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 都内にお住まいのN様   使用スピーカー : ELAC 310IB 導入スタンド Side-Press Mini Pro (Pro85)

都内にお住まいのN様からミニスタンドProの試聴レポートを頂きましたので、ご紹介させていただきます。

N様は弊社のスタンドのデザインに不安をお持ちであり、音質のみではなく、見た目の整合性等も含めた総合的な試聴をご希望されました。
試聴開始直後に笑いが出てしまいました! とリアルタイムでご報告頂きましたが、
その後一週間にわたり、実に詳細な試聴を行ってくださり、大きなご満足と共にスタンドを導入くださいました。

N様は弊社ホームページのお客様レポートを熟読くださり、その内容が非常に参考になったとのことでした。
ご自分の試聴レポートも皆様のお役に立てれば嬉しいとのことで、非常に内容の濃い素晴らしいレポートになっています。
試聴機の貸出し時に頂いた試聴の目的と懸念事項等の内容も含め、ご紹介させていただきます。

ご参考  (販売店の商品説明より抜粋) 

クリスタル振動板擁するAS-XRドライバーの表面は従来のシルバー処理からブラックの陽極処理(anodized)に変更され、音質を決定付けるネットワークには、FS247SE同様ハイパワー・エアーコイルが採用されています。
もちろんパーツにはMOX Resistor、PP-Aコンデンサといった高品位パーツが惜しげもなく使われ、
内部配線には英国Chord社のRumor2を採用。310CEの特徴である、バッフル面を持たない堅牢なアルミ押し出しキャビネットによる定位感の良さ、空間の広さ、JET3がもつ繊細な表現力はそのままに音質を極限まで高める事に成功しています。

310 INDIES BLACK仕様
ウーハー:115mm AS-XR ブラックの陽極処理クリスタルライン 
トィータ:JET III  クロスオーバー周波数:3.000Hz   
入力:定格70W/最大90W

周波数特性:42〜50,000Hz  能率:86.0dB(2.83V/1m)  インピーダンス:4Ω  
サイズ:(W)123x(H)208x(D)270/282mm (グリル装着時) 重量:6.5kg

備考:バイワイヤリング・ターミナル   仕上げ:ハイグロスブラック

 ●試聴スタンド貸出し依頼時に頂いた情報とご希望 (原文通り)
【使用するスピーカー】 ELAC 310 Indies Black 
【スピーカーのサイズ・形状】 H208×W123×D282mm 
【使用中のスタンド】 インシュレータ(ウッドブロック)のみ 
【試聴環境等】 
部屋:和室7畳+洋室6畳の縦長ワンルーム
機材配置:左右に各々300mm程度余りのあるTVボード上にSP-TV-SPという配置で設置。
      左右背後に空間あり。視聴距離は2m程度。

部屋の形とサイズの関係もあり、上記のようにTVボード上にTVとブックシェルフSPを配置しています。
オーディオ観点ではラックの上に配置したり、間に物を置くというのは望ましくないことは承知していますが、
見た目や生活、各種機器の置き場所を考えると、この配置が最大公約かと思っています。
なお、現時点ではその「望ましくない」ことの音への悪影響は殆ど感じておりません。(知らぬが仏かもしれませんが・・・)

試聴では、音がどう変わるかは勿論ですが、
形状が特異なSide-Pressを生活に持ち込むことの印象・使い勝手を特に確認したいと思っています。
正直に申し上げるとSide-Pressは見た目では「No」なのですが、
それでもその気になる点を圧倒するメリットを見出せたら、と思っています。

また、ELAC 310は形状が独特な(縦横が小さく、奥に長い)ため、そもそもSide-Press miniが適合するかも心配な点です。
ラック上への配置という点でも、寸法だけで言えば内振りするにはギリギリですので、適合するかという点も確認したいと思っています。
(黒塗り金属という点では、見た目の相性が良いかもしれません)

最後にですが、FAPSさんの理論は筋が通っており、(音の傾向の好き嫌いはともかく)音が変わることが容易に想像でき、
安心してレビューやアドバイスを読むことができます。
それこそが今回試聴機材を申し込む理由であり、興味を持った理由になっています。
 ●貸出しご依頼を受けた時のFAPS感想

ここまで詳細な情報と御懸念内容をご連絡頂けると、貸出し側としても意気込みが違ってまいります。
デザインに不満を感じるとのことについても、それが試聴で変化するのかも大変に興味を持つところでございます。
詳細な情報があれば、添付する部品の選択が非常にし易くなると共にご希望の音が出せそうなスタンドのご提案も可能となります。

