FAPS FAPS サイドプレス スピーカースタンド 試聴室レポート 2019年7月 試聴室で行った実験とお客様のレポートです 実験成功!! 非常に変わったスピーカー、初めて聞く名前のゾルゾ社のTransphysics D-21というスピーカー用のスタンドを受注しました。 幅・奥行10cm、高さ30cmほどの陶器製のエンクロージャーを使った不思議な形の新発想の商品とのこと。 どんなスピーカーなのか? 出典 http://www.seibundo-shinkosha.net/mj/?p=2931 スピーカーシステム「Transphysics(トランスフィジックス)D-21」に搭載されたプッシュプル方式の二重振動板の構造は,世界特許を獲得しました。 低音域も含めたフルレンジ帯域の立ち上がりを飛躍的に改善した構造によって、3インチの小型フルレンジとは思えない驚異的な押し出しの力強さが得られる小型スピーカーです。 サイドプレスミニスタンドを使いたいが、どう使ったら良いのかアドバイスを!との依頼でした。 スピーカーメーカーの話では宙吊りが好ましいとのこと。 不思議な形! 陶器製! しかも宙づり! 同等サイズの柱を使い、いろいろと実験して提案させていただき、納得されてご購入されました。 以下、実験写真とお客様の写真をご紹介します。 今回のお客様、神奈川にお住いの I 様からいただいたご注文票の内容です。 ■商品−1: MiniスタンドPro-baseモデル ■使用するスピーカーとサイズ : メーカー:有限会社ゾルゾ 型式:D-21 幅:100mm スタンド使用状況 : 未使用 スタンド設置場所 : ラック・机上 設置場所へのスパイクの直刺し: できない 床保護用スパイク受け購入: 不要 部屋とスタンドについて : 広さ:8畳程度 スタンドメーカー:無し 型式: 高さ: cm ■当社製品をお使いになったこと : ない お使いになられた製品種類 : ない 購入方法・購入時期 : 未購入 ■ご質問・ご希望・連絡事項 : 【連絡事項等】 卓上設置になりますので、コンパクトな設置にしようかと考えています。 もし、注文させていただいている商品よりコンパクトな設置が出来る商品があれば教えていただけたらと。 FAPS志賀からの最初のご連絡(お見積りの連絡)から ゾルゾのD-21は初めて見るスピーカーです。 下部の箱は陶器製で幅100mmとのことですが、奥行きは幾らなのでしょう。 添付スタンド図をご覧になり、セットできるかどうかをご確認願います。 下部自重受けの中心と側面押し座の中心間距離の最短は90mmです。 側面押し座の直径は40mmですので、場合によっては押し座の前部分だけで押さえるようになるかもしれません。 前側だけで押さえても軽いスピーカーなので支持能力については問題ありません。 陶器へのスパイク使用や傷が心配であれば、自重受けスパイクを新しいAll Baseモデル用の自在型受け座(高さ延長ボルト添付)、 または側面押し座に変更することもできます。 陶器側面の強度も気になりますので、側面は軽く押さえる程度、滑り落ちない程度にした方が良いと思います。 2回目のI 様からのご連絡内容です。 ゾルゾのD-21は、幅約10cm×奥行き約10cm×高さ約33cmになります。 陶器への傷は、さほど気にしません。 あと、陶器の強度はそこそこあります。 ゾルゾさんによると、空中吊が一番良い音がするとのことなのですが、 どのような設置が一番よろしいのでしょうか?? 教えていただけたら助かります。 FAPS志賀からの2回目のご連絡 (セッティング実験のご紹介) スピーカーのセッティング方法を宙吊りイメージも含めて検討・実験させていただきました。 スピーカーの奥行きが足らないため標準のスパイクを使うセッティングは無理でした。 自重受けに座を使う方法も接触面積が不足していて見かけも悪く、安定した保持が難しいことを確認しました 検討の結果、標準のミニスタンドではなく「特注仕様」のミニスタンドであれば安定した保持と、場合によっては宙吊りも可能なことを確認しました。 同等サイズの柱を用い、実験した結果が添付写真となります。 特注品スタンドは、T字型の付け根にもネジ穴が設けてあります。 そこを使えばスピーカーの真下で自重を受けることができるのです。 受け座は、相手が陶器のためスパイク受けは高域で共振音が出る可能性があります。 スピーカーに多少の角度も持たせられるようにするため、自在型の受け座を採用しました。 高さを稼ぐために延長用のボルトセットも使用しました。 添付部品の構成は下記となり、同梱のマニュアルとは異なりますので、ご了承願います。 納入品の構成 ・特注仕様ミニスタンド1セット (オプション穴付きモデル) ・プロタイプ押し座85 : 合計10本 ・自重受け用自在座 : 2ケ ・自在座延長ボルトセット : 長ナット、30mmボルト、ナット 各2け ・ナット : 計18ケ (予備2ケ含む) ・13mmレンチ 1本 ・説明書兼保証書 スピーカーの取り付けは、説明書と添付写真をご覧になって、同じようにセットしてください。 スピーカー本体を左右に揺すりながら、側面押し座と均等に密着するようにセットしてください。 スピーカーが斜めに傾いた状態でセットしてしまうと、使用中に押し座部分に隙間ができてスピーカーが落ちてしまうことがあります。 取付後も時々揺すってガタがないことを確認してください。 ※正しくセットすれば、何年間も安定保持し、地震でもスピーカーが落ちることはほとんどなくなります。 左右押し座だけの宙吊りも試しました。 側面押し座をある程度強く締め付けられるのであれば左右2点だけでスピーカーを保持できます。 重心が上部にある場合は前後に回転しやすくなりますので、やめた方が良いと思います。 ちなみに宙づりセッティングは、音が綺麗になりますが、音のエネルギー感が減ってしまうという欠点があります。 ご参考(弊社の実験レポート) https://family-arts.com/faps_labo/kanzen_chuuduri.htm 宙吊りで落下が心配な場合は、自重受け座をスピーカー底面から数mm離して取り付けて置き、落下防止に使うのも良いと思います。 弊社のスタンドはすべてのネジ部をロックナットでしっかりと固定する必要があります。忘れずに締めてください サイドプレスミニスタンド(特殊仕様モデル)ご導入後の I 様からのご連絡です。 色々と有難うございました。 色々と試したのですが、写真の通り、結局2点宙吊に落ち着きました。 重心が上の方だったので、危なくないようになるべく低くし、結果浮かしたのは1cm程度です。 スピーカーケーブルの振動も気になったので、ケーブルインシュレータ―を使った上での音の確認してみました。 設置してみての音の変化ですが、音がのびやかになります。 音のエネルギー感の減衰は若干ありますが、元々宙吊で設計されていたので、本来の音が出たような感じです。 (メーカーでの宙吊はワイヤー吊でしたが) 環境音を流してみると、音のリアルさに若干の怖さを感じられるほどです。 音楽的に聴くのであれば、受け座を使った方が結果は良いのでしょうが、 このスピーカーの設計思想的に考えると、無い方が逆にしっくりきます。 逆に箱鳴りを利用するスピーカーの場合ですと受け座はつけた方がよさそうです。 ウチの場合、メインシステムがきわめて音楽的(ウォーム系)なので、今回のスピーカーのセッティングは、サブシステムということもあり、 真逆のモニター的なセッティングにしたという経緯がありますので、実際に使われる方は、受け座の有無は状況と好みによって使い分けるのが 正解かと思います。 また、見栄えもあつらえた様にぴったりで、近未来的(ロボットみたいな)に仕上り、かなり良い感じです。 むしろ、このスピーカーにはこのスタンド(Mini Pro-base)以外は考えられないのではないかと思うほどです。 末永く使わせていただきます。 ありがとうございました。 FAPS志賀からの3回目のご連絡 (感想) 無事に綺麗にセッティングできた様子、安心しました。 陶器製のエンクロージャーなので少々心配しておりました。 確かに専用スタンドのような収まり具合ですね。 非常に良い感じだと思います。 卓上設置と思っていましたが、床上設置だったのですね。 床上であれば設置高さを上げた方が良い結果が得られます。 聴いた感じで違和感なければ問題ないと思いますが、 音像を更にクリアにしたい場合はベース座を100mm延長できるオプションもあります。ご検討ください。 ちょっと気になるのは、右側のスタンド支柱に接触しているように見える部分があることですね。 接触している場合は音が混濁することがあります。 ケーブルサポートを使って支柱に接触していない場合は大丈夫です。 I 様からの追加ご連絡です。 写真は実験段階のもので、この後サブシステムの設置してある”出窓”に設置しました。 床上にしているのは、背面がカーテンになっているので、余計な反響音が無いことと、単に設置の変更がしやすく、 音の評価もしやすいという観点からです。 実際、床上から卓上に切り替えた際には、音が実験段階より悪くなります。窓ガラスの響きもありますし。 ただ、音楽を楽しむ場所とリスニングの姿勢は大事なので、こればかりは仕方ないです。 ケーブル・支柱等は一応、接触しないように設置しています。 FAPS志賀の感想 非常に変わった形、構造のスピーカー! 初めて聞く名前のゾルゾ社、Transphysics D-21というスピーカーも初めてでした。 幅・奥行10cm、高さ30cmほどの縦長の陶器製のエンクロージャー! 不思議な形、新発想の商品らしく、久しぶりに燃えました(笑) 同等サイズの縦長花瓶を探したのですが、見当たらず。 家の柱の切れ端があったのを思い出し、使って実験しました。 太さ100mm、高さも約300mm、重さもそこそこにあるので、使用イメージは似たようになるだろうとの判断でした。 標準的なセッティングでは、スピーカーの奥行きが足らず自重受け座(スパイク)位置まで届きません。 相当な仰角を付ければセッティングできますが、それでは使用上の問題が出る可能性があるので、没案としました。 さて、どうしよう・・・・と思案 たまたま特注仕様のミニスタンドが残っていることを思い出しました。あれを使えば何とかなりそう! やってみたら、OK! うまくセッティングできます。 重量バランスがとれれば、宙づりも出来そうです。 相手が滑らか表面の陶器なので側面押し座との密着性も高く、滑りにくいかも・・・と期待も。 ただし、見た目がなんともマヌケな感じもするのでスタンドの前後を逆に使うことをご提案しました。 逆にした方が背面の壁からも距離が取れ、音の反射の影響も多少は軽減できそうです。 ご提案の結果は、I 様の感想にもありましたが、まるで専用にあつらえたような仕上げりとなり安堵しました。 お役にたてて何よりでした。 FAPS 志賀 記 |