FAPS音響パネル 【凛SSR専用】 取り扱い説明書 (Ver.2)
本説明書は、FAPS音響パネル 【凛SSR】 の使用方法について記述したものです。
凛(りん) | 凛SSR | SSR(組み込み済み) |
1.【凛】 【凛SSR】のご使用に際しての注意事項
パネル本体は木製品のため、以下のような経年変化が起こります。
また使用方法を間違えますと破損する可能性がありますのでご注意願います。
●木製製品のため傷が付きやすく、下記のような木製特有の経年変化が起こることもあります。
・色調の変化 本製品の素材は地松(赤松)のため経年と共に赤色に変化します。
・ひび、割れ、松ヤニの漏出が起こることもあります。
・収縮により部材間に隙間が発生することもあります。
●パネルスタンドについて
付属のスタンドは、パネル本体を自立させるためのものです。
以下のような場合にパネルが転倒したり、スタンド取付部分が破損する可能性があります。
必要に応じワイヤー等の転倒防止用器具をお使いください。
・スタンドを斜めに取り付けたり、締めつけボルトをしっかりと締めてない場合
・寄り掛かったり、何かを支えようとした場合
・大きな地震の場合
●SSR使用についての注意事項
・本部品は、鉄製です。塩分の多い場所、濡れたまま放置すると錆が発生することがあります。
・SSRのチューニング時にSSRを張り過ぎるとパネル外枠の凹みや割れることがあります。
・中央部のチューナーの片側のネジは、反時計方向に回して締める「逆ネジ」になっています。
時計方向に回そうとするとネジが噛んでしまい外れなくなったりネジ山を破損することがあります。
本説明書に従い、正しい調整を行ってください。
●SSR部品の取り付け・取り外しする場合の注意事項
・SSRは音響パネルの狭隘部に取り付けするため、工具が使いにくく非常に面倒な作業であり、慣れも必要です。
ナットの締め付け時に工具によりパネル本体に傷を付けてしまう恐れがあります。
・SSR部品の取り付け・取り外しは、木工作業や機械部品取付に自信のある方向きの作業です。
2.凛SSRとは
凛SSRは、音響パネル「凛」にオプション部品のSSR(Sound Spirit Rod=響心棒)を組み込んだものです。
木質パネルに金属ロッドの響きが追加され、広いレンジでの残響感を出すことができます。
響きの少ない和室等のデッドな部屋の音響改善に好適です。
凛SSRにはパネル1枚あたりに2本のSSRが組み込んであります。
SSRの効果が強すぎる場合は、付属のミュートキューブを使用してその程度を加減することができます。
3.同梱部品の確認
最初に同梱されている付属品等の確認をお願いします。
記載の数量は、パネル2枚分です。
●凛の構成部品
(1)パネル本体 :2枚
(2)スタンド :4ケ
(3)スタンド取付用 ワッシャー付きボルト :4本
(4)スタンド用アジャスター :8ケ(取付済み)
●SSRの主要構成部品 ※SSRは組み込み済みです。
(1)SSRロッド : 下部ロッド4本 上部ロッド 4本
(2)SSRジョイント :4ケ (上部ロッドに取付済み)
(3)緩み止め機能付きハードロックナット 4組 (上部ロッドに取付済み)
(4)M8ナット : 4ケ
(5)M8ワッシャー :8枚
(5)ミュートキューブ :4ケ
(6)チューニング用CD :1枚
●付属品
(1)付属工具 11/13サイズレンチ 1ケ、13サイズレンチ 1ケ
(2)本マニュアル
4.パネルスタンドの組立て方法
スタンドの組立ては、以下の手順で行います。
(1)アジャスターの取付
以下のようにアジャスターのネジを根元まで締めこんでください。
(2)スタンドの取付
スタンドを取り付ける場所は、パネル枠下部の外側のネジ穴です。
パネル本体とスタンドは表面を接触させて取り付けてください。
間にワッシャー等を挟むとパネルがぐらついたり、ネジ穴等を破損することがありますのでお避け下さい。
取り付け状態
スタンドはワッシャー付きボルトでしっかりと締めつけます。
ボルトが緩んでいるとスタンドがガタつき破損の原因になります。
木部の収縮と使用によりスタンドが回転してボルトが緩むことがありますので必要に応じて増し締めしてください。
(3)アジャスターの調整
パネル設置場所に置いて床面の凸凹に合わせてアジャスターを回し、
パネルが直立し、4点が均一に接地するように調整してください。
以上でスタンドの取り付けは終了です。
5.SSRの組み込み方法 ・・・ SSRキットの取り付け方法(例)
本商品はSSR組み込み済みです。
取り付け方法は下記とは別の改良された方法となっています。
ご自分で取り外し、取り付けを行う場合は下記を参考に作業願います。
SSRは音響パネルの狭隘部に取り付けするため、工具が使いにくく非常に面倒な作業であり、慣れも必要です。
(1)「ハードロックナット(リム付き)」について
付属品中の「ハードロックナット(リム付き)」について簡単に説明します。
写真左が下ナット(凸)で締めつけ用、写真右側のリム付きのロック用上ナット(凹)です。
下ナットにリム付き上ナットを被せて使用します。