今回は、標準の貸出し品ではなく、ミニスタンドのProモデルをご提案し、押し座も非標準のProタイプ85を添付いたしました。
試聴用のミニスタンドがすべて出払っている状況でもあったため、すべて新品のスタンドを試聴用に貸出しさせていただきました。

●N様から頂いたミニスタンドProタイプのご試聴・ご導入レポート
試聴終了後に頂いたN様のご感想です。 文章、写真等すべて原文通りにご紹介させていただきます。

前置き

最近フロントスピーカーをELAC 310IBに入れ替えました。
入れ替え前から足回りをどうするか情報収集していて、真っ先に興味を持ったのがSide-Press miniです。
試聴機がレンタル可能、ということで、しばらく音を鳴らしてからレンタルを依頼しました。

ELAC 310IB(以下、310)は一般に「純正スタンドで使用しないと力を発揮しない」スピーカーと言われてます。
私は310の純正スタンドの音を我が家で聴いたことがないため、
残念ながら純正スタンドとの比較レビューにはなりませんが、誰かの参考になれば幸いです。


Side-Press mini導入前の私のオーディオ環境は以下のような組み合わせです。
 ・SP: ELAC 310 Indies Black
 ・AMP: SONY TA-DA7000ES
 ・CDP: DENON DCD-755SE
 ・足場: IKEAのTVボード (W1800mm/D:500mm/H:500mm)
     + 山本音響工芸 キューブベースアサダ桜材 QB-2
 ・SPケーブル: BELDEN 8470 

なお、視聴距離は2m弱と短めです。

Side-Press mini導入前の状態

足回りのキューブは元々他のスピーカーで使っていた余り物ですので、見た目がひどいですね(笑)

私の環境ではTVボード後方にベッドを置いているため、後方が十分に空間のある配置となっています。
 
310は「立体的な音場」と「サイズの割に豊かな低音」が評判良い製品ですが、
我が家ではこういう状況にありました。
 ・中〜高音はさすがの音質。
 ・TVボードの幅程度の音の広がりを感じる。
 ・低音が強い曲を聴くと、低音の発生源をSP以外から感じ取れる。若干TVボードに振動あり。
  ・SPの高さの影響が大きいと思われるが、耳の位置よりやや下から音が聞こえる印象がある。
 
少なくとも足回りをまともにしないと良くないな、と分かる音です。
 
 試聴に用いた音源

私はロック好きで、クラシックやジャズ中心のオーディオ雑誌の評価やネットの評判が
参考になるようでならなかったりします。
今回はせっかくの自宅環境ですので、好きな音楽をとことん掛けてみようと思い、
以下のような選曲をしました。

・川井憲次 : Voyage To AVALON / Log In
・椎名林檎 : カリソメ乙女 (DEATH JAZZ Ver.)
・宇多田ヒカル : BLUE
・amazarashi : 空っぽの空に潰される / アノミー
・re:plus : Never Looking Back / Imagine
・serph : feather / mint・the HIATUS : Shimmer / Insomnia
・Capsule : Jumper / Never Let Me Go
・Linkin Park : Given Up / Bleed It Out
・BOOM BOOM SATELLITES : Rise and Fall
・DIR EN GREY : 慟哭と去りぬ
・Slipknot : Disasterpieces
・IN FLAMES : Jester's Door〜NEW DAWN
・Dimension Zero : Deny
・JUNO REACTOR VS. DON DAVIS : BURLY BRAWL

分かる人は分かると思うのですが、かなり激しい曲を多めに入れています。
特に「Deny」「Disasterpieces」あたりは非常にタイトな低音が求められるため、
イヤフォン/ヘッドフォン以外ではなかなか満足する音が聴けません。

Side-Press miniスタンドなしの試聴結果

個々の曲の感想は省略してしまいますが、
現在の組み合わせでは、中低音がしっかり出て全体に低重心となっている印象です。
音色によっては低音がやや出すぎ・余韻が残りすぎているという感があるほど、力強い傾向になっています。
宇多田ヒカルや椎名林檎のように主旋律を女性ヴォーカルが担当している曲では、
厚みがあって良い音に思えますが、低音を誇張気味にも感じます。

