FAPS    Side-Press スピーカースタンド お客様レポート

   福井県にお住まいのO様 ( 背高幅広の特注Side-PressHSスタンド)

今回のレポートは、ご自宅でDTMをなされているO様からいただきました。
O様は、genelec8050というアンプ内蔵のモニタースピーカーをお使いでした

ここでは、特注をお考えのお客様への参考として、特注製作に至る経緯も少々ご紹介させていただきます。

読んでいただくとお分かりになると思いますが、FAPSの特注は、画一的なものではありません。
お客様の要望事項とFAPSの懸念事項等を確認しあいながら仕様を決めております。


O様の最初のメール(部分流用)

当方スタンドの購入を検討しており、Side-Pressにたどり着きました。(省略)

HS/RBモデルとHSモデルにサウンドの差はありますか?あるとしたら、どのような違いになりますか?
当方、genelec社 の8050 というスタジオモニタ系の機種を使用しております。
側面、下面とも多少丸みをおびている構造ですが設置は可能と思われますか? 


FAPS回答より

genelec社の8050の外観・寸法を確認したところです。
http://www.dolphinmusic.co.uk/product/35618-genelec-8050-single.html
これと同じと考えてよろしいでしょうか。

この程度の曲面であれば、Side-Pressスタンドの使用は可能です。
底面の脚部分は、取り外してお使いいただくようになります。

問題は大きさです。

433 x 幅286 x 278 mm と書いてありますので、使える最大幅が260mmまでのHS、HS/RBとも使えません。
幅を広げたものを特注いただくか、
300mmまで使えるトルネードスタンド(フルセット:96,800円+送料)をお使いいただくようになります。

Side-Pressの特注の場合は、HSタイプのみとなります。
HS/RBは、ベース部のレーザー切りだし費用が高いため現実的ではないのでお勧めいたしません。
(本件は、その後の自社改善努力で何とか現実的な費用で対応できるようにいたしました。)

HSの場合は、最大400mmのものまで特注実績があります。
8050の場合は、380mmまで広げた方が良いと思います。

回答が後先になってしまいましたが、HSとHS/RBの音質的な相違は、低音域の沈み感と低音の透明度の違いです。

HS/RBの方が若干勝っておりますが、両者を並べて比較試聴して初めて分かる程度の差です。
デザインの好みで選んでいただいてもまったく問題ありません。


O様の2回目の問い合わせより

サイズ的にトルネードならば、標準で設置できるとの指摘をうけまして、トルネードの購入かHSを特注するかを検討しています。

・Side-Press HS と トルネードにおいて音質の差はあるのでしょうか、あるとしたらどのような点になりますか?

・トルネードの貸し出しは可能でしょうか?

・発注した場合、納品にはどれくらいの期間がかかりますか?


FAPS回答より

@ Side-PressHSとトルネードの音質差

極端な違いはありませんが、トルネードの方が構成部品も多く、
質量的にも大きいためHSよりもスタンドの付帯音の影響が多めに出る傾向になります。

聴感上は、やや華やいだ傾向となり、自然で素直な音のHSよりも聞いた瞬間の印象としてアピール度が高いのでこれを好まれる人も多いようです。

小型のスピーカーの場合は、迫力を増す傾向とも言えますが、大きめのブックシェルフでは華やかさが勝つ傾向になると思います。

私の個人的な判断ですが、長時間音楽を聞かれるのであればHSタイプの方が良いと思います。

A トルネードは受注生産品となっている関係上、試聴貸出し品は現在持っておりません。
(貸出し要望が多いため、現在は試聴貸出しを行っております。)

B 納期ですが、HS特注品は、工場側の都合により変動しますが、早い場合はお振込後10日程度、
ほとんどが2週間程度になっています。長くても3週間とお考えになってください。

トルネードの場合は、部品は加工済みのため遅くても2週間以内で納品できると思います。

C 気になること

8050の背面形状はどのようになっているのでしょうか。
HSタイプでは問題ないのですが、トルネードの場合、3本支柱の真ん中がスピーカー端子等に干渉する場合もあります。

