FAPS Side−Press スピーカースタンド お客様レポート
山形にお住まいのT様 ( ロジャース LS5/9 Side-Press トルネードスピーカースタンド フルセット)
今回のレポートは、山形県にお住まいのT様からいただきました。
T様がお使いのスピーカーは、このページ初登場のロジャースのLS5/9というスピーカーです。
お使いいただいたスタンドは、Side-Pressトルネードスタンドです。
このスピーカーに合うスタンドを探し求めておられ、当社のホームページでトルネードスタンドの存在を知り、深い関心をお持ち下さいました。
数回の電話によるご相談を経て、トルネードを試聴・導入され、その感想レポートをお送りくださいました。
このスピーカーは、英国のスピーカーに多い箱鳴り系のスピーカーです。
当社の通常部品によるセッティング結果を踏まえ、独自の部品選択・使用を行いお好みの音に仕上げました。
箱鳴り系のスピーカーの使用事例として参考になると思い、ご本人ご了解の下、公開させていただきます。
導入に際しての電話でのご相談内容は、適合スタンドの種類、箱鳴り系のスピーカーへの対応と留意点そしてセッティングのコツについてでした。
ロジャース LS5/9
発売年月 1985年頃 出典 懐かしいスピーカー達 |
●サイドプレストルネードスタンド試聴・導入リポート
トルネードスタンドをホームページで拝見し、直感でこのスタンドは、良さそうだと感じ、デモ機を送っていただきました。
手順に従い、組み立て、セッティングを行ない、愛用のスピーカーである、ロジャースLS5/9を設置しました。
一聴して、雄大な音場の広がりを再現してくれました。
低域は、ドラムの音がパシッと決まり、決して曖昧になる事がありませんし、
全体域にわたり、音離れの良さを十分に感じられるようになりました。
どんな楽曲でもすべての音が、明快に鳴り出し、
「音楽」のリズムを再現してくれますので、楽しく音楽に浸る事ができます。
私は、楽譜の音符を読めませんが、すべての楽器の音が、明快に的確に再現されるため、
音符が目の前に出できているようで、とてもメロディアス気分です。
この手のスピーカースタンドによくある、スタンドの材質による固有の色付けはなく、
まさしくスピーカーが空中に浮いている事そのものである事を感じました。
セッティングにつきましては、メーカーさんの推奨されている事柄を理解しておりますが、
さまざまな実験を行ない視聴の繰り返しにより、私のシステムにべストマッチングの方法と致しました。
いずれにしても、スピーカーの潜在能力を発揮し、音楽性を重視したスタンドでありますので貴重な逸品です。
●セッティングの詳細について
背面の壁、左右の壁から距離を採り、設置しています。
スタンドの水平、垂直バランスをとった後、スピーカーの水平バランスをとっています。
両サイドの押さえは、附属のストッパーを使用しています。
ここでは、ネジを強く締めすぎますと、スピーカーの振動が防御さられ、
上の音が詰まった感じになりましたので、緩やかに押さえるる方が良好です。
【ヨーロッパ系のスピーカーは、スピーカーのボックスを鳴らして音造りをにしているため、締めすぎはよくありません。】
スピーカーの底面は、スパイク受けが推奨されていますが、スパイクを設置しますと、低音域が硬くなりすぎました。
台座やスパイクの上に1円玉を固定してみましたが、台座の材質の音と、1円玉のアルミニウムの音が感じられましたので、使用しておりません。
ここで使用しておりますのは、台形型のスリーエム製のゴム足です。
前面に1個、後ろ面に1個使用しています。
スピーカースタンドのスパイク受けは、LINN社製のSKEET【スキート】を使用。
素材は、特殊の縮み石と思われますが、スパイクの口径とマッチしています。
再生中、手で触れてみましたが、床からの振動は、感じられまれせんでした。
底面が平らなので、ちょっとした微調整の時は、そのままスライドできます。
水準器を設置し、水平バランスを採って、正面から撮影しました。
ここまで実施する事に大分時間を費やしましたが、苦労の甲斐があって、良好の音場を醸し出しております。
志賀様へ
これからの良い商品の開発に携わって下さる事を期待しております。
●FAPS志賀 感想等
お電話でのご相談を受けた時からこのスピーカーの鳴らし方には相当の入れ込みがあると思っておりました。
やはりご自分の好みの音に向けてセッティングなさったのだと感じ、それが何とか達成できたことに安堵しております。
セッティング過程、結果においても当社の付属部品を使わずに他の部品を使うことに問題はないか等のご確認もございました。
その際に申し上げたのは、黒檀キューブや自重受け座は、基本的にニュートラルな音を出すことに選定していること、
実際にスピーカーを乗せた音を聞いてお客様自ら他の部品を使って好みの音にすることはまったく問題がないことをお伝えしました。
そして、その結果が好ましいものになったのであれば、是非そのノウハウを皆様に公開して欲しいとお願いいたしました。
長年使い込んだ英国系の箱鳴り系のスピーカーの鳴らし方については、皆様の想像以上に多くの質問が出ております。
一番多いのが、サイドプレスを使えば箱鳴りを抑えられるか? というものです。
非常に難しいご質問ですが、試聴室のハーベス「コンパクト」と「LS3/5A」を使った結果として、次のようにお答えしております。
同じような悩みをお持ちの方が多いので、参考まで記載させていただきます。
・側面の押し座を当てる部位、その強さにより箱鳴りの程度は変化させられる。
・ただし箱鳴りを抑えることが音質の向上に結び付くとは限らない。逆にバランスを崩すケースの方が多い。
・むしろ今出ている音の問題点は、スタンドの鳴りやセッティング環境の影響の方が大きい可能性がある。
・サイドプレスを使う場合は、強度が大きいエンクロージャー背面バッフルと側板の接合部分を押し
エンクロージャーの面部分は、逆に自由に振動(鳴らせた)方が良い結果になることが多い。
・上記セッティングを行ったスピーカーの鳴り方は、音場の拡大と定位感の向上が大きく、現代的な響きを持つようになる。
・この音がメーカーが本来意図していた音とは相当に異なっていると思うが、考えようによっては、まったく新しい音(味)をもたらしてくれる。
実際に導入された方の大半は、この新しい音に納得されている。