京都にお住まいのN様の-Press HS/RBモデル導入レポート
今回は京都にお住まいのN様からいただいたHS/RBモデルの導入レポートのご紹介です。
N様は当社スタンドをお使いのお客様からサイドプレススタンドを使った方が良いとのご意見をいただき、
貸出し試聴を経てHS/RBスタンドをご購入下さいました。
お使いのスピーカーは、スタジオモニターとして名前の知られているADAMのA7です。
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ADAM A7 仕様
●再生周波数帯域 : 46Hz - 35 kHz
●アンプ部出力 : 低域:50W/80W 高域:50W/80W (実行出力/ピーク出力)
●入力端子 : XLRメス、RCA
●寸法 : 180 x 330 x 280mm
●重量 : 8kg
●ツイーター : A.R.T
●ウーハー .: ロハセル/カーボン 6.5インチ |
N様からは、貸試聴期間中にサイドプレススタンドのセッティングについて数々のご質問をいただき、
FAPSの考え方をご説明させていただきました。
今回ご紹介させていただくのは試聴結果の非常に詳細な試聴レポートです。
別途導入後の感想や写真もお送りいただける予定ですが、初回レポートの本文を先発掲載させていただきます。
以下、N様の試聴レポートです。
至高のスタンド、サイドプレス
1.機材紹介
今回の使用機材は総額30万足らず
機材コンセプト:リスニングDTM
PC
CPU:XEON L3110@24GFLOPS
M/B:P5Q-EM
Mem:UMAX Pulsar DCDDR2-4GB-800
DVD:BDR-S03J
CDR:PX-A320
HDD:WD3200AAKS-WD6400AAKS
P/W:NIPRON ePCSA-500P-X2S
電設資材
shima2372.com 6個口タップ改
(LEVITON 8215CAT>BELDEN 83803>
タップ部分LEVITON5362IG>ME2817>ME2817)
注:一番初めに83803に結線されるME2817をLEVITON5362IGに変更
LEVITON 699を介する。
PC
BELDEN 83803 MARINCO 5266BL/K+B 43R01
スピーカー
BELDEN 83803/MARINCO 8215T/320IEC
BELDEN 1694A/NEUTRIK NF2C-B/2
PCI:玄人志向 NO-PCI+
箱 :abee smart SC330T-S
オーディオインターフェース
RME HDSPe AIO
スタジオモニター
ADAM A7
ELACでJETツィーターを開発したクラウス・ハインツが興したADAM AUDIO GmbH.
わずか5年余りにしてプロオーディオ界を席巻する勢いで拡大し続けている。
A7はエントリー初のモデルで、2006年ごろに発売された。
今夏新型発売につきすでにディスコンである。
サイドプレスではスピーカー間に音像を結像し、スピーカー後方に音場を形成する。
「唯一印象的だったのは、U=AUDIOではブックシェルフとして奨められるのは
Joseph、SONICS、PMC、Adam Audio(輸入現在代理店なし)この4社しか無いそうです」と書き込まれている。
そして何も聞こえなくなったさんもA7の親玉である旧型S1AのパッシブモデルHM1を愛用されている。
趣向:CDに刻み込まれたレシピを忠実に、かつ安定して調理してくれることを望む。
試聴する限り及第点と思えるコンシューマーオーディオスピーカー
KEF XQ10(これが一番理想に近い)
FOSTEX
ELAC
B&W
ヘッドホンではe☆イヤホンで聴いたWindows7ノートPC+itunes+HP-A7+HD800 これが一番マシだった。
普段からスタジオモニターの音を鳴らしているのでそれが当たり前である。
どちらかといえば寒色系なのかもしれない。
関係ないかもしれないがデジタル一眼レフのレンズも寒色系といわれるSIGMAを選んだ。(30mm F1.4/70mm Macro)
2.経緯:サウンドアプローチからオーディオアプローチへ
高校時代、はじめてPCに本格的に触れると同時にCD-R Audioに出会いその魅力にはまり込んだ。
しかし、維持困難なオールドメディアやオールドドライブに手を出す中
再生装置はコンポのままで音楽を聴かず音を聞き、
焼くことに異様にこだわっていることに対して本末転倒と思いやめた。
音がころころ変るならCDという規格は欠陥品だとも当時高校生の私は考えた。
しばらくして、ProCableの存在を知り、いつかは手を出そうと考えていた。
そして去年、CD-R時代に教わったShima2372.comのケーブルを同サイトのヤフオクで入手したことで音への興味が再び沸く。
翌月か翌々月かにProCable大阪店を訪れ試聴してきた。
微妙な音、たいした出音ではない印象である。
1年ぶりに先月も訪れたが進化はほとんど見られなかった。