背面近くの側板部分が大きな曲面になっていると側面押し座が十分にスピーカを保持できなくなります。
この場合は、側面押し座位置を前にずらす訳ですがそうするとスピーカーの背面が後部支柱やL型アダプターと干渉してしまうのです。

HPの写真や外形図を見ていただいて取り付けができそうかどうか、検討いただけないでしょうか。

一応確認しておきたいのですが、スピーカーの設置高さは、どの程度をご希望でしょうか。
床からスピーカー底面までの高さをご教示いただければ、それに合わせ、ある程度のスタンド高さの調整も可能です。


O様より

スピーカの背面画像のように端子が下向きになっているので、問題ないかと思いますがどうでしょうか?

現在は、90センチの高さのラックにのっています。
トルネードでもスピーカの高さが90センチくらいになるように製作可能でしょうか?
(標準の高さだと少し低いなと感じております。)


FAPS回答より

背面形状を確認しました。トルネードでも何とか取り付けは可能と思えます。

スピーカ底面までの高さが90cmのトルネードは、作ることはできますがご容赦ください。

重心が相当上に上がるため、前後支柱の間隔が狭い関係でふらつく可能性があり、音質的な影響度合いも不明です。

過去の事例として以下のものがあります。
標準トルネードを少し改造し、使いスピーカー底面までの高さを850mmにしたものです。
http://www.family-arts.com/sidep_report/hiroshima_y_tornade.htm

スピーカーの形状が箱型なら可能性もあるのですが、下部が絞られた形状の8050では難しいと思います。

高さを上げたいのであれば、HSタイプでお願いいたします。

下記図面の図示寸法で670mm部分を130mm高くしたものの納品実績があります。
全高も130mm増えて1080mmとなります。

http://www.family-arts.com/puresound/side_press_hsmodel/sidepressHS_dwg.jpg

この場合のスピーカ底面までの高さは、約850mmとなります。
音質的にもHSとほぼ同等であり、空間表現力は更に向上しております。

それ以上高くしたい場合は、自重受け座を延長ボルトで上に上げていただくことになります。


以上のようなやりとりがあり、スタンドの種類が二転三転しましたが、
最終的にSide-PressHSスタンドを下記仕様で特注いただくこととなりました。

・genelec社の8050が取り付けられるように幅を40mm拡大し380mm。

スピーカー取り付け位置を上げるために自重受け座取り付け支柱高さを130mm追加。
(スタンドの全高さも130mmアップ)

※ 特注の詳細は、受注前に特注寸法図にて確認をいただいております。


   O様の導入感想   

まず、結果から申し上げます。すばらしいサウンドになりました。

これまでは、部屋が狭いため、空間的な自然な広がりが無いのが今までの最大の悩みでした。

スタンドという電子的、電気的に変化を加えるものではないもので、
ここまで劇的変化あるとは思っていなかったので大変驚いています。

インシュレータ等はいくつか試しましたが、さほどの効果は無いように感じていたからです。
今回、スタンドの重要性を痛感いたしました。

今回最も感じたのは、スピーカの下の空間が開放されていることによるサウンドの広がりでした。


微細な表現、空間的な広がりは特筆すべき点です。

音楽を聴くことの楽しみがあらためてわいてきました。
大変満足しております。ありがとうございました。

セッティングで気になる点ありましたら、アドバイスをお願いいたします。

FAPS スピーカースタンド

FAPS スピーカースタンド


FAPS回答より

どうなったのだろうか、と少々心配しておりました。きちんと取り付けができたようですね。
写真から見ると、スタンドの幅もぴったりですね。安心しました。

セッティングについては、特に問題ないと思いますが、
写真では左右の置き場所(奥行き)が少々違うように見えます。

距離感(定位感)をきちんとするために試聴位置から左右SPまでの距離は同じにした方が良いです。
(特にミキシング(モニタリング)については)

スペース的にきついとは思いますが、SPを全体にもう少し(5〜10cm)手前に出せると低音の切れが向上すると思います。
コーナー部にあるので現状では、低音過多の傾向ではないでしょうか。


FAPS 志賀