2007年冬  FAPS    Side-Press スピーカースタンド お客様レポート

  北海道にお住まいのA様 (アンサンブル Reference Silver)  

今回のレポートは、北海道にお住まいのA様からいただいた試聴レポートです。

お使いのスピーカーは、初登場のアンサンブル社のReference Silverというものです。

スタンドはEnsemble社のLandmark純正スタンドと、
鉄製の自作スタンドをお使いでしたが、更なる可能性を求めSide-Pressを試聴なされ、
試聴の結果、導入くださいました。

初適用のスピーカーであったため、ご本人のご了解を得てご紹介させていただいております。

A様の感想及びご質問に対するFAPSメール内容の一部を原文通りご紹介します。

試聴開始直後の感想

ファミリーアーツピュアサウンド 志賀さま

昨日、スタンドが到着しました。ありがとうございます。
では、ファーストインプレを・・・

まず、従来の手持ちのスタンドはEnsemble社のLandmark純正スタンドと、
鉄製の自作物のふたつを使用しています。

前者は、ハニカム構造の発泡材が入っていて振動を吸収する考え方らしく、
角が取れたおとなしい鳴り方をします。

後者は、このスピーカの美質であるトランジェントのよさ、解像感がよく出るため、
もっぱらこちらの方を使っていました。

おおむね気に入っていますが、音場のイメージが台形というか、もう少し縦に
拡がる可能性が残っているような気がしており今回の試聴を思いつきました。

さてサイドプレスに設置してみました。
なかなかデザイン的にも黒い直線的な形状同士でマッチして見えます。

床がブナ集成材ブロック貼りなので、スパイクはそのまま直刺ししてしまいます。
金具のトルクはきつめ、両Chとも顔に対して正対、やや外向きにセット、

やや外向きにセットしたのは、アンサンブルのスピーカーはハイ上がりで有名なので、
少しでも高音を和らげるのと、音場を大事にするためでした。
それでも二本とも自分の顔に向けてほんのちょっと外向きにしただけなので、
ずいぶん内振りです。

で音を出すと・・・

・音場が縦だけでなく、手前にも後方にも延びました。

空中のスピーカから、 きれいな立体の楕円を形成して音が拡がっていると感じます。

・澄んだ滑らかな音質になりました。

このスピーカのキャラクターだと思っていた微かに毛羽立つような音触は、
スタンドによって付加されていたのかもしれないと思えました。

・低音が豊かになりました。かつ、非常に透明です。

低音については軽くなるとの評判をまま聞いていたのですが、これは意外でした。
定位やリアリティも向上し、全体的に純度が上がったことを実感しました。

ハイ上がりな面もさほど気にならなくなりました。不思議です。

とりあえずメリットばかり挙げましたが、実際デメリットの方は思いついていません。
最初だからかもしれません。
もうしばらく聴いて、使いこなしにも踏み込んで第二報を入れたいと思います。
でもすでに、かなり気に入ってしまいました。

ところで、このスタンドは幅26cmまで対応ですよね。
もう一つ、幅が28cmのスピーカーもあって使いたいのですが、これだと無理ですよね。
1cm差・・・惜しいところなんですよね。
大きい方のそのスピーカは背面パッシブラジエターなのですが、
トルネードにした場合、そのすぐ間近にT字型の鉄棒がきますよね。
影響はないでしょうか。

ちなみにそのスピーカの外形は幅282×奥行き313×高さ500mmです。
ハーベスコンパクトと同様の大きさですし、トルネードにすべきなのでしょうね。




ご質問に対するFAPS回答

幅が28cmは、さすがに無理です。
強引にセットして27cmまでとなります。
サイドプレス方式をご希望の場合は、トルネード(フルセット)をお使いいただくようになります。

ただし、標準型の特殊な使い方でダイレクトプレスというやり方があります。

付属押し座を使わずに支柱から直接ボルトでスピーカーを押してしまうやり方です。
この方法ですが幅282mmでも一応使えます。

直接押せば傷が付きますので、実際には硬質ゴムを貼り付けた硬貨等を介して押します。
音質的には、ちょっとハイ上がり傾向になりますが、スピーカーによっては効果的です。

セッティングが面倒なのであまりご紹介はしてないのですが、一度お試しになってはいかがでしょう。
付属高ナット取り付け用の直ボルトが使えると思います。
尚、この場合、スピーカーとの接触部分にはフェルト等の滑りやすい素材は使わないでください。
スピーカーがずれ落ちる可能性があります。

問題としては、スピーカーの高さが結構あるので、見た目も不安定になりますので
高さの自由度が大きなトルネードを使われた方が良いと思います。


背面パッシブラジエーターの音は指向性がほとんどない低音域なのでトルネードの中央支柱の影響はほとんどないと思います。
支柱が細いので太いスピーカーケーブルが1本余計にあると言ったところでしょう。




FAPS 志賀さま

あっというまの一週間でしたが、じっくり聴かせていただいた感想を書かせていただきます。

設置のなじみもとれて安定さを増したスタンドとスピーカは、
一体化でもしたようにうまく鳴っています。



結論からいうと、
フロア自立型のスピーカよりも
小型2ウェイをこの製品のような最小限の接点で中空に浮かすほうが、
より精緻で純粋な音場、音像を描くし、ピュアネスに上回るのではないか、
ということです。

ただ、それだとやはり低音は不足するので、うまくつながるサブウーファー
があるのが理想かと思います。
拙宅では、別の3ウェイのバイワイヤ低域側をそれに充当し、
聴感で微調整した程度ですが結構よくつながっていると自分では思っています(^^;)

細やかでアキュラシーの高い小型2ウェイの描写にゆたかな土台が加わるのがお気に入りです、
我流かもしれませんが。

海外のハイエンドにも2ウェイ+サブウーファーのモジュール形式がたくさんありますが、
重ね置きよりもこのサイドプレスのように独立に浮かすほうが
よりいいのでは、とも思えます・・・

スピーカが小さいこともあり、設置の微調整の余地はあまりなかったのですが、
重量配分的には両サイドに7〜8割、底面はあてがう程度にするのが比較的
好ましいかなという印象でした。
奥行きの短いスピーカですので、
底面受け座のねじ穴がもう一つ奥側にもあってもいいかなと思いました。

ともあれ、アンサンブル・リファレンスSILVERでは純正スタンドを大きく上回る情報量、
プレゼンスの自然さが得られました。

同社PA-1も持っていますがそちらでは前者ほどの改善は感じませんでした、
というか前者の改善度合いが突出していたのでしょう。

物理的な性能というか、音の精度感が高いスピーカになるほど効果のでやすい
スタンドなのだと思います。

長年使い続けてアンサンブルのスピーカの音は知り尽くしたと思っていたほどですが、
今回新たな魅力に気づかせてもらいました。

思ったとおりで、これの試聴をさせていただいて良かったです。
大変気に入りました。購入したいと思います。

それにしても、専用といってもいいほど見た目もあうし、無骨でもなく
デザインに流れたわけでもなく、よいバランスの外観ですね。

実用性から生まれる美しさがあり、またこちらは洞爺湖有珠山にも近くて
地震の危険もあるのですが、その点でも一番安心度の高いスタンドです。

リンデマン、ゴールドムントにつないでいてもともと音数の多さには長ける
ほうですが、いよいよ解像度の真骨頂を体感する思いです。