名古屋にお住まいのM様 ( イノウエ・16cm・システム 特注仕様 T−TOPスピーカースタンド)
今回のレポートは、名古屋にお住まいのM様からいただきました。
お使いのスピーカーは、目にするのは初めてという方も多いと思う(私も初めてです)、イノウエ・スピーカーシステムというものです。
最初にM様が長年愛用なさっているイノウエ・スピーカーを核としたシステムの全体写真をご紹介させていただきます。
スタンドは、特注仕様で制作されたT−TOPスタンドです。
T−TOPスタンドの幅38cmですので写真からもブックシェルフタイプとしては、相当に大きなスピーカーということもお分かり頂けると思います。
こちらが販売元イノウエ・スピーカーシステムさんのサイトになります。http://homepage3.nifty.com/kisystem/
そこに書かれている内容を抜粋紹介させていただきます。
■井上スピーカーの特長
コーンの分割ひずみが少ないので音の濁りがなくなります。
シングルコーンなのでネットワーク、アッテネーターのクロスオーバー歪みがなくなり定位が安定します。
小入力及び大入力時でも低、中、高音のバランスがとれボーカル、楽器の分離が良くなります。
ピストン同期運動範囲が広いので重低音を再生します。
狭い部屋でも、反射による混変調歪みが少ない。
アンプ、ビデオデッキ、CDプレーヤー、カートリッジ、コード等の特長を引き出します。
CD,MD,レコード、及びテープの録音の良し悪しが良くわかります。
●特注T−TOPスタンド導入の経緯のご紹介
M様は、近隣にお住まいのT−TOPユーザ−様からこのスピーカーとT−TOPスタンドの組み合わせに関するヒントを得て
実際に試されてその再生音に驚愕されたようです。
今回は更なら可能性を求めて特注仕様のT−TOPスタンドを導入くださいました。
M様は、価格.comにおいては「目覚めよと呼ぶ声が聞える」さんとして活躍されております。
ご本人の了解を得て、当該の価格.comのクチコミ掲示板をご紹介させていただきます。是非ご覧になってください。
http://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=10941257/ 『大型SP & T-TOPに嵌るかも…』
特注のご希望内容は、自重受け座位置の変更、補助バーによる4点支持方式の採用でした。
位置変更の詳細等は、割愛させていただきます。
ご希望に加え、FAPSからは受け座と軸が一体型の特製自重受け座の導入をご提案させていただきました
今回のレポートもお問い合わせメールを含めた、M様とFAPS志賀のやりとりを主体に紹介させていただきます。
文章はメールからの抜粋であり、原文通りとなっております。
緑文字部分が、FAPS志賀の回答内容です。
●T−TOPスタンド導入レポート・・・初回インプレ スタンドを納入して間もなく、M様から最初の感想が届きました。
●さてプチインプレです。
75mmの押し座(FAPS製特殊押し座)では、ネジ位置を特注した効果と相まって、ノーマルt-topと比較して定位のニジミが格段に向上、
音量を上げても、音像が肥大することなく、音の滞空時間も長く、正に「ハイファイな音」 キモチ良いので、
アンプがクリップするまで音量が上がってしまい、ありゃ?とワレに帰ったりします。
特注の効果は圧倒的な定位感と静けさです。
一方で音色に乏しく、小〜中音量で、全域に黒檀色が乗ります、
ピアノの響きは素晴らしいけれど、弦音と声に艶・湿度感がありません。
音色はノーマルのT−TOPも同じなので、それを再確認した形になりました。
自作シュアフレックス座を使った場合(写真参照)は
自然界にある、木、皮、金属、肉、等々の風合いをそのまま音にしてきます。音のクセが全くありません。
「クセない」というのは実は「極彩色」の音になる、というのがわかります。力も必要にして十分あります。
狙いどりの音が簡単に音になって帰ってくるのがt-topの真骨頂と見ました。
シュアフレックス+t-topのコラボ、自賛「神の音」と命名しました。
志賀様も機会があればお試しください。
「神」がこのまま継続するか、2週間ほど、様子見します。
●FAPSの感想
感想ありがとうございました。特注の成果も出ているようで安心しました。
なるほど、そうなるのか・・・という感じで読ませてもらっています。
なにぶんにもINOUEのスピーカーを聞いた事がないので音に関しては感想が言いようがないといった所です。
今回の75mm押し座は、スピーカーの振動をなるべくそのまま下に伝えるに作用すると思いますので、
黒檀の音が強くなったというのは、そうかもという感じです。
Side-Pressスタンドは、自重受け座部分のチューンで相当に音色を変えられます。
それがT−TOPスタンドでも同じような効果があると言えそうですね。
チューンで自分のお好みのところに持って行き易いということは私も同感です。
スタンドのキャラクター主張が弱いことが功を奏していると思っています。
「神の音」とは、これまた凄いネーミング。
そこまで行ってしまったら次は???(笑)
1週間後のネーミングが気になるところです。
使い方は、特に問題ないように思います。
押し座の素材は、それぞれの好みで選んで良いと思っておりますが、
私は、基本的にスタンドと同系統の鉄素材でやることにしています。
ステンレスは嫌いなので(笑)基本的に使いませんが、
異種金属組み合わせは音の色調チューンの有効な手段とも考えております。