先輩が音楽をやっており、DTMでAKG K271Sを使用しており、AKGとオーディオインターフェースもすすめられたことで
ヘッドフォンとオーディオIOを買うことを決意する。
2010/05/26 20:10 AKG K601をヤフオクで落札、音暦の始まりである。
さらに数日後Shima2372.comとのやり取りでPHASE X24 FWをすすめられオーディオインターフェースも手に入れた。
すでに昔にディスコンの製品だったがヤフオクで新品で手に入れられた。
そのときの感動は今も残っている。
イヤホンER-4Bを調べていて1日でバイノーラル>ホロフォニクスなどの立体音響技術にもたどり着けた。
去年7月本格的にスピーカーの選定に入る。
ProCableに触発はされたが、あのサイトを信望はしておらず使用する機材に違和感を覚え、自分で調べ始めたのである。
はじめはBOSE 101MMGをヤフオクで、一ヵ月後にはスタジオモニターの存在を知った。
9月ごろから音と映像のプロの方とコンタクトをとり、アドバイスを受け続けお宅にもお邪魔した。
スタジオモニターの選定をしていたが、
YAMAHA MSP7FOSTEX NF-4Aなど国産メーカーに始まり、
ADAM A7、TANNOY PRECISION 8Dがよさそうだと結論を出した。
先にオーディオインターフェースをRMEのFF400にしようと検討していたが内蔵型のHDSPe AIOに予定変更し、働いてる店で購入した。
Win Vistaの電源管理の機能でPCIに供給する電力を省電力化する設定が有効だったため、
ブルーバック、当時は原因がわからずOSを十数回入れなおした。
一向に改善しないため代理店にも送るが正常動作とつき返される。
おかげで1ヶ月音とは疎遠になってしまった。
HDSPe AIOが復帰し、K601でPCの出音をモニタリングしながら追い込んでいく。
12月下旬には米国amazonでK702を入手し、更なる追い込みをかける。
自分にとっての基準となる音を最低限のシステム構築で完成させるのが目的である。
納得いく状態、つまりこれ以上は今はする気がない状態になりようやくスタジオモニター導入を検討し始める。
2月ごろ導入を予定していたが、Precision 8D、スタンドともに輸入待ちで結局3月上旬に一端の完成を見る。
理想を追求したスピーカーだが、自室にはオーバースペックであり、
予め下位機種を聴いてはいたが、やはり出音は何でもきれいに聞かせすぎる感がある。
今から一ヶ月前新機種発売につき特価であった ADAM A7を買ってしまった。
以前検討してたことがある上、三木楽器TOOLSで試聴もしていたのでGOサインが出てしまった。
このスピーカーはエージングがいらないのか!?と思わせるほどの出音で
特に高域の出音はすばらしいが、Precision 8Dの量感ある低域や空間表現を聞くと物足りなかった。
この段階で、自分の基準のシステムは完成したので、価格.com口コミでオーディオされてる方に疑問を投げかける口コミを立てる。
新参者である私に真摯的かつ厳しいお言葉を頂、目覚めよと呼ぶ声が聞こえるさんやKURO初心者さんとも実際にお会いすることができた。
店頭の視聴室ではなく本当のオーディオというものに触れ、
今までの自分の程度に気づき、自分が見失っていたものを思い出させていただき、
さらにはオーディオアプローチに目覚めることができた。
Kuro初心者さんのオーディオ愛あふれるシステムの出音に触れ、
めざめよさんにサイドプレスでなければスピーカーの本来の性能は発揮できないといわれ
ほんの一週間前、こちらのサイドプレススタンドを検討するようになった。
HS/RBの無料貸出申込が私の最初のオーディオアプローチである。
3.サイドプレス ファーストインプレッション
経緯が長くなってしまったが、とりあえずメジャーと目測でセッティングを行った状態での感想を述べる。
セッティングだが、まずは部品点数の確認をし、説明書を見ながらセッティングを行った。
慣らしで音だししながらやっていたが、明らかにスタンドに置いたほうの音が変る。
どうしても初回は細かいセッティングがいるので時間がかかった。
スパイクのままだとフローリングに突き刺さったので黒檀キューベースを使用。
自重受けは樹脂自在受を使用。
側面押し座はほぼスピーカーの真ん中の高さにあわせる。
側面押し座の硬質ゴムがはみ出さないぎりぎりまで後ろにあわせる。
自在受の高さは3.1〜3.2mm、中央支柱に対し平行を心がける。
水準器がないのでメジャーと目測である。
ADAM A7は低域に不満が残るスピーカーであった。
スタジオモニターヘッドホンであるAKG K702、3倍の体積があるPrecision 8Dを聴いてしまうとローエンドの伸びや量感の面で
どうしてもなにか物足りなかった。
めざめよさんのアドバイスで内振りを止め正面をむけてスピーカーとリスニングポイントの距離を置くことで改善されたが、
