志賀様
興奮冷めやらず、一気に書いてしまいました。
11年前滋賀在住時にEntry Siを用いSide Press
HSの視聴
(https://family-arts.com/sidep_report/sidep_entry_si.htm)をいたしました。
その際は音の狙いをあえてトールボーイであるウィーンアコースティックのT-2G(その後モーツァルトグランデと改名)に振り、ブックシェルフからは離れる決心をいたしました。
さて、今回は久しぶりにオーディオ熱の再燃
過去に所有していた物で諸々が理解できており、現代でも程度良好な品が手に入る
ONKYO Monitor 500X を純正スピーカー台とのセットで入手いたしました。
【ONKYO Monitor
500X オリジナル台込みでの音】
・ものすごく重量感あふれる低域@60〜80Hz
・が、反面、その下はスカ抜けて出ていない
・クロス部の重なりが多く声の音像が上下に別れる感あり
・その帯域の音色が妙に明るく、解像感がそれぞれのユニットで違う
なにより、低域が響きすぎる。
まるでバスブーストしたカーオーディオみたいな音・・・
こりゃ失敗したか?
これらをなんとかしようとPCオーディオ出力のイコライザー(Equlizer APO)なども使い
・小径・延長ポートを埋め、60Hz down,
40Hz up
・2kHzあたりを抑える
という使いかたをしてきました。
(昔と違ってイコライザーに頼るという手抜きをやってしまいます。)
ただ、この重い低域はきっとSide-Pressで解決できると確信し、志賀さんにコンタクト
「滋賀のみたけです。覚えていますか?」
電話で小一時間
11年間の浮気(笑)を詫びるとともに、現状の商品状況を聞き訪問を約束
楽しかった・・・
11/27(土) FAPS訪問
あらかじめ大編成オーケストラ曲を聞くとお伝えしておきましたところ、聞き所の感性が志賀さんとはそっくりなことが判明(笑)
まず常設機種の試聴
ブリロン1.0SLE @ SidePress SKY
ジョセフオーディオ RM7XL
@新型ベース(覚醒?)

音源『ショルティ/CSO マーラー巨人 3楽章』をメイン
静かな音源だけに、ステージイメージ、楽器の発音メカニズムが目に浮かぶような良録音です。
ブリロンの段階でステージイメージの広さに唖然
超低域までが出ているわけではないが、SidePressが生み出す360度同心円音場が奥行きを生み出す
低域はボリュームではなく、速度が素直に揃っていればレンジ感が広く聞こえることを改めて実感
次にジョセフオーディオ
・・・・ 言葉を失いました。
なんだこの実在感
細かい音が空間にきちんと展開され、空気の質感そのものが変わってしまっている
フッと軽く出てくる低音
SidePressが同心円に音場のグラデーションを形づくるのなら、この新型はグラデーションを感じない。
全空間が同じ密度
この差がスピーカー能力の差なのかどうかはこの段階では不明
とにかく驚きの差
ただし見た目からして新型は選べないなと「SidePress、持って帰ります!」と宣言
では Monitor 500X を SidePress SKY にセッティング
まるであつらえたかのようなサイズ、横幅ピッタリです。

ええ、思ったとおりの音でした。
若干明るく解像しきれていない中高域は元からの音として、団子だった低域がほぐれてきています。
これこそがSidePressならではの音、求めていた『機能』
チューニング用の後入れポートを入れると更に良好
低域の静けさ、ズシーンとくる深さまでも出てきています。
この音ならサブウーファー、不要です。
ポートをもっと下げてもいいくらいにオーケストラを聞くには良好な効き目
ただしポップス系にはポートが無いほうがチャーミング
次に「参考までに新型聞いて見ましょう」と志賀さん
「いやいやいや、やっぱり見た目で SidePress になるでしょう」と私
セッティングは一瞬で済みます。載せるだけです。
むしろSidePressから降ろすほうがサイズぴったりで難しい。

音出し、一発 ・・・・・ 声を失いました。
なんだこれ。こんな Monitor 500X、聞いたことがない。
そもそも Monitor 500X ってレジンバッフルのせいかもだけど、振動の逃げ場が無いようで歌う感覚のスピーカーではない。
のに、今目の前で出ている音はというと・・・
・強力なユニットがフルに性能を発揮し純粋に信号を音化
・天地左右の箱がきれいに呼吸しているかのような空間形成
=歌う500X
完全フリーの発音体が空間に居る感覚
特に後入れポートを入れるとホールの木質ステージ床が響いている感覚が見えるかのよう
速くて深い音、そして静か。初めての体験です。
こっからは志賀さんの領域
難物ソースがそこそこのボリュームで次々500Xに突っ込まれます。
確かに最新のSPと比べると音の繊細さ、空間展開の精緻さではかなわない。
が、強音での伸びがとてつもない。青天井のように吹き上がっていく音です。
日本のオーディオって本気で良い仕事してたんだなぁ
新型スタンド(覚醒?)との相性は抜群
ONKYOのエンジニアもきっとこの音は聞いたことがない
これに比べてしまうとSidePressの空間はまだ狭かったし、なによりSidePressでも音が整理されてしまっていたのだなとわかった。
「新型、買います!別物です!」
改めて見てみると、床専有面積、高さとも、我が家の使用環境によりベター
と、こっからは試聴もそっちのけでオーディオ談義、音楽談義、人生談義
本当に楽しかったです。
しかし、志賀さん、なんてもの造ったんですか・・・・
【自宅にて】
セッティング、一瞬で完了

