FAPS    Side-Press Mini スピーカースタンド お客様レポート            

                     都内にお住まいのN様  (ロジャース LS3/5a )  

今回のレポートは、都内にお住まいのN様から頂戴しました。

N様は、ロジャースの名スピーカーLS3/5aを20年近くお使いになっていました。
しかし、デジタル時代に入った今、音楽ソースが秘めているレンジの広さはLS3/5Aでは、さすがに再現し得ない・・・

そう確信し、「もう、新しいスピーカーに買い替えよう」と思われた時に、FAPSのサイトと出会ったとのことでした。
見たページは、「LS3/5Aの宙づりセッティング」。
初めは、酔狂な人の趣味的領域のものとしか感じられず、半信半疑の状態でミニスタンドを導入されました。

その結果は?!  
以下、いただいたレポートをそのまま公開させていただきますので、お読みになってください。


御社サイドプレスminiにLS3/5Aを設置して、ようやく感想らしきことを申し上げられる初期段階にきた気がしますので、ご報告致します。

まず、私の設置状況から  (写真を添付しました。荒い画像で申し訳ありません)

FAPS スピーカースタンド

@6畳ほどのフローリングの個室です。

A後ろ壁面からの距離は70〜80センチ。

Bスピーカー間の距離は80〜90センチ。

B両サイドの壁面までの距離・・・書棚などから10〜20センチほどしか離せません。

Cスペース的には、御社の主力商品である「miniでないタイプ」も置くことはできそうです。

しかし、写真の左端は内開きの扉で、我が家の4歳児がいつ飛び出してくるか分からない出入口。
これ以上、スピーカーのためにスペースを割くのが難しい現状です。

D志賀様が「なんだこりゃ?」と思われるのは、おそらくスタンドの「台」でしょう。

 これは「丸太」です。その上に、WAKATSUKIの木製スタンドの、床面用の台座を置いています(ブチルゴムの両面テープで貼っています)

FAPS スピーカースタンド

 実は、御社スタンド導入前は、このWKATSUKI木製スタンドに、やはり木製のインシュレーターを置いてスピーカーを設置していました。

 しかしWAKATSUKIが小さすぎて、そのままでは御社スタンドを設置できません。
 そこで苦肉の策として「丸太&床面台座」という組み合わせとなりました。

E台上の設置は、写真でご覧頂ける通りです。

 同梱して頂いた「延長ボルト」「球状受け座」「黒檀ベース」を使用。
 やや上向き、やや内ぶりにセッティングしました。

Fアンプは、スピーカー同様年代物で、パワーアンプ=QUAD606A、プリアンプ=マランツSC23。

FAPS スピーカースタンド

 ソースは、オンキョーのオーディオPC、HDC1.0。
 これは録音メディアとしての優位性を重視して、最近導入しました。

 私はオーディオマニアではないので、「家庭で音楽を聴く道具」としては、これ以上を望む気持ちは強くありません。

Gスピーカーケーブル&バナナプラグは、御社スタンド導入の直前にオヤイデ電気のものに交換しました。

Hスピーカーの近くにあった「金属製の棚」を排除しました。

 できるだけ、部屋の中で不協和音を出す要素を減らしたつもりではありますが、限界はあり、とりあえずの「現状」です。

現段階での感想を記します。

@御社スタンド導入前の「WAKATSUKI&インシュレータ」と比べて、違いは「圧倒的」「絶対的」です。

A「違い」の最大要素は、「音の広がり」。

 どうしてもスピーカー底面を「鬱屈する」ような音しか出なかったのに比べて、
 スピーカーの上部、両サイド、そして下部に、自然に音が広がります。

 視覚が「楕円に広がる」ように、聴覚が楕円に広がるような感じ。

BLS3/5Aについての感想で耳のタコができるぐらい聞くのが「低音が出ない」。

 自分も15年以上、悪戦苦闘しました。

 しかし、御社スタンドを使用して気づくのは「自分は低音というものを間違えて捕えていたかもしれない」ということです。

 最近流行の小型スピーカーの多くはバスレフ方式で、「穴から空気がズドーンズドーンと出る」ような低音が感じられます。

 しかし、3/5Aのような密閉型で「箱鳴り」を音作りに生かしているスピーカーの場合、
 低音も高音も自然と減衰するのであって、 「ズドーン」とこなくても、低域の広がりは得られるし、
 「自然に音楽を聴く」には、必ずしもマイナス要因ではないことを感じたのです。

