茨城にお住まいのU様宅  (レイオーディオKM1V & JBL JRX115)

今回のレポートは、FAPS店主、志賀によるスピーカースタンド出張セッティングのレポートです。

● FAPS試聴室にて

今回のお客様、U様は、当ショップのある茨城県内、しかもかなりお近くにお住まいでした。
自宅システムのサブシステム用として最近評判のJBLのPA用スピーカー JRX115を新たにお求めになられたのです。
T−TOPスタンドに興味を持たれ試聴室にお越しいただいたのが今回のレポートのきっかけとなりました。

試聴室に来ていただき、とりあえずのご挨拶ということで当ショップの音をお聞きいただきました。
最初にSide-Pressにセットしたブリロン1.0 次に同じくSide-PressのB&W N805
最後にT−TOPに乗せたYAMAHAのNS−700Xモニター改

それぞれの音の特徴をご説明しながら順次、こちらで用意したソフトを使いコーヒーを飲みながら小一時間。
ブリロンには以前から関心をお持ちとのでしたが聞くのは初めてとのこと。
サブウーハーの有り無しを含めて熱心にお聞きになっておられました。
非常に深い音場と定位感に感心され、豊かな音楽性を感じるとの感想。
ルナによる深く沈みこむ低音にも感心された様子。

そして「実は・・・」とご自宅のシステムのお話を始めたのですが・・・
聞いてびっくり! 黙ってウチのシステムを聞くなんて違反ですよ! と言ってしまったほどの
立派なシステムをお持ちでした。

常用のスピーカーは、高級小型スピーカーの代名詞にもなっているレイオーディオのKM1V
お使いのスタンドも純正スタンド、合わせて100万円なり。
それを駆動しているアンプ、CDT、DAC、ケーブル類も何やら凄そうです。
カイザーサウンドの貝崎さんにスピーカーのチューニングをしてもらったとのこと。

U様は、JBL用スタンドの試聴を目的とした来訪だったのですが、
Side-Pressスタンドにセットされた B&W ノーチラス805の音をお聞きになり、
レイオーディオのKM1VのスタンドとしてSide-Pressに目をつけられた様子。
かと言って、現在の音にまったく不満があるわけではないとのこと。

家も近いことだし、私自身もどうなることやら・・と非常に興味を持ち
Side−PressとT−Topスタンドを各1セットお持ち帰りいただくことにしました。
最初にご自宅で試聴していただき、音が落ちついた頃に私がU様宅をお邪魔させていただくことにしました。

● U様の1’stインプレ (U様メールより抜粋)

昨日side-pressスタンド無事設置済みました。
レイオーディオのSPの取り付けについては、
アドバイスを頂きましたので挟む位置は取りあえずは前面バッフル付近に決めました。

初めはやや後方の平行面にしてみたのですが、強度的には問題なく、
ぐらつきは無いもののバランス的に不安がありましたので前面にしてみました。
やはりこの方が安定性はあるようです。

音質ですがスタンドの空間が開いたこともあるせいか、広がりが出て開放的に鳴っているイメージです。
感触としてはかなり好結果と思います。
スタンドの配置をこれから追い込んでいきたいと思っています。
今はこれまでより50センチほど前にし、左右の間隔も少し狭めています。

よろしければ平日夜でしたらいつでも結構ですので是非いらしてください。
(以下省略)


●U様宅ご訪問、第1回目 ・・・ セッティング

とある日の夕暮れ、U様宅にお邪魔しました。U様は、マンションに1人でお住まい。
オーディオの他にサックスの演奏もなさるとのこと。
今回お邪魔したリスニングルームのほかに、楽器練習場兼倉庫の2部屋をオーディオ用にお使いでした。
あまり公開して欲しくないというので、写真は出しませんが、CDとLP、本で足の踏み場も無い状態。
歩く時にCDの山を崩さないように・・・(笑)
正面にメインの機材、両側の壁にはアナログ用機材、
アナログプレーヤーは、ステレオ再生、モノラル再生、SP用の3台。
とてもシステム構成から受けるインパクトが強かったのですが・・・とにかく試聴を開始しました。
下の写真は、試聴時にU様が行ったセッティングの状態です。

