FAPS   Side−Press スピーカースタンド お客様レポート

  福岡にお住まいのK様 ( ロジャース LS5/9 Side-Press HS/WLスピーカースタンド) 

今回のレポートは、福岡にお住まいのK様からいただきました。

お問い合わせメールをきっかけとして、電話と数回のQ&Aを含めた慎重な事前検討の結果、
Side-Press HS/WLスタンドをご導入くださいました。

お使いになっているスピーカーは、既に20年以上音楽を共にしてきた、ロジャースのLS5/9です。

ご参考  ROGERS LS5/9

出典  オーディオの足跡

1985年発売
ウォルナット仕上げ:\360,000(2台1組、1996年頃)
ローズウッド仕上げ:\400,000(2台1組、1996年頃)
機種の定格
BBCの中型サイズのモニターとして開発されたモニタースピーカーシステム。
録音スタジオやラインモニターとして使用されました。

低域にはポリプロピレン・コーンを用いた20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットのフレームにはアルミダイカストフレームを採用しています。

高域には3.4cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。

ネットワーク部には厳選したパーツが使用されており、内部音圧の影響を抑える防振対策が施されてます。
また、使用する環境条件に応じて+2dB〜-2dBの範囲でレベル調節が可能でした。

エンクロージャーはROGERSの伝統的な木工技術と多くの実験から選び抜かれた天然素材とダンピング材を組み合わせた構造となっており、音質に影響を与えるキャビネットの共振を抑えています。

左右のスピーカーはBBCの仕様基準に従って厳しい品質管理が行われており、組合せが指定されています。
型式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:20cmコーン型
高域用:3.4cmドーム型
再生周波数帯域 50Hz〜16kHz ±3dB
入力インピーダンス
出力音圧レベル 87dB/2.83V/1m(RMS)
最大音圧レベル 105dBA(ペア、2m)
クロスオーバー周波数 3kHz(BBC規格、FL6/35)
最大許容入力 50W
スピーカー端子 バイワイヤリング端子付き(1996年頃)
推奨パワーアンプ出力 15W〜100W
外形寸法 幅280×高さ460×奥行275mm
重量 13.0kg

今回のレポートも最初のお問い合わせメールを含めた、K様とFAPS志賀の事前確認等を主体に紹介させていただきます。

メールからの抜粋であり、原文通りとなっております。
緑文字部分が、FAPS志賀の回答内容です。

多くのお客様が同様な事前Q&Aを通して弊社製品を導入されていることもお伝えしておきます。


●最初のお問い合わせ

                                                                              
現在、ロジャースLS5/9(W280 H460 D275 14kg)を使用しております。
主にクラッシックを聴いております。(オーケストラものを聴くことが多く、小さい編成のものは あまり聴きことがありません)

以前より、甘い中低域を何とかできないものかと、色々と試してきましたが、なかなか良い結果に恵まれておりません。

ネットで見ておりましたら、御社のホームページにたどり着き、
これを導入すれば解決の糸口になるのではと思い連絡させて、頂いた次第です。

サイドプレスのHS/WLですが、LS5/9には少し高さが足りないように感じ、特注にて高さを15CM上げて頂くことは、可能でしょうか。

ロングスパイクにて、高さを調整することも考えてみましたが、スピーカーの重量と経年の耐久性を考えた時、不安になり、質問させて頂きました。

また、HS/RBタイプを幅広サイズにして頂いた場合と HS/WLタイプにした場合では、甘い中低域を改善する点でどちらが好ましい結果になるでしょうか?

以上、宜しくお願いいたします。


●FAPS回答(1回目)

LS5/9(W280 H460 D275 14kg)を使用できる弊社のスタンドとしては、下記3種類となります。

@Side-Press HS/WL (注文生産品 納期約2週間)
ASide-Press トルネード
BT-TOP 
CSide-Press HS または HS/RBの幅広げ特注(納期 約3週間)

甘い中低域を改善なされたいという観点からご説明いたします。

このスピーカーは箱鳴り系のスピーカーですから、スピーカー以外の鳴きを極力排除し、
かつ支点を明確にすることが引きしまった音を出しやすくなります。

セッティングも同様で、スピーカーの周囲の音を反射させるようなものから可能な限り遠ざけることが必要です。

支点を明確にするという点で、スピーカーを3点でしっかり保持できるSide-Press方式をお勧めいたします。
余計な音を付加しないという意味では、HS/WL または HS、HS/RBの特注になります。

トルネードは、ハーベスコンパクトで使用されているお客様が多いです。
ただしスタンドの構成部品数が多く、他のSide-Pressに比べると鳴りの要素が若干多くなってきます。
音色的には、良く引きしまった中低域、若干派手な傾向の高域になります。
どちらかというとポップス系に向いていますが、大編成のオーケストラも効果的です。

HS/WLは、幅が広めで高さが低めとなっていますが、中低域の改善という意味では効果的に作用します。

HPで紹介しているハーベスのコンパクト7と同様にロングスパイクで高さを上げてセッティングするだけで
スピーカーの周囲の干渉物から隔離され空中に浮かぶような形になります。

