FAPS
Side−Press スピーカースタンド お客様レポート
宮崎にお住まいのイタリアン・レッド様からArtistスピーカースタンドの導入レポートをいただきましたので御紹介させていただきます。
FAPS Artist Standレビュー レビュータイトル 「抜群スタンド!」
2013.06.10 宮崎在住 イタリアン・レッド
イタリアン・レッド様は、2011年の2月に最初のお問い合わせをくださりました。
それから約1年間、メールによる綿密なQ&Aをさせていただき、2012年の1月にArtistを御導入くださいました。
お客様レポートは購入前のやりとりメールから御紹介させていただくのが通例なのですが、それを行うと異常に長い前書きになってしまいます。
今回はイタリアン・レッド様から最近いただいたレポートを紹介させていただき、途中で出てくるQ&A等は、
その一部を別ページでご覧になっていただけるようにまとめてみました。
では早速ですが、イタリアン・レッドさんの最終?レポートを紹介させていただきます。すべて原文通りです。
FAPS Artist Standレビュー レビュータイトル 「抜群スタンド!」
kit LS3-5A black special
【使用スピーカー】 サンバレー社(日本) kit LS3-5A black special (BBCのLS3/5Aレプリカモデル)
【スピーカーの仕様】
インピーダンス:8オーム
能率:86dB/W/m
周波数特性:50Hz〜20kHz ±3dB
2WAY、密閉型、ウーファー:11cm ツイ−ター:2cm
耐入力:80W
サイズ:W193×D202×H310 ※突起部含む
重量:約4kg
他仕様は未公開ですが、オリジナルLS3/5Aと同様と思います。
年に1度(年末)位、数量限定で発売されています (2012年は販売なかった)
キットですので自分で組立てを行います。ネットワークは組立て済み(オリジナル同様、ものすごく複雑な回路です)
ペアで5万円位(安価ですよ...)
【リスニング環境】
鉄筋コンクリート構造、洋間14帖、
床 : 南方木材フローリング 壁・天井 : プラスターボード・クロス仕上げ 天井高 2.4m、
スピーカー設置面は床〜天井まで全面ガラス窓、
1本締めするとフラッターエコーあり、SPは壁より1〜2m離して設置しています。
●スピーカーの特徴
RogersなどのオリジナルLS3/5Aのすこし太目の再生音と違い、若干緻密さがあります。
音場表現能力は同等レベルでしょうか。
音場はSP後方に素晴らしく展開します、これは「お客様レポート」同様ですね。
台湾製ですが、英国の香りがするスピーカーで非常に気に入っています。
●Artistスタンド導入にあたって
イギリス貴婦人に「広大なSP後方音場形成と、ゾクゾクするリアリティ」が融合された音を歌って欲しい。
という私の非常に我がまま・贅沢な希望に対し、他スタンドとの音質差、音場感、タイト、リアリティ感などの検討を、
志賀さんとメールで何度もやり取りしました。
こちらの細かい質問に、ユーモアを含め丁寧な回答を頂きました。
その節はありがとうございました(笑) 質疑・応答内容は多すぎますので、割愛します!
●FAPS志賀さんの結論
ロジャースやハーベスのオリジナルを最も美しく、持ち味を生かす方向にしてくれるのはArtistです。
分厚い低域と密度の濃い中音域でありながら、非常に透明度の高い音を出してくれます。
LS3/5Aが出す音とは誰も信じられないような音圧感のある雄大さ、それでいながら聴きやすさを備えた素晴らしい音が出ます。
相性についても現時点では、Artistとの組み合わせが最良です。
FAPSとしては、Artistを推薦いたします。
であっさりArtistに決定!うやうやしく注文しました。
●私の音楽嗜好
主にブリティッシュ・ロック、ボーカル、クラシック、民族音楽、J-POPを好みます。
Jazzは最近あまり聴かなくなった、壮年です。
●ブツ着、昨年の2012年1月7日〜
Artistスタンドが着いたのは良かったが、その後仕事が超多忙、家事、引越し荷物の整理でスタンドセットは実行不可能、
月日は流れ、スタンドが入っていると思われる?(開封のみ実行した)ダンボールは部屋の中央に鎮座し、
風化が進んでいると推測していた初秋にやっと時間と気力が戻り、まずスピーカーを設置するスペースの確保よりリスタート。
スタンドネジ部にうっすらとサビが浮いている...ゴシゴシとサビ処理が始まった。
ネジ部は塗装してありません、塗装するとボルトを回すのが硬くなるので、塗装後にネジ切りを行なっているとのこと。
定期的にサビ止め剤(油脂よりシリコン系がよい)を塗布するのがよいかと。
それからの行動〜
マニュアル、FAPSラボ、お客様実験ラボ、お客様の声をチェックし役に立つ内容を整理、
皆様のレポートが秀逸、これは凄い...