それでも手持ちのスタンドをおいてる状態で聴いているとスピーカーより下に音がない空虚な領域が存在していた。
今回、サイドプレスを使用した印象は下記のとおりである。
このスタンドが与えてくれるのは聞こえのいい出音ではなく天井知らずのぬける音、開放されたスピーカーの音である。
目新しさや奇抜さや華美な音はなく、そこにただあるのはうそ偽りのない真実の音、ありのままに鳴っているスピーカーである。
さらには、このスタンドはスタンドの存在をなくすだけでなくスピーカーの存在すら消し去ってしまい、
スピーカーの向こうから聞こえる、奥行きのある音空間をかもし出してくれる。
音像型であったADAM A7が出音の質はそのままに音場型に変化する。
等身大の音の定位が現れ、目前で演奏されているような感覚を受ける。
自然を作り出すことのできないはずの人間が自然を作り出した。
自然の中に生きるわれわれは自然こそが当たり前でなにも驚くようなものではない。
自然を模したリアリティではなく、リアルに近づけば近づくほど違和感はなくなる。
このスタンドはその自然を意図も簡単に出現させ、なんら違和感のない音空間を作り出すのである。
簡単なようでありこれほどむつかしいことはない。
われわれは自然を作り出すことはできないからだ。
CDに刻まれたレシピをどこでも忠実に再現することを理想としていたが、もはやこのスタンドなくして語ることはできなくなってしまった。
CD再生機とはいかにCD本来の音を出し切れていないか、と常々思っていたが、
今度は自分がスピーカーの性能を出し切れていなかったのである。
以前からスタジオモニターに対して感じていた「聴いてみなければわからないその音はしかし聴くと見えるようになる」
という印象をこのスタンドがすでに体現していた。
一聴しただけではわからないこのスタンドのすごさ。
かめばかむほど味が出る、聴けば聞くほど音が見えるようになる。
すでにKURO初心者氏のシステムで音場と音の距離感を明確に感じさせていただいていたのでハッとさせられるものではなかったが
聞かせていただいていたのはオーディオ暦が長く、試行錯誤された上でたどりつかれた音空間である。
このスタンドのおかげで何にもなしの状態から一気に4割近くに近づけたのではないかと思う。
オーディオで求められた目前での演奏。
「むつかしい」当たり前のことを意図も簡単にやってのけるサイドプレススタンド。
理にかなったスタンドだ。
ルームアコースティックを考えるのは「スピーカーから放たれた振動は制御できないから。」
スピーカーを中心に考えるべきことなのだが、壁面や床面、天井などスピーカーから距離のある
「面」に対してしか考えないことが多いだろう。
スピーカーを極力壁から離して床からも遠ざけるためにスタンドを・・・。
では、スタンド自身はどうなのか??
灯台下暗し。
ほとんどのスタンドがベース〜支柱〜天板という構造だ。
しかも構造体や重量などの設計で味付けをしてしまっている。
しかしこのスタンドはいかがだろうか??
没個性どころではないスタンドだ。
見事に物事の本質を突いていると思う。
スタンドが消えてしまうどころか一緒にスピーカーをも消し去ってしまう威力。
このスタンドにかかれば音はスピーカーからは出ておらずもはや、ただのオブジェだ。
目の前にはリアルな音場が広がる。
ここまでスピーカーの性能を解き放てるのはサイドプレスくらいだろう。
志賀さんが作れて、他のスタンドメーカーは何をしていたのか。
脚色改悪しかできないオカルト的な高価なゴミくずではなく今までにない実用性に満ちたスタンド。
決してプラシーボ効果などではなく設置して一聴すればわかるサイドプレスの威力。
聴けば聴くほどさらにこのスタンドのすごさがにじみ出てくる。
無料貸出のおかげで気づくことができたこのスタンドの本当のすばらしさ。
何物にも変えがたいこのスタンドの没個性はお金では買えない価値がある、プライスレス。
至高のスタンド、サイドプレス。
・・・自室の広さがもの足りないことが悔やまれる。
出音の印象はそのままに、圧迫感は消えうせ、不満のあった低域の量感も
K702や前のスタンドに乗せた状態のPrecision 8Dと比べてもかなり張り合える量感になったと思える。
出てくる音は、K702で聴いていた印象(出音のバランス)に近くピークディップとは無縁の出音である。
目新しさはそこになく、やっとA7の本性が姿を現したか、という印象である。
クオリティでいえばK702を凌駕したともいえる。
さらには音空間としてスピーカー間に更なる明確な定位、音場が形成され濁りのない音で部屋が満たされるのである。
ただし、欲を言えばこのスピーカーの宿命か、
バスレフに頼る度合いから来る低域の遅れと絶対的なローエンドの伸びはまだ残っていると感じる。
K702では低域が着地する瞬間が見えるが、ADAM A7では床の着地はまだ遠く、腰高な印象を受ける。
スタンドにそのものに関する不満はなく、これ以上のものはないと思う。
強いて言えば、PCデスクチェアーに座るとスピーカーが低いと思う、その程度だろうか??