なお、男性ヴォーカルがメインの曲はその傾向がもっと顕著です。
the HIATUSやDIR EN GREYのように、か細く繊細に歌うパートがある曲では、そのか細い声でも芯が強く感じられます。
それが好きな人もいると思いますが、儚さや繊細さといった静の表現には不向きな音の傾向に思われます。

速度感については、ハイスピードと言うより落ち着いた音に感じられ、暗い印象を受けることもありました。
アップテンポな曲ではノリが悪くなってしまいます。
私は高音域がクリアで伸びやかな音(刺激的な音も含む)が好きなので、その点では物足りません。

以上、普段はさほど気にならないことにもあえて辛めに評価した感想でした。

設置〜第一印象

設置は思ったより簡単に進みました。
特に310の場合は平面で構成されているので、苦労することなく設置することができました。
私は水準器を用意しておきましたが、確かにこれはあった方が安心ですね。
縦横が小さくて奥行きが長いという珍しい形状の310ですが、乗せてみるとサイズはピッタリです。
組み立てているときに思ったのですが、写真で見た印象よりずっと高精度・高剛性に感じますね。

何事もまずは見た目から、ということで幾つか写真を…

うわ、兵器だなこれは。って思うような外観です。

音を出すために生まれた形としか思えない、ある種の機能美を覚えます。

これで良い音しなかったら嘘ですよね。

見た目が見た目なので、少しでも音に不満があれば
 「音の変化より見た目の変化が大きかったです(笑)」
って理由を付けて返却してしまおう、なんて、斜に構えて辛口評価の心構えをしてました。

まずは志賀さんに第一報を、と、メールを書き始めながら
ケーブル結線の確認のためにCDPに入ったままの「BURLY BRAWL」を掛けました。試験だから、と、少し音を絞って・・・

・・・曲が流れ出してすぐに、危うく吹き出しそうになりました。
包み込まれるような音、というより横から聴こえてくるような音場を感じました。
AVアンプのDSPを間違えて入れてしまったのかと思った程です。

音量を絞っているのですが、スタンドなしの頃より解像度は明らかに増しています。
激しくてタイトなビートと広大な音場のオーケストラが両立する、
「VS.」が相応しい、殴り合いのような音の展開になっていました。

FAPSさんのページで何度も見た使い古しの表現ですが、
低音の抜けが良くなり、音場が広がり、音像がタイトになっています。まさに、その表現通りです。

Side-Press miniスタンドありの試聴結果

一言で言えば、スタンドなしで聴いた時の不満点が全てなくなりました。
FAPSさんのWebページのレビューを読んでいるとついついプラシーボが働きそうですが、
それを意識的に抑えて辛口評価しようと意気込んでいても、その想像の上を行く音体験をしてしまいました。

低音がタイトになったことで中〜高音部の付帯音が削がれ、澄み切った音が出ています。
先に述べた儚さ・繊細な表現が苦手、という環境特有の欠点はもう感じられません。
音量を上げていっても耳障りにはならず、「Deny」や「Never Let Me Go」のような
ヘヴィでタイトでハイスピードの曲を難なく鳴らし切っています。

「音の好みは人それぞれ」ということを前提にすれば
"低音が整理されすぎていて迫力がない"という印象を受ける人もいるかもしれません。
ただ、100人に質問して95人はスタンドありの音の方が良いと答えるだろう、と思うほど
あらゆるジャンルで音が洗練され、素晴らしい音を聴くことができました。

普段使用しているイヤフォンやヘッドフォンを超えるタイトな音を、初めてスピーカーで耳にしています。

比較試聴総括

オーディオ機器には「どこか足せばどこか引かれる」というプラスマイナスのイメージをついつい考えてしまいます。
機器が変わればその色が足されて、ジャンルの得手不得手が生まれるようなイメージです。
しかし、志賀さんにもメールでコメントを頂いていた通り、
このスタンドは何もしない、このスタンドは無色だな、と思いました。
飲み物や食べ物を作るときに、水道水の代わりにミネラルウォーターを使ったような感覚に近いかもしれません。

310の特徴とされている高解像度と立体的な音場について、
私のこの部屋の、オーディオにとって酷でプアな環境で存分に感じ取ることができています。
これが純正スタンド比較してどうなのかは私には知る術がありませんが、
私はスタンドはもうこれで十分、これ以上は必要としないくらい満足しています。

ただ、このスタンドは全ての面でプラスなわけではありません。
ちゃんとマイナス面が幾つかありますね。

まず、この見た目・・・
もうあえて言う必要もないと思いますが、奇抜な外観は好き嫌いあるでしょう。
しかも、音を知ってしまったら外す気がなくなってしまうあたり、タチが悪いです(笑)

