FAPS   T−TOP スピーカースタンド   お客様レポート

   都内にお住まいのD様 ダイヤトーン DS-2000 試聴&導入レポート

都内にお住まいのD様から頂いたレポートです。T−TOPスタンドのご試聴後、ご購入くださいました。

D様は、某巨大掲示板でT-TOPのことをお知りになったそうです。
HPをご覧になってご自分の環境にも合っていると思われ、試聴なさってくださいました。

解像度等については相当追い込んだ状態でお使いでしたが、
T-TOPスタンドを用いることにより空気感,音場感のアップを期待されてのご試聴でした。

D様の1’stインプレ

T-TOPが到着しました。早速セッティングしました。

かなりの音が出ていることは確かです。
タオックの低域の馬力も捨てがたい物がありますが,音場感等は勝っているようです。

SPの下には1円玉!床には真鍮スパイク受けでやっています。
まだ高域が硬く中低域のつながりが今ひとつですが,黒壇をうまく使えば良くなる感じです。



試聴開始直後にご提供いただいた写真です。

FAPS回答

スタンド到着とスタンドの初期感想のご連絡ありがとうございました。
写真も拝見させていただきました。
なかなか決まっているように思いますが、いかがでしょうか。
幾つか気になることがあるので参考までにお知らせいたします。

まずSPの上に乗せてあるものですね。
再生する音量にもよりますが、これだけあると音に相当影響していると思います。
余計なお世話かもしれませんが、SPの上には何も乗せないほうが良いと思います。

SPと後ろの壁との距離がかなり近いですね。
できるならば壁面と30cm以上、最低でもSPバッフル面がセンターラックよりも
前に来るようにした方が良いです。
試聴室では1.5m位とっていますが、こうすると音の奥行き感が圧倒的に増えます。
(オーケストラのひな壇の前後関係が見えるような感じになります)

一度思い切り前に出してみて(1m位)そこから生活面とのバランスで狭くしていってはいかがでしょう。

スタンドのベースや支柱部分にもケーブル等を接触させない方が良いと思います。
特にSPケーブルは、スタンド支柱の微振動の影響で音質が変わりますのでご注意ください。

SP底面の1円玉も外して直刺しすると音の印象はまた変わってきます。
いろいろ試しながらごゆっくり試聴なさってください。

試聴終了時点でD様から頂いた感想です。


スピーカー ダイヤトーン DS-2000
メインアンプ サンスイ B-2102MOS(パワーアンプダイレクト)
CDプレーヤー TEAC VRDS-25XS
D/Aコンバータ ソニー DAS-703ES
D/Aコンバータ Esoteric D-2

DS-2000は20年前に購入した年期物で,
数年間お蔵入りとなって一時は廃棄まで考えていたものですが,最近また音楽を聴き始めるようになりました。

タオック(300DH)+黒檀製のスパイク+真鍮のスパイク受け+SPのセッティングで音像のフォーカスが合うようになり,かなり満足出来ていました。
それでもSPにわずかに乗っかる付帯音が,音場感や雰囲気を損なう感じは否めませんでした。

T-TOPスタンドがやって来て,スパイクのネジに薄く油が塗ってあったのはメカ好きには嬉しい。
また使用の際には,床面とSP面にハンズの黒壇を挟んでいます。
点接触が良い事は分かっていたものの,針の様に突き刺すのは初めてでした。
しかし高域低域ともにレンジが広がる感じで,左右のチャンネルセパレーションも良好で自然な音場が形作られます。

FAPS スピーカースタンド
T−TOPスタンドを導入されたD様のシステム全景

また低域のアタック感は吹っ飛ばされるほどの底力です。
DS-2000の本来持っているスピード感が20年目にして初めて本領発揮された感じ。

今まで聴いた事がない音で,確かに一度聴いてしまうと確かに元には戻れない音には違いありません。
中域の質感は高いもののやや泥臭いところのあったサンスイが,急にモダンな音に生まれ変わった感じ。
また耳につくような違和感がなくなるとボリュームを上げたくなるもので,家人からはやかましいと苦情が来ます。