まずはマニュアルとおりにSettingの始まり〜。
特に重要と思った「スピーカー支持補助具」もレビューします、「お客様レポート」も参考にしており、
サイドプレス スタンドセッティングの設置・変更が「めんどくさがらず、簡単に出来ます」。
ちょっと支持ボルトの位置をいじってみたいが、SP外すのが面倒...ではせっかくの高性能スタンドがもったいないので (自分の経験もあり)
●先に結論を、本音の感想です。
「このスタンドを購入して、本当に良かったです。無謀暴挙の買い物でなかった」
(無謀暴挙:志賀さんを全面信頼して、試聴スタンド貸出を依頼せず、音聴かずで購入の意味)
「音楽に感動しています」
「音場表現が抜群で素晴らしい」
「チューニングによって、自分の音を構築する楽しみ・喜びを与えてくれる」
「開発者に感謝・賞賛」ですね、感動をありがとうございます。(ちと誉めすぎか)
とFAPS教の熱狂的崇拝者になりました(嬉々)
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梱包状態
●梱包状態 ダンボールの中に巧みに、スタンド2台あり、丁寧で器用な手練の紐技。
付属品・別注文品
●付属品・別注文品
ベーススパイク100mm、側面押し座Pro55、側面押し座 Pro85(他ミニSP用)、黒檀キューベース(8個)、
自在型 自重受け座2個セット(ベーススパイクとの音質比較用で購入)
おまけ:ベートーベン交響曲全集CDボックス(なかなか良かった)
鋭角スパイクの保護用キャップ
●鋭角スパイクの保護用キャップです。
猫がいるので(猫がいなくても、)人間が転倒などした時の安全確保にぜひ、装着しても音はほとんど変わらなかったです。
SP重心測定用補助具
●SP重心測定用補助具
上:10mm角のプラスチック角材、下:25mmL字型プラスチック材「お客様レポート」を参考にして製作。
SP重心測定用補助具
●SP重心測定用補助具を使用中
最初、10mm角材で大まかな重心位置をあたり、次にL字の角を上にして位置をチュックする。
SP下部に塗料マスキングテープを貼って、位置をマーキングする。このSPの重心位置は正面から80mm位でした。
奥行:202mmですので、やはり前面側に重心あり。出来るだけ測ったほうがよいみたいです。
自在型 自重受け座の取付
●自在型 自重受け座の取付
SP支持材の違いによる音質差を、把握するため「自在型 自重受け座、樹脂受け」→「球形金属自重受け座」→「100mmロングスパイク」の順番で試聴を行います。
高さが低く、名刺ケースが丁度の寸法だったので補助用で使用。
●セッティング1
下部支持:自在型 自重受け座(樹脂受け)、側面支持:側面押し座Pro55、ベーススパイク100mm、黒檀キューベースでセッティング、
ベーススパイク飛び出し長さ:40mm位より。
スパイクでケガしないように、注意していましたが、チクリとやってしまいました、ご注意を。他の支持位置は写真をご覧下さい。
「とにかく広大で深い音場が形成される、このスタンドはなんだ!凄いぞ!」
部屋内のSP位置をシビアに調整していく、HPにあるレーザーポインターでの方法参照、他に十字クロスレーザーポインターも使用。
ミリ単位での調整に、音は敏感に反応します。
ベーススパイクの長さで、低音〜高音のバランスがコロコロ変わり面白い。
●セッティング2
下部支持:球形金属自重受け座に変更、側面支持:側面押し座Pro55、ベーススパイク100mm、黒檀キューベースでセッティング。
球形金属自重受け座は、直接SP下面に支持してます
自在型 自重受け座(樹脂受け)より、クリアな音質になり、定位がピンポイントになりますね。
SP支持補助具用パーツ
●SP支持補助具用パーツ購入(どこにもあるホームセンターにて)
とにかく、SP支持・調整を簡単にするためです。
HPにある本を使っての方法でもよいですが、SPの支持位置によっては困難な場合があります。
何枚か支持金具の図面を作図し、ホームセンターをうろつきまわり〜購入、5000円位。
作図はCADで行いました(CADは仕事で使っているので)手書きでも十分です。
絵を描いたほうが分かりやすく、間違いがありません。金具・ボルト類の組み合わせは、写真をご覧下さい(簡単な構造ですので)
いよいよ、SP支持を100mmロングスパイクにしていきます。
●自重受け用アルミ円盤
中心が分かるように、マジックでマーキング(鋭角な面にする、SP側は保護のため切断面が丸くなっている方です)
SP支持補助具
●自作のSP支持補助具を使って、SP支持No.1
100mmロングスパイクに変更しています。
SP支持詳細
●SP支持詳細
マーキングすると、自重受け用アルミ円盤の中心が分かりやすいです。SP側面に重心位置マーキングして合わせる。
支持位置をSP前後で動かしてみましたが、重心位置が最も安定感ある音でした。
時間が経つと、スパイク先端はアルミ円盤に食い込み、支持が強固になります。
セッティング3
●セッティング3