とはいえ、310と合わせたこの金属質な外観は、無骨なクラシックカメラのようで"あり"に思えます。

元々は見た目を気にして躊躇していたんですけどね・・・
今は満足です。

もうひとつのマイナス面は、音に関して他の部分を改善したくなってしまうことです。
つまり、オーディオに追加投資したくなってしまうという、経済的なマイナスです(笑)

このスタンドにしてから、今まで「部屋の限界」と思って諦めていた部分が易々と向上可能になってしまいました。
これまではBELDENのスピーカーケーブルで低音がぼわつくのがイヤで、
CANAREをメインに使っていたのですが、このスタンドはそのBELDENのケーブルの低音を余裕で処理できています。
つまり、"低音を控えよう、控えよう"としてきたこれまでの音の傾向の制約が、簡単に解決されてしまいました。

このスタンドは、素性の良い音をスピーカーへ入力すれば100%の力でアウトプットできる、
という、オーディオ好きにとって麻薬のような効果を生み出しています。
今はケーブルを換えてみようか、CDPやアンプを換えようか、
それともSide-Pressの足伸ばそうか、と、気になることだらけです。

とにかく、今は音を聴くことが楽しい状態です。
ケーブルを替えるとそのケーブルの特性が聴こえ、DSPを使えば破綻なくホールなどの音場が出力され、
古いロックも、新しいテクノも、ジャズも、オーケストラも、全て楽しく聴くことができています。
日々色んなCDを取っ替え引っ替え聴いて、新たな発見をしては感動しています。

こんな体験は、気軽に試聴機レンタルを申し込めたからだと思っています。
310の細い横幅に合わせて押し座を交換して頂いて、その上で素早いご対応の数々。
志賀さん、感謝しています。

余談ですが、Side-Press miniを使用し始めてから映画を2本ほど見たのですが、
音場が広がった結果なのか、リアスピーカーとの繋がりが非常に良くなっていて驚きました。

以上です。

(その後、下記のような追加のご感想も頂いております。  FAPS追記)

Mini-Pro写真を同僚に見せると、「いいね」との声が意外と多いです。
+メタリック+コンパクトは、(女性はともかく)男性に良い印象みたいですね。

 ●FAPS志賀の感想 (メール抜粋 その他) 

Mini-pro、音もデザインも何とか及第点を頂いたようですね。
安心いたしました。
デザインで戻されるか音の魅力で留まれるか・・・
といった要素もあったので、少々気をもんでおりました。

まさに「あばたも笑窪」ではないでしょうか。
あの姿がなければ、笑いのこぼれる音も出てこないと思っていただければ
無骨な姿も好みに見えてくると思います。
サイドプレスのお客様の大半はそんな印象ではないでしょうか。
ピュアサウンドを目指しているのですから「何よりも音!」で行きましょう!

●上のようなご返事を差し上げましたが、
 頂いた素晴らしい感想文を読み、涙が出るほど嬉しくなってしまいました。

 「何だ、この変なデザインは!」 そう思われたお客様がいかに多いことか・・・ この私が一番知っております。
 そう思われていたお客様が、出てくる音によりデザインへの共感も感じてくれるようになっている。
 良い音を出す為に妥協のないデザインと無骨なまでのがっちりした作り、
 これしか出来なかったのです。こうするしかなかったのです。
 それをご体感くださり、認めていただいたことは、ものつくりにとっても本当に嬉しいことなのでした。

ご指摘頂いたマイナス面・・・・ これは笑って認めるしかないですね。
 上流側の機材の変化に対して、非常に鋭敏に反応するようになります。
 くれぐれも変化を楽しみになさらないように!! 本当に沼に沈み込んでしまいます。

 その他のマイナス面’(例)
 ・寝不足 ・・・ あまりに良い音になったので、寝るのも忘れて音楽に浸り過ぎてしまう。 
  ほどほどにお願い申し上げます。

 ・スピーカーを飛ばしてしまった・・・
  サイドプレスに乗せると音が素直になるため、従来よりも大きな音で音楽を鑑賞できるようになります。
  ついつい音量を上げて、上げ過ぎて・・・ボイスコイルを焼いてしまった。
  古い時代のスピーカーで数例発生しております。
  耐入力の少ないスピーカーをお使いの方は、是非ご留意ください。


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