●JBL JRXのセッティング

理屈より音! ということでU様の好みのものを聞かせていただきました。
最初は、JBLのJRX115。

試聴時にU様ご自身が行ったセッティング

この時点では、U様は、せっかく買ったばかりのこのSPを使い続けるかどうか悩まれておりました。

駆動系も原音志向でCDP−、ミキサー、レコーディングスタジオモニター用アンプ、
長いVVFケーブル、スピコンを経由してJRXへという構成です。
JRXの底面は、厚さ3mmのカーボンプレートにスパイクを当てていました。

音は、思っていたよりマトモ!というより、オッ! と思わせるイイ音です。
外観から想像も出来ない繊細さを伴う軽い音がします。
呆れるほどに明確な定位感に驚かされました。

38cmと大型ホーンでPA用・・・そのイメージからかけ離れた音が出てきています。
繊細な音、そう言った方が適切かも知れません。
クラシックも聞けます。ここぞ!という時もパワーをしっかり受け止めて音にしてくれます。
大きなウーハーですが、この構造ではさすがに重低音は無理。
しかし、もたつきの無い軽い低音も良いものです。

しかしながら、良く聞いてみると、まず気になったのがサーノイズ。
これはアナログミキサーを経由していることが原因。
繊細とは言え、少し音が痩せている印象も強い。
ミキサーを外してもらいCDPとアンプを直接接続した。

スパイク受けに使っていたカーボンプレートは、エンクロジャーの厚手の起毛布のせいで浮き気味。
外してもらいスパイクをダイレクトに刺していただきました。

これらの処置で上の問題は解消。
エージングの終わっていないホーンの多少きつめの音はあるもののなかなか楽しめる音。
U様が気軽に聞けるスピーカーをとJRX115を選択したことは正解だったようです。

勿論、この音つくりにT−TOPスタンドが多いに役立っていることは言うまでもありません。

スピーカーの格好だけから音を判断するのは大間違い! ということを実感しました。
JRX115・・・近いうちにFAPSの試聴室にも置かれることになるでしょう。
少なくとも、試聴室に置いてあるNS−700Xとは比較にならない音楽的な音が出ることがわかりました。



●レイオーディオ KM1V のセッティング

JRX115から切り替えた途端に次元の違う音世界が出現しました。
そりゃそうです。使用している機材のランクがまったく違う・・・・わけですから。

少し気分を変えて様々のソースを聞きまくります。
私自身は、見るのも聞くのも初めてのスピーカー。
音を聞きながら、SPをじっくりと観察、アチコチを叩いてみたりといじり回してました。

音の印象は、豊かな響きの音、想像以上に癖のないスムーズなものでした。
しかし、どのソースでも独特の共通の味付けがされた音を感じたのです。
これがレイオーディオさんの音つくりなのかな・・・・そんなことを思いながら。
この音をどうするか?!  変えるべきか、変えざるべきか・・・・

U様には、レイオーディオさんが想定した音で行くか、別の音創りに挑むか・・・どうしますか?と質問。
判断できないということなので、実際に試してみることにしました。

ポイントは、SPの取り付け方にあると直感しました。
下の写真の左側は、当初にU様が行っていたセッティングです。
このセッティングは、どちらかと言うとオリジナルスタンドの音の延長上にあるものと思いました。

側面押し座の位置は、フロントバッフルのやや下寄りの部分でした。
強度的に一番強い部分でSP本体をしっかり保持、音の起点部分が明確になります。
一方、SPの後ろ側は、自由に鳴るというイメージのセッティングです。

音を出しながら、SPの各部を触り、音を聞きながらチューニング方法を考えました。
ご提案した方法は、下の真ん中の写真の取り付け方法でした。

U様の行われたセッティング チューニング後のセッティング詳細 (参考)オリジナルスタンド

側面押し座の位置を変えたのです。
バッフル側面ではなく、このSPで一番振動が大きいサイドバスレフポートの中心付近を押してみることにしました。
この方法が、エンクロージャーの響き(鳴り)を最も効果的に抑制できると判断したのです。
SPの重心がスタンドの重心ともほぼ合致し、安定性も更に向上しました。