左:下ナット 右:上ナット(リム付き)
この二つを組み合わせると上下ナットの偏芯により強力なクサビ効果が発生し、ゆるみ止め効果が非常に高く永く維持できます。
凛SSRでは、SSRロッドとナットを一体化させる必要がある上部ロッドに使用しています。
(2)SSRロッドについて
SSRは上下2本のロッドをジョイントパーツを使用して接続しています。
写真の上側が上部ロッド、下側が下部ロッドと言います。
上部ロッドの右側にはハードロックナット、左側にはSSRジョイントが予め取り付けてあります。
※下部ロッドは取付済みです
上部ロッドの特殊ナット(ハードロックナット)の取付状況 このナット上部を回してSSRの張り方を調整します。
B下部ロッドの取り付け状況
木製品のため素材が収縮してナットが緩むことがあります。
その場合は下記のようにパネル内側のナットを締めつけます。
ロッドとパネルの間が狭いのでレンチの向きと角度を変えながら締め付けます。
ロッドが回らないように、パネル外側のナットをレンチ等で固定しながら作業を行ってください。
締め付けが終わった状態
ナットの角度により狭くてスパナが入りにくくなります。
その時は下のようにスパナを斜めに使ってください。
※ 時々締めつけ部に緩みがないことを確認し、必要に応じて締めこんでください。
(6)SSRの張り(ピッチ)調整
ロッドが緩んでいるとボコッという音がして金属的な響きが出なくなります。
スタンドを使ってパネルを直立させた状態で調整を行います。
ジョイント部分をスパナや指先で軽くたたき、付属CDの響きと同等になるようにします。
軽くたたいて響くことを確認します。
レンチの11mm側を使いジョイント中央の平行部分を回らないように固定した状態で調整します。
ロッドを張る場合は、パネル上部の特殊ナットを時計方向に回してSSRロッドに張りを与えます。
強く締め過ぎるとロッドに過大な引っ張り力が作用し、
パネルの上下枠を変形させたり、ナット部分が陥没してしまいますのでご注意ください。
ジョイントが回らないように固定しておきます。
ピッチ調整後は写真のように2本のロッドが真っ直ぐになり
ピンと張りきった状態になります。
2本のSSR及び左右パネルの響きが同程度になれば調整終了です。
注意 SSRロッドの取り付け部は使用に伴う木部の収縮等で緩むことがあります。
時々点検し調整を行ってください。
6.凛、凛SSRのセッティング
スピーカーの後ろに凛を置く標準的なセッティング方法を以下に記載します。
部屋の状態に合わせ、適宜位置を移動して最適なポイントを探してください。
(1)スピーカーと凛の位置関係(基本セッティング)
●リスナーから見た時にスピーカーのセンターと凛のセンターが一直線上に来るようにします。
●スピーカーの裏面から約40cm程度離した場合に凛の効果は最大になります。
スピーカーの音がリスナーに向かって飛んで来るような音場が作られ、響き感が増大します。
凛を後方に下げれば効き方は減少します。お好みの位置関係を選んでください。
●スピーカーと凛は平行設置が基本ですが、凛の方向を変えると音場全体の幅も変わります。
SP中央付近の音が薄くならないように注意しながら左右の広がり感を調整できます。
(2)凛SSRの効果調整
SSRの効き方は、ミュートキューブを使って段階的に調整できます。
@SSR効果 大 SSRをそのまま使用します。
ASSR効果 中 ミュートキューブを片側だけ使用します。
BSSR効果 小 両側にミュートキューブを使用します。
(3)ミュートキューブの取り付け方
ミュートキューブの一面にSSR抑制用の凹みがあります。
この凹みをジョイント中央部にセットして使用します。
ジョイント部分は、反射板との距離が狭くミュートブロックは入りません。
写真のようにSSRロッド部分で間に入れてそのまま下に移動させてジョイントをロックします。
注意:ミュートブロックを外すとSSRロッドが緩みます。ロッドの張りを調整して響くようにしてください。
(4)凛を3枚以上使う場合のセッティング例
凛を複数枚数使用する場合の標準的なセッティング例です。
@左右スピーカーの後方に各一枚、スピーカーと平行になるようにセットします。
スピーカーとの距離を変えてお好みの響きにしてください。
スピーカー背面40cm程度が標準です。近付けると反射量と指向性が増し、
遠ざけると部屋全体を響かせるようになります。
※他社パネルでは、2枚のパネルを蝶つがいで連結させて屏風のようにセットする事例もありますが、
凛の場合は、効果が大き過ぎて過度な響きになってしまうことがあります。
※スピーカー間に2枚のパネルを連結してV字型にセットする場合もありますが、
凛の場合は、全体の音場及び定位感を乱してしまう可能性がありますのでお避けください。
左右均等に配置するだけで十分な効果が得られます。
以上
●製品に関する問合せ先 〒319−1416 茨城県日立市田尻町2−1−2 |
出荷確認印
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