小型軽量、剛性もあるだろうし、耐震性もある。
セッティングも煮詰めてしまえば再設置は粗方楽なほうだと思う。
音質の確保と適度なポータビリティとフレキシビリティの両立がなされ、
どんなスピーカーにもぴったりの逸品であると感じる。
特にスタジオモニターには絶対にオススメしたい。
スタジオモニターとの相性は抜群ではないだろうか??
根拠の無いものに手を出すな。
音規準システムを構築する上で、オーディオアクセサリーのようなオカルト的なものは一切無視し
自分が得た信頼性のある情報と実際の試聴に赴き自分の耳で聴いて採用し、煮詰めてきた。
このスタンドは今までのサウンドアプローチに相当する位の出音をいとも簡単に出してきた。
一番初めのオーディオアプローチ、音楽を聴かず音を聴いていたサウンドアプローチからの脱却
としてはこれ以上のものはないだろう。
「機材の本来の性能を出し切る」「音空間を形作る」「まるで目の前で演奏されているようなリアリティ」
というオーディオアプローチのすべてがこのスタンドには含まれているような気がする。
FAPS 志賀さんが何の迷いもなく確信を持って断言して書かれていたサイトのページの数々。
その絶対の自信の源がいかようなものであったのか今回の無料貸出で理解することができた。
このスタンドをとりあえずセッティングし、ずっと聞き入っていた。
母にも聞かせ、父にも聞かせ、姉にも聞かせ、重ね好印象であったようである。
特に母は、大そう気に入ったようで、これなら買う価値ある、きっと結構売れてるだろうというのである。
姉はいい音としかいわない。
音に興味のない人には「違和感」が見つからないということだろう。
サイドプレス、はじめはProCableのスタンドに似ているとなんとなく感じるくらいで、
めざめよさんにいわれるまでスタンドの存在を知るつつも全く検討もしていなかった自分だったが、
今では金があるのに、このスタンドを買わないなどという意味がわからない。
届いて1日目だが、購入は決定した。
あとは貸出期間めいいっぱいでどこまでスタンドの性能を引き出せるかセッティングを煮詰める必要がありそうだ。
このスタンドの貸出を決意させて下さった目覚めよと呼ぶ声さん、
そして丁寧な対応で本スタンドを貸し出していただいたFAPS志賀さんにさんにこの場を借りて、本当に感謝いたします。
FAPS志賀感想
詳細な試聴レポートをご提供くださり、ありがとうございました。
読んでいて気恥ずかしくなるような部分もありますが、サイドプレスの本質を捉えてくださり嬉しく思っています。
サイドプレスは通常のスピーカースタンドに対する概念がまったく通用しない、ある意味で特殊なスタンドです。
・高剛性で軽量、小面積&小体積の構造
・スピーカーを確実に保持し、スピーカーの振動をスタンド自体の振動で吸収発散するという構造
・ハイブリッド構造と適切な材質選定
こういうものが総合的に作用して、スタンド自体は何もしないという結果を得ることができました。
普通にセッティングするだけで、スピーカーの存在をまったく感じさせない驚異的な音場が得られます。
スタンドによって汚されないスピーカー単体の発する自然な音を聞くことができます。
スタンドが音を発しないと言う効果は、非常に大きいのです。
スピーカー単体の性格を明確に表現するだけでなく、上流側機材やセッティングの影響を素直に表現してしまいます。
機材やセッティングの実力が裸にされてしまいますのでオーディオを追及する方にとっては、ある意味で恐ろしいスタンドとも言えます。
簡単に豊かな音楽を楽しめる性格、追い込めばそれを素直に反映する性格。
その辺の部分を上手に使い分けていただ音楽を楽しんでもらえれば良いのではないかと思っています。
別途導入後の感想も頂けるとのことなので、そこで改めて私の考えもご紹介しようと思っています。
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