下部支持: 100mmロングスパイク、側面支持:側面押し座Pro55、ベーススパイク100mm、黒檀キューベースでセッティング。
球形金属自重受け座より、もっと定位がシャープになり、音のにじみがなくなります。音場もより深く展開し、ボーカルの実在感が増します。
木質系アンダーボード
●.木質系アンダーボード導入
中国製赤松材1000x500x30t(パイン材、ホームセンター購入、4000円位)を半分にカットしてもらう。
500x500x30t、重量3.8kg(1枚) スピーカー設置の安定化と移動の簡略化、音質の向上予感?で設置しました。
●志賀さんアドバイス
サイドプレスは基本的に自己完結型のスタンドであり、足回りは適度に振動を吸収してもらえば、OKなので、
余計な仕事をしない安いMDF(高価なオーディオボードでなく)で必要十分という感じです。
ベーススパイク長さ
●ベーススパイク長さ
ベース高さ15mmから段々と高くしていく、柔らかいボードにスパイクが食い込んでいます。
セッティング3
●セッティング3
下部支持: 100mmロングスパイク、側面支持:側面押し座Pro55、ベーススパイク100mm、
木質系アンダーボードでセッティング、黒檀キューベースは取外している。
低音の安定感が増します、それに伴い高音も伸びる。床の振動モードが変化したためでしょう。
アンダーボードごと移動出来るので、SP位置の調整がやり易くなりました。
ただし、床はフラットでないため、移動したらSPの水平・垂直・ガタの調整は必ず必要です。
SPが軽いとベーススパイクは指で回せます、硬いときは6角のドライバーが便利です。
試しに黒檀キューベースを入れてみると、また音が変化します、面白いですね。しばらくは、この状態で細かな調整を行っていきます。
自作SP支持補助具
●SP支持補助具を使って、SP支持No.2
SP支持No.1(写真12)は、板を巨大クリップ2個で固定するため、SPの水平が出しづらかったので改良しました。
後部補助支持は、不用になった「自在型 自重受け座(樹脂受け)」を使用。首が可動するので、水平調節が簡単になりました。
SP後部
●SP後部
右下に愛猫が写ってます(笑)、床と同系色なので、よおく見て下さい。
ゴソゴソやっていると必ずチェックに来ます、スパイク保護キャップは必需品ですね。
名前はLevin(レヴィン)、かの大好きなオーディオ設計者より、頂きました(笑)
試聴・SP調節風景
●試聴・SP調節風景〜
音質レビューについては「お客様レポート」に多々ありますので、あまり詳しくは書きませんでしたが、
私にとって「音質革命スタンドです」。
使用する部材と位置で音が変化し、非常に面白しろく「やりがい」があります。
ベーススパイクの飛び出し長さによっての、低音から高音のピラミッドバランス変化など。
また、自重受け用アルミ円盤の材質変更、銅円盤にしてみると(同じ20φで2t)、金属音が乗ったのが分かります。
銅と比べるとアルミはあまり癖がない感じ、スパイスとして有効かな。
●今後〜のプラン
色々追試したい〜
○スピーカー側面支持位置の変更(SP上部にする)ただし、プロ押し座を使うには、上部側面支持のネジ山を削り取る必要あり。
○アンダーボードと床材の間に、制振シートなど入れる。
○自重受け座の材質や構造の変更。などなど一杯浮かびますが、
●志賀さんアドバイス
更に言えば、上流側機材の影響も顕著に出しますので、その変化の楽しさに気を奪われると大変なことになります。
適度にお遊びくださるよう、お願いいたします、と言われてしましました(笑)
チューニングや追試はやりだすときりがなく、どこまでやるかですが、
素直にプロの意見に従いつつ、経済的視野を考慮し(大げさな...時間があるときにボチボチ...とは言うものの、
このスタンドは超面白い! いじり甲斐が多々あるのです、人間のサガですな(嬉々、笑)
レビュー、以上です。
イタリアンレッド様
素晴らしいレポートをご提供くださり、ありがとうございます。
結構時間がかかりましたね! Q&Aも何回やったのかも忘れてしまうほど沢山やりましたね(笑)
エンジニアさんの意地と根性と粘り強さに、好奇心とチャレンジ精神が加わって何でも試されたように感じました。
一連の厳しい評価にも何とか耐えることができたようで、ホッとしております。
セッティング用の冶具も自分で考案されて使われていますが、こういう努力は嬉しいですし、非常に参考になります。
サイドプレススタンドは、音は良いけど使いこなしが難しいと思われている方も多いので、
FAPSとしても簡単にお使い頂けるように工夫を重ねて行きたいと考えております。
サイドプレススタンドには、お使いになられたものと同じ考えのセッティングツールを添付させて頂くことにしました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 FAPS店主 志賀 一司
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