出てきた音は、清澄そのものと言える静かで澄んだ音。
U様は、余計な付帯音が減られたように感じられたとのことでした。
聞こえるべき楽音だけが聞こえ、先ほどまで気になっていた余計な響きが消えうせました。
低音も十分に沈んでおり、試聴室でお話ししていたサブウーハーの導入は不要と感じられました。

この変化にはU様も驚かれた様子。
具体的にどのように違うと思われたのかを逆質問。
違うのは分かるが、具体的には表現できない様子。
それでは・・と、この二つのセッティングの違いによる音の違いを具体的にご説明しました。
いわば、音の聞き分けテクニックの伝授会です。

どのようなソースを用いるか、そのソースで何を聞くのか、比較するのか・・・・
空間幅、高さ、距離感、音色、響き、混濁  等々
まあ、そういうことをソースを変え、セッティングを変え、具体的にお伝えしました。

3回ほどセッティングを入れ替え、その違いが具体的に分かる感じになってきたところで時間切れ。
まあ、こんな感じで音を聞き、ご自分で判断なさってください・・と。
既に深夜、これ以上音を出し続けることは無理と判断し、後ろ髪を引かれる思いで引き上げることにしました。

●私の出張試聴レポート (メールより抜粋)

帰宅した直後に(印象が明確なうちに)お聞きした感想をメールさせていただきました。以下、原文通りです。

非常に質の高い音を聞かせていただき、嬉しかったです。
今回聞かせていただいた音を思い出しながら、忘れないうちに感想を纏めさせてもらいますね。

JBL JRX115

最初にミキサーを通して聞いた音は、綺麗で繊細さを感じる音でしたが、
音が細いというか、中音域のエネルギーが不足気味かなと思いました。
アンプへ直結してからは、音が充実して落ち着いた音になりましたね。

予想外に素直な音であり、空間表現が意外なほど良かったです。
あの手のスピーカーは、音を前に出す傾向が強いので奥深い音場は無理・・・
と勝手に思っていましたが、良い意味で裏切られました。

ホーンというと指向性が強く音が鋭いという印象があるのですが、
まったくスピーカーの存在を感じさせない鳴りかたでこれも中々の優れものと思いました。
音色的にもまとまりが良いスピーカーですね。
下手に高いトールボーイを買うよりも良いと思います。
重低音は出ていませんでしたが、低音の音圧レベルが高いので好バランスと思いました。
当方の試聴室にも導入することになると思います。

レイオーディオとはまったく違う性格であり、音に正面から立ち向かわなくてもすむので
そのまま使われても良いのではと感じました。
特にCDPからアンプまで完全に独立した構成ができるので使わないのはもったいないと思います。

私自身も、普段は、ブリロンや805で音と勝負するような聞き方をしてますが、
時々大型スピーカーの鳴りに包まれて気ままに楽しみたいと思ってヤマハや
居間にあるパイオニアの3ウーハーの大型トールボーイを鳴らしています。
U様は、設置スペースもあるので処分するのはもったいないような気がしました。

レイオーディオKM1V
 

レイオーディオのKM1Vの出す音は本当に綺麗ですね。
ピーク感の少ない、バランスの取れた音、特に中低音のつながりの良さが印象的でした。
ダブルウーハーの効果もあり、低域のエネルギー感も十分、とても良いスピーカーと感じました。
セッティングの違いによって音質に大きな違いが出ましたが、
これは、それだけシステム全体のレベルが高いと言うことの証明だと思います。
スタンドをSide-Pressにした効果は、想像以上に大きかったはずと思いました。

セッティングに関しては、悩ましいところです。
フロントを押さえた時の音・・・ある意味で豊麗な鳴り方と言える音ですが
個人的には、どうしても作られた響きが付いてくるのが気になりました。
どのような音源でも同じような傾向の響き(エコー感)が付くのです。
長時間聞くと疲れを誘うかも知れません。
元々は、そういう音造りのスピーカーと思いますので、ここをどう思うかでしょうね。