Cジャズのドラムソロは、壁から音が飛び出してきます。

 こんな音の広がり、迫力、明快な音の分離を3/5Aから聴くのは初めてです。

Dオーケストラのトウッティは、部屋を揺るがします。こんな音が出たのも初めてです。


以下は、課題です。

@当然のことながら「丸太」は、音にいい影響だけを与えてはくれません。

 比較的ストレートに音をひびかせますが、音に雑味や濁りを混入してしまいます。
 いくらサイドプレスminiが自然に音を空間に放つにしても「丸太」がそれを濁らす要素になっているかと思います。

 設置が安定している(子供がひっくり返さない)ことと、木の質感が好きなので、
 「生活の実質性」と「デザイン性」を優先して、しばらくはこの状態になるかもしれません。

Aお送り頂いた「延長ボルト」で床面からの距離を離すと、確かに音質が向上します。

 3/5Aはちょっとしたことでコロコロ音が変わりますが、
 床面から離していくだけで音質が向上するのは初めて体験します。
 さらにボルト一個分、高くしてもいいかなと、導入を検討したいと思います。

B御社HP上に記載がありましたように、スーパーツイーターやサブウーハーの導入には興味があります。

 これまでは「低音に問題あり=サウブーハーの導入」と考えていましたが、
「スーパーツイーターで帯域を広げて、無理のない再生を」
 というふうに気持ちが変わってきました。これも、御社スタンドで、低音再生がぐっと向上したからだと思います。

ひとまず、こんな感じでしょうか。

どうしても、限られた狭い部屋でセッティングせざるを得ないので、「御社スタンドが理想とする状態」とは言い難く、
志賀様としては歯がゆい思いがするかもしれません。

何かアドバイス等ありましたら、お教え願えれば助かります。
長々と、失礼致しました。



FAPS志賀の感想

N様の最初の感想をお聞きし、感じたことをお伝えしました。以下、原文通りご紹介させていただきます。

===========================================================================

中身の濃いレポートありがとうございました。
よい音が出たとのこと、良かったですね。
LS3/5Aの新たな魅力を発見したことと思いますす。

写真と共に読ませていただきましたが、どのような音が出ているのかが十分に想像できました。

丸太は、試聴室の比較用スタンドとして常備しておりますし、
私自身がYAMAHAの1000M時代に長らくスタンドして愛用していましたので
音の傾向も良く把握しております。

下手な木製ラックを使うよりは、ずっと良いと思います。

試聴室の丸太は、赤松の直径30cmほどのものです。
丸太の一番の問題というか、困りものなのは、時間と共に(乾燥と割れの進捗とともに)
音がどんどん変化することだと思っています。

試聴室のものは使用後約10年で重さが60%程度に減り、ほぼ中心まで達する割れが1、2本入ってしまいました。
その変化とともに音が軽く響きわたるようになり、相反するように低域が薄くなってしまいました。

N様は、丸太にプチルゴムを介して天板を乗せているとのこと。
これですと相当に音のエッジが丸くなってしまっているように思います。

天板(底板)には、支柱取り付け用のボルト穴が開いていると思います。
プチルゴムテープを剥がし、丸太と天板を密着させ、何か当て板をしてボルトで締め付けて固定した方が更にメリハリが出て、
低音域の量感と切れの良さが増すと思います。

床面と丸太の間には、10円玉3ケで少し持ち上げ、床面と面接触しないようにした方が良いと思います。

セッティングも周囲に干渉物が少なくて良いと思います。

もし可能なら、もう少しスピーカーを前進させ、左側を内側に寄せて本棚の影響を減らした方が良いかもしれません。
この辺の移動は簡単にできるはずなので、一度試してください。
スピーカーの左右に張り出す音場に驚かれるかもしれません。