それ故に標準品は、あえて鉄素材で統一して変化を感じ易いようにしてるのです。
いずれにしても使い方は、お客様がお決めになるということで良いとも思っています。
●暫くしたある日、2回目のレポートを頂きました
●特注T-TOPの印象、中間報告です。
最初のインプレは撤回します。「神」は4時間くらいで、消えました。
■3点か4点か
T-TOPに関して言えば、倒れバーを使った4点支持は、使い物になりません。
圧倒的に3点が良いです。
■倒れ防止バーの弊害
3点支持のまま、これを取り付けただけで、付帯音が乗ります。
倒れても良いので、使わないが一番です。
■特注品の効用(3点支持で)
標準T-TOPのネジ位置、どう配置しても、受け座のゴムがSP底面からはみ出すので、特注としました。
特注と標準、同じ3点支持での音の差は
標準T-TOP …甲高く、ピラミッドバランスにならない
特注T-TOP …マイルドで芯があり、ピラミッドバランス
物凄い違いです。受け座の効用なのか、特注の効用なのか、わかりませんけど。
■受け座
T-TOP上78ミリで使っています。
78oとしたのは、上下ナットが締めれる最大長さだからですが、上下ナットは見た目の安定感があり、
音もどっしりとした感じ??がします(笑
■特注受け座+シュアフレックスの3点
特注受け座をアルミで製作したため、アルミ臭が気になって廃棄しました。
S45C、SKDなどの炭素鋼で再トライします、。
■ベースの調整
4点支持のガタをとる時、6角ナットでスパイクを回しながら、黒檀を回して、黒檀の回転トルクが4個ほぼ均等になるまで調整します。
非常に作業がやり易く、上手く出来ていると思います。
■まとめ
今のところ、75o受け座の3点支持、 78o で大満足しています。
T-TOPは完成された「逸品」です。参りました。
簡易4点支持で気になった音は、黒檀の音じゃなく、バーの音だと判明しました。
4点にするなら、「H - TOP」の特注が必須でしょう。
FAPS感想>INOUEのスピーカーを聞いた事がないので
>音に関しては感想が言いようがないといった所です。
16cm1発で、38cmと同等以上の低域再生が可能で
ホーンと同等の「音の飛び」が出るスピーカーです。
特注T-TOPを得て、過去30年で最高の音を出してます。ありがとうございました。
名古屋へ来られる機会があれば、是非ウチへお立ち寄りください。
●FAPS感想
2回目のレポート、ありがとうございました。
今回は私にも納得いくような感じです。
あの大きなアルミを介して受けたら、どんな響きになるのだろう・・・・
ボルトもステンレスのようだし・・・と気にしておりました。
補助バーを自重受け部材として使うのは、失格のようですね。
構造的に振動の伝達経路的に連続性を欠いてしまい、共振体を増やしてしまう恐れがあるのですが
スピーカー自重をかけたことにより、その傾向が大きくでたのでしょう。
こればっかりは、やってみないと分からないものなのでご了承ください。
今回の受け座・軸固定式の受け座は、標準のものより明らかに良くなります。
T−TOPだけではなく、Side-Pressでも同じ現象になります。
受け座取付け部分のガタの影響がなくなることの効果です。
T−TOPスタンドの自重受け用としては、お客様のご希望に合わせ対応する予定です。
Side-Press用としては使い勝手が良くない部分があるので標準で添付する予定はありません。
>特注T-TOPを得て、過去30年で最高の音を出してます。
良かったです。安心しました。ありがとうございます。
名古屋に行くことがあれば、是非お邪魔させていただこうと思います。
本ページの公開に先立ち、内容のご確認をお願いしたところ、M様のシステムは更なら変化を遂げていることがわかりました。
FAPS特製押し座の問題点と限界を超える為に自重受け座を改良したものを使われておりました。
写真も頂きましたので、追加掲載させていただきます。
M様の追加レポート
さて、T-TOPどんどん音が変わって来まして、全体に線が細く、綺麗系の音になってしまいました。
特に低域がいけません、「ボヨ〜ん」と鳴り、量も過多で、制御が出来ていません。
どうも犯人は受け座のゴムのようで、一旦「ゴムの音」が気になりだすと、もういけません。このまま使う気がしません。
シュアフレックス用受け座をリベンジして、鉄製に変えたモノの方が圧倒的に音の芯が出ています。
アルミ製受け座の時に気になった固有音も(今のところ)なく、導入直後の「神」が再現できてます。
このままの状態が保てれば良いのですが、しばし様子見です。
理屈は分かりませんが、私の耳はシュアフレックスが好きなようです。
「素材のねいろの鳴らし分け」 に注目すると、シュアフレックスに変わるインシュを知りません
FAPS感想
FAPSスタンドの押し座(受け座)は安定性と安全性を考慮して硬質ゴム製にし、可能な限りゴムの癖を少なく感じるようにしています。
分厚くタイトな鉄キャップでゴムの悪癖を相当に逃げています。
それを聞きわけてしまったM様の耳は相当なものと恐れ入りました。
ちなみにあの押し座の鉄キャップを外してゴムだけにすると、凄まじい音の劣化が起こります。
その音の傾向を感じたのかな・・・と想像しています。
押し座は、設置の馴染みや材質のエージングで時間と共に変化します。
時間をかけてご自分の好みの音を作り上げていくのもオーディオの一つの道と思います。
これから益々素晴らしい音に出会われることでしょう。ご期待しております。
FAPS 志賀