに上はあるのか無いのか試してみました。スピーカーの左右を離しただけです。
効果有りです。
出来るだけ左右を離してみたところ、さらに音の広がり感が出てきました。
「おー、良いじゃん」しかしながら、場所の都合でこのセッティングは不可です。スピーカーコーンを目の前10センチにおいてキーボードを打つことになってしまいます。
しかたないので、元に戻します。しかし、さらに上の音があることは確認できました。
他にナンかないか?
思いついたのが自重受けの一点支持化。
ボルトと、袋ナットで試してみましたが、「んー、なんか変わったかな?」ということで、オリジナル自重受けに戻すことに。
で、その次に思いついたのが、スピーカーからエレクターへの振動を少しでも減らそう
と、30p四方の庭石@750円を敷いてみました。
ダメダメです。音の響きがなくなりました。1500円がパアです。ベランダで植木鉢の下に敷きます。
購入前に頂いた使用上のアドバイス、たとえばスピーカー右側の棚板が音を分断するのでハズした方が良いのではということですが、
実行したいのは山々なのですが、なにぶん狭小四畳半荷物てんこ盛りなので、棚板を外すことは出来ない状況です。
ゴム引きパンチカーペットも机の天板には置けないですね。そこで色々作業しますから。
ただ、デスク全面にボードを設置するのは、出来るかもしれません。要検討課題です。
ただ、オーディオについては、検討しだすとアタマの中でグルグルずっと検討しッ放しになって、点滅がはじまり、
とうとう我慢できなくなって実行に移す性格なので、きっとやってしまうでしょう。
知恵も金もないので、ここまでが限界です。
しかし、ミニスタンドのおかげで、限られた条件の中では満足の領域にたどり着けたかなという気がしています。
末永く使うことになると思います。
FAPS感想から
内容の濃いご感想と沢山の写真、ありがとうございました。
オーディオ的に非常に厳しい環境の中でいろいろと創意工夫されている様子が良く分かりました。
スタンドはこれで上がり! これはスタンド屋にとって何よりの褒め言葉でございます。
音楽に集中できる音が出せること、これが何よりです。お役にたてて、とても嬉しく感じています。
スタンド自体のエージングはないと思いますが、スタンドとスピーカーの接点部分の馴染み度合いの変化はあるようです。
使用に伴う振動により、締め付け具合が均等化されるような感じです。
ですので、使用開始してから数日後にはスピーカーを揺すって締め付け度合いを確認してください。
多少押し座が緩んでスピーカーが脱落し易くなっていることもあります。
表には出ていませんが、昔から使いこなしてきた機材が家の各部屋で現役で音を出しています。
SANSUI AU-D907は憧れでしたが金がなくて買えずD607で我慢、次に買ったのが607α。
どちらも現役ですが、タイマーリレー接点不良、少しのDC漏れが出てきています。自分で修理・調整しながら使っていますが、そろそろという感じです。
他にも80年代の現役機がゴロゴロしています(笑)
今回頂戴した感想と写真についてですが、ホームページのお客様の声に掲載してよろしいでしょうか。
お客様の感想は、人に自慢できるような部屋と機材をお持ちの方が出るケースが多くなってしまうのが現実なのですが、
私自身もH様と同様に与えられた環境で四苦八苦してオーディオをやってきた方です。
そういう中で好みの音を出そうとする方が好きなのです。
私の場合、行きついた先が小型スピーカーの可能性の追求だったわけです。
写真は私の仕事部屋です。この狭いスペースでまともに聴ける音を出す為の努力をしています。
効果があったのは厚さ5cm、幅50cm、長さ1.8mの杉の一枚板です。
仮想大地のようになって安ものラックの影響を相当に緩和してくれます。
ラックの棚にネジ止めしてありますので、左右のラックの転倒防止にも役立っています。
余談ですが、ミニスタンドの下側にものを置けるのは、スペースの有効活用ができてなかなか便利でしょう(笑)
追伸
言葉たらずでしたが、ゴム引きパンチカーペットを敷く場所は、金網の上です。これだけでも金網の共振を相当防げます。
金網部分を叩いて響くような場所があればお試しください。
写真を見ていて思ったのですが、側面押し座位置はもう少し下げてウーハーの中央付近にした方が音が締まると思います。
下部の自重受け用に取り付けられた袋ナット付きのボルトも使わない場合は外した方が良いと思います。
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