この結果、スピーカー自身が発する音を純粋にお聞きいただけるようになり、中低域もスッキリとして切れが良くなります。

幅が480mmあるスタンドを余裕を持って(前後左右にそれぞれ50cm以上の空間があるように)設置できるスペースがあるならばお勧めです。

高さは、スピーカー上面で1m程度になりますので、問題ないと思います。
経年変化がご心配のようですが、スパイク1点による下部の支えでも十分な強度があるため問題ありません。
勿論スピーカー自体の強度も問題ないと思います。

ちなみに高さを15cm上げたい場合の特注費用は、八千円の追加となります。
100mmロングスパイクを使用する場合は、部品差額の1,300円が追加となります。

HS/RBの特注も同等以上の音の改善が図れますが、幅の拡大は特注費用が約3万円かかるので要検討と思います。
実際の音の違いを考えた場合、HS/WL または トルネードの方が現実的な選択と思います。

電話でもお話しましたが、HS/WLは大きいため黒色ですとスタンドの存在感が大きくなります。
三千円高くなりますが、ブロンズ色の方が、なじみやすいと思います。


●K様のご質問メールから(2回目)

Side-Press HS/WL にて検討いたします。
ロングスパイクにて底上げした場合と、特注対応にて底上げした場合とでは、
どちらのほうが、より中低域の甘さ、及び、中低域の音階の甘さを解消できますでしょうか?


●FAPS回答(2回目)

中低音域の改善を更に積極的に行いたい場合は、スタンド高さを上げた方がより効果的であるのですが、
様々な要素が絡んでくるので一概には言えないのが実際です。

中低域の甘さとは、具体的にどのような状態なのでしょうか。
現在のセッティング写真等があれば、症状を分析して、より具体的なお話ができます。

具体的な情報をご提供いただければ、今後のセッティングのためのアドバイスができるかも知れません。

15cm上げたいとのことですが、そうするとほとんどHSスタンド(67cm)と同じになってしまいますね。
WLの背を高くした方が良いか、HSの幅を広げた方が良いか・・・という選択も視野に入れた方が良いです。

最初に添付の写真を見て検討いただけますか。今日(2009.11.11)現在の試聴室の様子です。

FAPS スピーカースタンド

左側のスピーカーがHS/WLに100mmロングスパイクを使ってセットしたものです。
今回、私がご提案しているものと同じセッティングです。
スピーカーの幅が250mm、高さ400mmですのでLS5/9より一回り小さいものです。床からSP底面までが約60cmです。

右側が、HS/RBで、高さはHSと同じです。床からSP底面までが約70cmです。

WLを使う場合、横方向の余裕が大きいので小さめのスピーカーではロングスパイクを使い
スピーカー下側の空間を取らないと見た目がアンバランスになってしまうのです。

WLの高さを特注で高くした場合は、通常の球状自重受け座を使うことになるため、
スタンドが横方向に広すぎるように見えてしまうのが気になると思います。

このスピーカーは、右側のスタンドにもセットできるのですが、WLにセットした方が、中低音域の雄大さとダイナミックさで優っているように思います。
そのためWLと100mmスパイクの組み合わせを提案させていただきました。

はっきりしない、言い方ですみませんがよろしくご検討願います。

実際に販売しているHS/WLは、その後の試聴結果を踏まえスタンドの仕様を少し変更してあります。
写真のものよりスピーカー支持部分の高さを50mm高くしました。
100mmのロングスパイクを使うことで当初ご希望の高さに相当に近づくと思います。
価格の変更はありませんのでご安心ください。


●K様のご質問メールから(3回目)

出張中なので、画像を送れませんが、現在の状況の説明をいたします。

ヤマハのNS-690の上に、剣山を置き、その上にLS5/9を置いております。
スピーカーの周りには、影響の無いように置いております。
AMP,CDPなどの機器については、ラックを使用せず、直においております。
以上、現在の状況を説明させていただきました。

スピーカー支持部分が50mm高くなるとのこと。
規格の変更は、結構頻繁になされているのでしょうか。

品質アップは、大歓迎ですが、もう少し待てばさらに良い改良品がでるのであれば、待とうとも考えておりますがいかがでしょうか。
少し心配になりましたので、連絡いたしました。


●FAPS回答(3回目)

スタンドの仕様変更は、ほとんど行っておりません。
FAPSとしては、1年に1種類、新製品を出す感じでやっております。

スタンド本体よりも、むしろチューニング用パーツを開発販売に注力しています。
しかし特注の方も多いので、実際には相当数の仕様のものが出ています。

今回の変更は、試聴室での継続試験結果と最初にご注文頂いた方々の要望等を考慮して行ったものです。
K様と同様に中型のスピーカで使われる方が意外に多かったのです。

総合的に考えて50mm高くしておいた方が特注の必要性が少なくてなりお客様の利益になると判断しました。
WLは、当面(1年程度は)この変更で基本仕様は固定となりますのでご安心ください。