クラシックを主に聴きますが,上記のごとくパーカッションやピアノについてはほぼ完璧な再生と思います。
電子楽器では音の立ち上がりの速さに驚きます。

木管楽器では音のブレンドや響き合っているハーモニーが非常に美しい。

パイプオルガンはバロックの多声音楽で,
各声部が独立性を保ちつつかけ合いながら3度や6度の和音のハーモニーを醸す美しさがありますが,
3声部までははっきり聞き取れます。4声部目が聞き取れた時は驚きでした。

よく聞き慣れたお気に入りのアルバムで試してみるとよく解ります。
聞き慣れたレーベルでも新しい発見がある事は,音楽そのものを楽しめる事でもあります。

問題があるとすると,ピントの合い過ぎている写真で眼が疲れるように,かなり硬質な傾向です。
ヴァイオリンの音も強めで,ストリングスではピツィカートは問題なしですが,アルゴの音をどう考えるかです。
でもボケた音では,さらに一層物足りなくなります。

木管楽器ではもう少し柔らかい質感が出ないものか?
音場感も柔らかい空気感と言うよりは,今の寒い季節のようなピンと張りつめたような澄んだクールな方向です。
低域の量感は,高さの違いがある為か,特にオーケストラでタオックに比して少し後退するようです。
汎用性は高いと思いますが,レーベルによって得手不得手があるのも否めません。
しかし一方,自分の持っているD-2が特に中高域はかなりの実力機であったことは新しい発見でした。

20年前といえば国産のブックシェルフ型スピーカ全盛の時代で,その後無沙汰していて実は浦島太郎状態でした。
T-TOPはこのような国産ブックシェルフ型スピーカのセッティングにおいて,
善し悪しは別にしても一つのリファレンスになり得ると思います。
特にボケた音に悩んでいる人には,一度試してみる価値はあります。

説教めいた事は言えませんが,(そういう人ばかりだと思いますが)要するに自分の耳だけを信用しましょう。


FAPS感想

D様、詳細な感想ありがとうございました。
読ませていただいて感じたのは、D様はとても素晴らしい耳と感性をお持ちになっているなということです。

DS−2000は、D様のおっしゃるように初めてその実力を現したのではないかと思います。
それだけではなく、DS−2000の限界も明らかにしてしまったようにも感じました。

現在ご不満をお持ちの部分は、スピーカーユニット自体の音、特性に起因することかも知れません。
ケーブルによるチューニングも考えられますが、それほどの効果は出ないでしょう。

内部ネットワークの部品、配線交換は更なる変化を出しますが、
更に硬質な音質になる可能性の方が大きいかもしれません。

以下は、私自身の経験と判断によるものですが、
当時のスピーカーは、スコーカーやツイターのフレーム部分、特にバッフル面の飾りつけが過剰であったように思います。
同様にバッフル面の仕上げがとても綺麗である反面、音の輻射という面では悪い影響があるように思っております。

試聴室にやはり20年もののYAMAHANS-700XMonitorというSPが置いてあります。
このSPは、このSPの音を聞くというよりもT−TOPスタンドによる音の違いを確認するためのものです。

オーデイオ的に聞くとこのSPの音は、各ユニットが勝手に音を出している感じであり
つながりもバランスも良くなく、聞いていてうるさく疲れる音でした。

いくらテスト用とはいえ、これでは・・・と思い幾つか対策を行ったのですが、
一番有効だったのが、右側の写真です。
バッフル面にフェルト地を貼り付けてしまったのです。
外観は、最低ですが(笑) 音が落ち着き、何とか聞ける音になりました。

サランネットを取り付けることも多少効果はありましたが、厚手の布地の影響で
高域がマスクされてしまうようでした。

T−TOPに乗せたその音は、オリジナルとはまったく違う現代風の音質に生まれ変わりました。

対策後もうるさい音という印象は残ったままですが、これはユニット自身の癖でどうしようもないようです。

D様の感想を読んでいて、自分自身の経験を思い出したため、参考までに紹介させていただきました。
何らかのお役にたてば幸いです。

YAMAHA製 スピーカー使用例 ウーハーサイズ31cm  
オリジナル外観            フェルト張り付け後