思いつくままに書いてみましたが、参考になれば幸いです。


N様から頂いた2回目の感想です。

志賀様

さっそくのアドバイス、ありがとうございます。 
志賀様がすでに丸太をご利用されていたことが驚きでした。

素人的な「デタラメなカン」(もちろん聴感上もデタラメなら試みもしませんが)でやったことで、
プロから見たら眉をひそめることのように思いましたので。

我が家の丸太も、おそらく赤松です。「おそらく」というのは、ホームセンターで「椅子」として売られていたので素材が明らかでないのです。

すでに充分な乾燥をしているようで、それぞれ1箇所ずつ、大きな割れが生じています。
そのまま聴いていると「割れ」で「鳴き」が生じているような気がしてならないので、ウールの布を隙間に突っ込んであります。
意味不明な「鳴き」はこれで消える気がしています。

志賀様からのメールを確認してすぐに、ご指摘の箇所を調整してみました。

@丸太と天板の間のブチルゴムは撤去し、じかに接する状態でネジ留めしました。

A丸太と床面の間に10円玉を挟みましたが、設置場所を変えるたびに10円玉が動きやすいので、我が家にあった、10円玉と同じ「銅」を主体とした丸いインシュレーターを敷きました。

Bスピーカー位置は、調整してわずかに前に出し、左の内ぶりを強めました。

基本的には、ご指摘頂いた「意図」にそぐう調整をしたつもりです。

結果・・・

驚きです。

@音像がシャープになり、楽器ごとの分離が明確になりました。

A「丸太の弊害」と思っていた音の濁りが弱まり、ベースやバスドラなど、楽器の低域にメリハリが出ました。

B管楽器の高域が「悲鳴」だったのに、管楽器らしい金属の響きが感じられるようになりました。

Cそれらの結果、ボリュウムをさらに上げられるようになりました。
 御社スタンドを設置してすぐに、それ以前よりボリュウムを上げていたのですが、さらにプリアンプの抵抗に頼らない音を出せるようになりました。

Dこれは子供じみた感慨ですが、ずっと「ボリュウムを上げる=うるさい」という図式は、単純に音が大きくなるから、と思いこんでいました。
 しかし段々「うるさい」のは、スピーカーの設置や部屋の環境などからくる共鳴が不協和音を生じて「不愉快な音」を発しているからだと気づきまし
 た。御社スタンドを使って、その思いがさらに強まりました。スピーカーは、決して「うるさい音」など出さないのだと。

E女性ボーカルのサ行やブレスノイズが強いように感じていたのですが、声の艶やかさや伸びが出て、サ行だけが際立つことがなくなりました。
 具体的には、大貫妙子さんの歌で、彼女の澄み通った声が、ややハスキーな鼻づまりのような印象を与えかけていたのに、声の強さやプロらしい
 声量が感じられるようになりました。

F前回の感想でも書いたドラムソロは、さらに凄まじくなりました。
 本当にスゴイ。

 もともと箱庭的に(LS3/5Aを語る定番的な語り口)目の前でドラムスが展開することはありましたが、
 もはや、スピーカーが、とか、音域が、とかいうレベルの話ではありません。ウチにドラムセットはないハズなのに、
 壁や、空間から、音が飛び出してきます。しびれます。

今後、たとえほかのスピーカーを買うことがあるとしても、少なくとも小型〜中型であれば、御社スタンド以外の選択をすることは考えにくいと思います。
御社スタンドは「ベース」として、部屋や環境に応じてチューンしていくことになると思います。



LS3/5aとSide-Pressミニスタンドの相性は、抜群です。

既に多くのLS3/5aユーザー様がSide-Pressスタンドやミニスタンドを導入されています。
その多くの方々は、N様と同じように、LS3/5aの能力に半分見切りをつけられていました。

最後の賭け! というような感じで当社のスタンドを導入された方が思いのほかに沢山いらっしゃいます。
そして、ほとんど全員が、LS3/5aの秘めた真の実力と新しい魅力を発見され、継続してお使いになられています。

FAPSのスタンドは、寿命をまっとうしたように思われる一昔、二昔前のスピーカーに新たな命を吹き込むこともテーマにしています。
従来のセッティングでは、決して出せなかった音を出させ、その本当の実力を発揮させることは、極めて大切なことと思っております。

そのような観点からも、今回のN様のレポートは、嬉しく感じました。
ありがとうございました。

         FAPS  志賀