ダクトバッフル部を押さえた時の音・・・・
ソースに含まれた音だけが素直に出てくる印象で、私はこちらの方が質の高い音だと感じました。
こちらの方が、音のスピード感、切れの良さがあるのですが、全体としては非常にスムーズで自然な音だと感じました。
言ってみれば音楽に浸れ、引き込まれてしまう音だと思います。

それにしても素晴らしい機材の数々には驚きました。
自分のシステムがいかに質素でチャチなのか・・・恥ずかしいです。

●U様から頂いたご返事(メール)

私にとってもとても楽しい時間でした。

 また丁寧な詳しい感想頂きましてありがとうございます。
自分では気づかなかったことが明確になりました。

オーディオと音楽に永く接しておられる志賀様の御意見は説得力を感じました。

機材は僕が物好きといいますか興味を持つとすぐ買ってしまうもので、 
いつのまにかこうなってしまいました。
程々にしないといけませんね。これというものをじっくり使いこなすのも大事ですよね。

レイオーディオはおかげさまで性能を、これまでで最高に引き出せていると感じています。
あらためて自分の物ですが感心してしまいました。

JBLのほうはもう少しいろいろ試して検討してみます。


●U様宅でのセッティング&チューニング(2回目)

前回お邪魔してから約1週間後、再びU様宅を訪問させていただきました。
既にSide−Press、T−Topスタンドの導入を決断なされたU様。

今回の目的は、セッティングの詰めとU様のご希望によるケーブルの聞き比べと決定です。
朝早くからお邪魔し、大きな音も出せる昼間に作業を行いました。

機材配置、スピーカー設置位置の見直しとチューニング。
前回訪問時に時間切れとなったため行えなかったセッティングの詰めを行いました。

JBLのJRX115を外側に押し出し、内振りを大きめに。
レイオーディオSPの位置を更に前に出し、SPの前方、側方の音響的な障害物を減らしました。
壁からの距離、上下左右の振り角度を微調整、左右の誤差をなくしました。
床面のスパイクの接地状態の調整、各ボルトのロック確認も大切な作業です。

●電源ケーブルの試聴&選択

U様がお持ちで常用されているケーブルからベストを選ぶことにいたしました。
最初に使っていたのが、壁コンセントに接続されていたイルンゴオーディオ製の高価な銀単線ケーブル
        次に試聴したのは、200Vトランスに接続されたベルデンに非メッキのプラグを着けた手製品
最後に壁コンセントに接続したAETの SIN-AC

電源ケーブルによる音の違いがここまではっきり分かるのにも驚きました。
システム全体のレベルが相当に高いということだと思いました。
私の感想を言う前にU様の感想をお聞きし、耳の訓練もさせていただきました。
U様は、長いオーディオ暦を物語るように
的確にそれぞれの音の特徴を捕まえていると感じました。

イルンゴオーディオの銀単線ケーブルは、非常に高域の伸びがあり、一回り大きな音場が出るのが特徴。
高級ケーブルの名に恥じないHifiを感じさせる音でした。
デモ効果の高いケーブルともいえますが、あまりの切れの良さに長時間音楽に浸るには、少々難点が・・・。

私が選んだものは、ベルデンに非メッキのプラグを着けた手製品のケーブル。
これは200V〜ステップダウントランスの効果も大きいと思いました。

U様は、イルンゴのケーブルがお好みの音とのことでした。
この辺は、気分によって使い分けても良いのではとお話いたしました。

●スピーカーケーブルの比較&選択

最初は、当日U様が使っておられたケーブルは、レイオーディオ純正のもの
(銅テープ等を巻いてチューニングされた太いケーブルで何とアース端子付き)



このレイオーディオのケーブルは、高域の伸びが顕著、大きな音場が出るのが特徴。
響きが豊かでありながら細かな音も良く分解されて聞こえてきます。
ケーブル外観も良く見ると手作り的な雰囲気が感じられ、スピーカーと同様に音造りを行ったケーブルと感じました。

