北海道にお住まいのK様 (Victor SX-500spirit)
今回のレポートは、Victor SX-500spiritをお使いのK様から頂いたものです。
SX−500spiritの幅は、270mm。
サイドプレススタンドの仕様上の許容寸法は262mm!
なんとかセットできないか?とご相談くださいました。
実は以前にも似た事例があったため、なんとかなるでしょう! ということで標準品をお買い求めいただきました。
以下は、K様から頂いた試聴レポートです。
試聴の結果をご報告を致します。
年末にSide-pressが届き一週間ほど聴きましたので感想をご送付いたします。
一言で申しますと、自然な癖の少ない良い意味で普通のSPスタンドと感じました。
使用環境でございますが、防音を施した約12uほどの洋間です。
使用しているSPは、年代物のVictor SX-500です。
メーカーでは今も生産を継続しているようですが、私の使っている物はSPIRITで密閉型の頃です。
このSPのユニットを改造し、内部配線の取り替えてNWを外付けにして
自作NWに変更しておりますのであまり標準的とは申せません。
その他の使用機材は、
比較スタンド | 純正を改造しスパイク設置にした物。 |
CDP | DENON1650を、ドライブユニット・クロック・オペアンプ・電源をいじくりまわした物。 |
プリアンプ | 自作です。 |
パワーアンプ | 自作で、真空管とFETのハイブリッドです。 |
まず危惧したことは、SX-500が納まるかということです。現在のSX-500DEはW253mmですが、
私の使っている物はW270mmありSide-pressの仕様の規格外になります。
FAPS様に相談し、何とかなりそうと言うことで購入いたしました。
実際にスタンドが到着して納めてみるとギリギリですね、多分このSPの大きさで限界と言う感じです。
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【写真左】押し座の一番高い位置でSP中程になります。
【写真中】支柱内側のロックナットを使わないでやっと納まります。
Side-pressは構造上、水平が出しづらいと思いますが、
ロックナットを締めないでも圧力がかかった状態のため微調整が尚更難しくなります。
それと、調整には水平器が欠かせないと感じました。
【写真右】前後の取付け位置は、自重受けがバッフル面にかかるまでSPを下げた状態が好みの音でした。
設置後の安定性は高いですね、多少の揺れは大丈夫に思えます。
取り合えず、以前と同じ位置(SP前面中央で、横壁から65cm、前壁から110cm程)聴いてみました。
第一印象は、
「へ〜ぇ、細くならないんだ」 見た目のイメージでスッキリ・クッキリ系の音になるかと思っていました。
スタンド自体の高さの分、ボカールの口元が20cm程ですが上がった感じです。
聞いた感じではいつもよりボリュームを回した位置でいままでと同じ音量感になります、
付帯音が少なくなったのかも知れません。
それから一週間程聴いてみた感想ですが、まずSPの取り付け角度を若干前下げにして音像の高さを下げました。
高音の伸びはあまり変化ございませんが、低音の伸びが良くベース等が沈み込んで気持ち良い音が聞けます。
変な表現ですが「動きの見える」低音ですね。
団子になりやすいベースが弦を弾いた音とその後のうなりが判るようになりました。
パワーを足してくれるタイプでは無いと思うのでAV向きではないように思います。
低音から高音までフラットな感じでどの帯域にも強調感がありません。
見た目のイメージで低音は量感が減るだろうと思っていましたが、量感は変らないで下へ伸びた感じです。
自分でも比べて気付いたことですが、純正スタンドは中低音域に付帯音と中音域に若干の張りがあったようです。
木製ですが、それなりの癖を持っていたと言うことでしょうか。
質感が低音から高音までよく揃いました。
低い帯域が鈍いと言うかスピードが遅いように感じていましたがかなり改善されました。
特に音の芯が甘くなることも無く滑らかな質感で、元々このSPの持っている特長が良く出ていると思います。
音場は結構変化がございました。
音像の輪郭が立ちボーカルの口元が決まり気持ち良く聞けます。
奥行きについてはセンターボーカルの前後位置は従来と変らずにバックが後ろに下がったように聞こえるため、
全体が下がったように立体感が増します。音場の見通しが良くなったからでしょうか。
上下の広がりはあまり変化はありませんが左右は広がります、狭い部屋ですから音場が部屋の横壁に回り込んで
п形に近くなっていたのですが壁の外側まで広がったように聞こえます。
SPとセンターの間に音場が薄く感じる部分があったのですが、それが無くなりたいへんスムーズに展開します。
それぞれのSPの持っている音を素直に出してくれるスタンドと思います。
下手な腕ですが自作をしておりますので、この音をベースにチューニングしていきたいと考えています。
K様 ご試聴レポートありがとうございました。
HTML形式でお書きになって頂いたため、HPへの試聴レポート掲載も非常に楽で助かりました。
横幅サイズが多少大きいことに関しては、もともとが支柱の反りを利用するスタンドであること、
経験的にも片側4mm程度の反りはまったく問題ないことから大丈夫でしょうとお答えしました。
セッティングは、多少力仕事になったと思いますが、無事取り付けられて何よりです。
音質的にも満足いただけたとのこと。
SX−500は、私も欲しかったスピーカーです。
それがSide−Pressスタンドで新たな魅力を出してこれからも使われるとのことで嬉しいです。
チューニングにより更に楽しめる音を出してくれると思います。
いろいろとお試しになってください。
FAPS 志賀