●K様の導入レポートから(1回目)

サイドプレス設置いたしました。

設置する際、アンプ、CDP等、移動いたしましたので、正確な感想がかけませんが、
落ち着いてから 改めて報告いたします。

まず、一聴して感じたことは、音楽がゆっくりきこえることです。
これには、ビックリいたしました。

また、低域の伸びとキレが非常に良くなったことも感じました。
音場についても、今まで、SPの上において聞いていたことを加味しても広がりが出てきたように感じました。

非常に良くできた、スピーカー台で、良いものを買わせてもらったと思います。
できれば、ネジも含め、ブラウン色に統一して頂ければもっと良かったと思います。

ただ、LS5/9の持ち味の中域の分厚さが、少しフラット気味の現代的な音になり、
アンプの設置などを含めて、再度見直す部分が出できたのではと、感じております。

文才がないので、音の感じ方を表すのが旨くできず、申しわけありません。
調整した後に、感想をいれます。


●K様の導入レポートから(2回目)

FAPS スピーカースタンド 設置して、落ち着いてきましたので、状態を連絡いたします。

現在使用中のロジャースLS5/9ですが、だぶついた低域をどう処理していくかが、
そして、魅力ある中高域を残していくかが課題でした。

サイドプレスWLの設置後の傾向として、

全体の傾向として、すっきりとした、現代的な音になり、
一番課題であった低域のだぶつきが非常に少なくなり、
低域の音階がより、はっきり聞こえるようになりました。

また、音場もSN比が上がり、SPの後ろにすっきり広がるようになりました。

心配しておりました、箱なりの押さえすぎも無く、調整できました。

一つ質問というか、心配があるのですが、一本にてSPを支えているのですが、
SPの底が曲がるのではないかと心配しております。

そこで、2本指示にて支えていきたいのですが、いかがなものでしょうか?


●FAPS感想(1回目)

HS/WLの感想と写真、ありがとうございました。
とりあえず期待の音に近付いたということでしょうか。
悪い方向には行ってないようなので、安心しました。

良い感じでセッティングできていると思います。
スピーカー底面はブロックを介して受けているように見えますが、黒檀キューベースをお使いなのでしょうか?

底面の1点受けですが、それほど華奢な箱でないと思うので心配ないと思います。
どうしても気になるようでしたら、前後の2点受けもありです。
物理的な安定度は、大幅に向上します。
もちろん音は変化しますが、基本的には、現在の音質傾向を受け継ぎます。

前後2カ所で受けた場合は、側面の押し座を傾き防止程度に押す力を弱くできますので箱の鳴りは、更に自由になります。

市販のM8ボルトを使って試して、良い結果が得られたらオプションの100mmロングスパイクに置き換えるという方法もあります。
お試しになってください。


●K様の導入レポートから(3回目)


2点支持をやってみました。(黒檀キューベース使用しております)

FAPS スピーカースタンド FAPS スピーカースタンド
FAPS スピーカースタンド

設置から、ほとんど時間が経過していないので、
漠然とした感想ですが、全体的な印象は、変わらないように感じますが、少し表現は難しいですが、
(1点支持に比較して)少しゆるくなったように感じております。

LS5/9自体が、個人的にクラッシックに合うスピーカーと感じているので、元の個性に近づいたのかなとも思いました。
時間の経過と共に、感じ方にも変化が出てくると思いますので、このまま経過をみて調整していきます。

ただ、LS5/9自体が、初期型で、20数年経過している事を考えると、
精神的に1点よりは、2点の方が多少落ち着きます。(見た目が不安定なので)

調整している際に感じたのですが、側面を押さえる部分のトルク管理ができれば、より正確な調整ができるのではないかと思いました。

ねじの最後の部分にマイナスドライバーか、プラスドライバーが入る部分を作っていただければ、それが可能になるのですが、いかがでしょうか。


●FAPS感想(2回目)

下部の2点支持ですが、私の想像とは異なりましたね。
私は、スピーカーの前後端付近で受けるものと思っていました。
そうするとエンクロージャーの強い部分で受けられると同時に、底板も自由に振動できるからです。

スピーカーの安定性も増すと思います。
今の状態ですと、どちらかが接触的に中途半端な状態になってしまい音を汚す可能性もあります。
前後スパイクの間をもっと大きくとるようにしてお試しになってください。
それを試された結果もご教示いただけると嬉しいです。

側面押し座のトルク管理のための溝切り等は現実には困難です。
新たに型を起こす必要があるため、部品単価が相当に高くなってしまうので行う予定はありません。
ご理解をお願いいたします。

前後2点支持をした場合は、側面押し座はほんとに軽くさせる程度で大丈夫です。
指先で押し座をネジこんだ程度で大丈夫だと思います。
トルク値で考えると、数百g・m程度なので逆に計測が難しいと思います。

またの感想をお待ちしております。ありがとうございました。