次は、前回訪問時にお使いになっておられたWE(ウェスタンエレクトリック)の紅白ビンテージケーブルでした。

メーター千円程度というこの安いWEのビンテージのケーブルは、極めて音楽的な落ち着きのある音を出していた。
音のメリハリという面では、際立ったものはありませんが、
聞き出した瞬間にほっとする雰囲気を醸し出してくれます。
うーん、これはいい音ですね! そういう言葉が自然に出てくるケーブルでした。

今回は、長時間音楽に浸れる音を優先し、WEビンテージを推薦させていただきました。

●最終インプレ

この状態で聞いた音は、実に静かで誇張のない自然な音でした。
歌うべきところは歌い、出るべき音は出してくれる。
とにかく誇張した感じがないので、素直に音楽に向き合える音という印象です。

レイオーディオのスピーカー、非常に高価なものですが、その値段に見合った音を出しており、
全域にわたっての滑らかな音のつながりが大きな魅力だと思いました。
Side-Pressにセッティングされた結果、リスニングポジション以外の場所、
U様は、少々離れた仕事机で聞く音もなかなか魅力的な音ですとの感想も述べられていました。

T−TOPスタンドに乗ったJBLのJRX115。
このスピーカーの室内再生としては、ベストに近い音が出ていると改めて感じました。
爽やかな抜けの良い音は、レイオーディオとはまったく違う音世界ですが
気楽に音楽を流したいというようなシチュエーションで活躍されると思います。
大音量で聞く大編成のクラシックの懐の大きさ、詰まるところがなく飛び出してくる音も魅力的でした。
これは明らかにT−Topに乗せたことによる大きな効果と確信しました。

このスピーカーが、1台3万円程度で手に入る・・・ピュアオーディオの常識?からしたら信じられないことです。

私も試聴室の新しいアイテムとして導入を行うことにしました。
外観、価格共にピュアオーディオ用とは言いにくいこのスピーカーですが
隠れた名品と言えるのではと思っています。
試聴された方の驚く顔が目に浮かぶようです。

U様も今回のチューニングでご自分のシステムの実力が具体的に理解できた様子。
これが自分のシステムの実力なんだ! と感心されていたように感じました。
これからも試行錯誤しながら、自分好みの音創りに励まれるのが予想できます。

●番外編(休眠中SPの試聴)

実は、こんなものも持っているんです・・・・別室から持ってきた2種類のスピーカー。

一つは、小さな六角柱形状のエンクロジャーに3ケの小型SPの取り付けた無指向性志向のもの。

さすがに低音は、まったく出ないが、使いこなしが面白い。
左右後方用のSPの音量がバランスつまみにより可変できる。
外側に振りすぎると、定位も何もない妙な音になるが、内向き側の音量を大きくし、
ニアフィールドで聞くと、まるでコンサートステージを真上から覗いたような音場ができる。
サブウーハーで低音を補強したら相当に楽しめそう・・・
仕事机の両脇に置いたら・・・・
ソファの隣に置いてワインを傾けながら・・・・・そんな使い方を思い起こさせるSPであった。

無指向性志向の小型SP 松集成材エンクロージャー入りシングルコーンSP

もう一つは、松集成材ボックスにアルテックのシングルコーンSPを使ったもの。
聞いた瞬間に、35年前に愛用していた、大型BOX入りのパイオニアのPE20モニターの音を思い出した。
良く響く豊麗な音と言える。エンクロージャーも木の響きを積極的に出すタイプのもの。

能率も高く、管球式の小出力アンプで使った時は、豊かな響きを楽しめそうなスピーカーと感じた。
音のスピード、切れの良さという言葉は、無縁とも言えるもので、現代オーディオの目指す方向とは別の楽しみを追求したものと感じた。

使ってみるならお持ちになりますか?とのU様ご提案を頂いたが、私自信がドツボにはまりそうなので丁重にお断り申しあげ、
代わりに休眠中の5本の電源ケーブルをお借りしてきました。

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比較的近所なので、これからも行き来することも多くなると思われるU様宅。
次は、どのようなことになっているのだろうか・・・・
早くも次の訪問が楽しみである。
このような機会、出会いを与えてくださったU様に改めて深く御礼申し上げます。
ありがとうございました。


FAPS 志賀