音出し一発ですぐにわかった
オリジナルスタンドは当時の感性で重低音を補完するべくチューニングされたのだろう
スピーカーと一体化して発音している。
そう言えば30年前に同スピーカーを使用していた際も、スタンドとキャビネット間の振動アイソレーションこそが肝だった。
ソルボセインとスパイクを駆使して浮かせ、浮いてできたスタンド天板とキャビネット底版の間の吸音材の質までも聞き分けていた。
現代に聞く500Xにとっては重いし遅い
500Xは長岡氏っぽく言えば高速フットワークが可能なヘビー級ボクサー
30年を越えてスタンドという足かせからやっと解き放たれ覚醒する500X
ゴムエッジさえケアできれば、これは一生モノだぞと思ったほどでした。
さて、ネットワークでもいじりましょうか
スピーカー遍歴・覚書
※ 自らの30ウン年を思い出して・・・
CORAL X-III
DIATONE
DS-97C
長岡式 スワン
ONKYO Monitor 500X
SONY SS-A3
ROYD SINTRA
improved
B&W Matrix 802III
Infinity Renessance90
長岡式 D-37
Victor SX-300
Electro Voice Sentry30
ALR/Jordan Entry Si
迷走期
ウィーンアコースティック T-2G、T-3GB
FOSTEX GX-100
Pioneer
S-955、S-1000twinA
YAMAHA NS-1000X、NS-10MM
Victor SX-900
DIATONE DS-203
ハーベス HL Compact
PMC GB1
Dynaudio Audience62
KEF Reference Model3
SOULNOTE sm1.0+sb1.0
Image11 KAI2
mhi
Evidence MM01A/GB
ADAM A7
Scandyna Micropod、The Drop、The minipod
海外在住時
Dynaudio Focus 110、Contour 1.3SE
ELAC 310.2jet、310CE
ATC SCM11
FOCAL Cobalt 826
Anthony Gallo Reference 3.1
自作系
MarkAudio Alpair7 Gen3、CHR70 v3、CHP70 v2
自作 Side Press
(ステンレスムク棒で造り音作り失敗・・・)
帰国後
長岡式 D-118、単純バスレフ Fostex FE-103sol,
108sol使用
試聴前
Monitor 500X

視聴後急遽導入
CORAL DX-3

DIATONE DS-A7
Pioneer S-A4SPT
※
今回の「覚醒」のおかげであれやこれやと悩まずに済みます。
セッティングしてどうにかしようというのは時間のムダだとはっきり言えるほど。
おまけレポート
FE-103NV @10Lバスレフ
中庸、Solより聞きやすいがだからどうしたという音
FE-126NV @15Lバスレフ
今回のNVシリーズでは当たり。
中高域の芯の出方がすごい。(103
Solより本質的に思える)
その分ハイ上がりをどうするか。
ポートチューニングを低くしすぎて欲張るのはダメ(混変調が出る)
FE-166NV @25Lスリットバスレフ
古典的にも聞こえる。が耳当たりがいい
スリットではなく大きめの丸ポートで鳴らすのが良さそう(改定予定)
※ 中高域が絶品の126、中域のほぐれ感が良い166
206まで欲張りたくなるが、箱がでかくなりすぎるのでここらで打ち止め

スピーカー三種による揺れ動画をお送り頂きました。
ここからもご覧になれます。
実験結果について
DX-3
幅290x高さ515x奥行282mm
重量
12.8kg
直感的になりますが、DX-3は"軽やかに"揺れています。
セッティングの際の3本の支持棒のちょっとしたたわみ具合が手に返ってくる感
じからも無理を感じません。
背が高いのが気にはなりますが、これはありでしょう。
ツィーター高さからもここらが限界っぽいです。
Monitor 500X
幅257x高452x奥行308mm(サランネット含む)
重量 16kg
500Xは捻じれ揺れが交じります。
とにかくフロントヘビーな機種です。
セッティング時に前1本の支持棒がたわむ感じが手に返ってきて、前2点、後1点
支持のほうが良さそうに思えます。
音の面では問題ありませんが、荷重面では少しミスマッチな感じを受けます。
DS-600Z
幅322x高575x奥行285mm
重量 16kg
600Zは機種の重心が良いのと重さで抑え込んだような印象で揺れが早く収まって
るように見えます。
ただ、明らかにオーバーサイズです。ツィーター位置がさすがに高すぎます。

